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遅刻の言い訳と逆転のウルトラC

遅刻の多い生涯を送ってきました。

盛大に言い訳をさせてもらうと僕には沖縄の血が流れてるんだと思う。だから時間にゆとりを持つ沖縄タイムが発動するんじゃないかな。ま、神奈川生まれ神奈川育ちだけど。ま、顔はめちゃめちゃ薄いけど。ま、目はハイフンが2つ並んでるだけだけど。家系図?あのトーナメント表の逆みたいなやつのシード的な感じで沖縄の血が迷い込んだんだよきっと。

いや、本当はわかってる。わかってるんだよ原因が。家を出る時間が差し迫ってるのに気になったことをやっちゃうのがいけないんだよ。気になって急に前髪を切り出したり。女子か。あとは急に掃除を始めたり。女子か。女子でもないか。あとはヒゲを抜き始めたり。女子か。絶対違うわ。

最近は乗り換えのアプリがインフラになった。何時何分に目的の駅に着くかが決定してる。つまり未来予想図を勝手に描いてくれる。アプリがブレーキランプ5回点滅させてくる。ロマンチックじゃないか。とかそんなことを言ってる暇はない。こちとら家を出た瞬間から5分の遅刻が確定してる。ブレーキランプ踏んだ回数ミニッツ遅れてる。うーん、助けて吉田美和。

友達なら問題はないけど初対面の相手の場合は慎重に戦わなくてはいけない。5分の遅れは確定している。が、「3分ほど遅れてしまいそうです。申し訳ございません。」とかなり早い段階で連絡をする。するとどうだ。僕が都内へ出る場合は1時間近くかかるので、相手がまだ家を出ていなければ遅刻など揉み消すことができる。もし家を出てしまっていても「たった3分の遅刻でも報告する律儀な人」と思わせれば勝ちだ。電車が遅れてまして…とか、お腹が痛くてとか余計な嘘はつかなくていい。嘘で泥の足場を作る必要はない。あくまで謙虚に爽やかに遅刻をするんだ。あとは印象操作。遅れて行ってもファーストインプレッションがよければ戦況はひっくり返せる。

でもこんな時に限って不思議な事が起こる。乗り換え案内よりも早く乗り換えられる時があるのよね。僕はこれをover the 乗り換え案内と呼んでる。まるで精神が肉体を超え始めたゴリだ。早く着きたいという気持ちは時空を越える。5分遅れるどころか2分早く着くみたいなラッキーパンチ。

「やっぱ遅れませんでした」の報告は結構、野暮だ。何度も連絡するのはうるさいし、相手はもう3分遅れた未来予想図を描いてる。じゃあ駅のベンチで座って3分しっかり遅れてから行こうか。いや、そんなバカな話があるか。しっかり遅れるって日本語か?おい。早く着きそうならちゃんと早く着く。これが人としての正解だ。早く着いて待ってると5分後に相手が来る。すると相手が遅れてきた感じになるのでオセロの色は簡単にひっくり返る。下手したら相手が「すいません」って謝ってくる場合もある。

僕の第一声は「乗り換えがうまくいき過ぎて早く着いちゃいました!」
完璧だ。爽やか。そして時間も守れてる。さらにうまくいけばちょっと笑いもとれる。ウルトラCだ。が、このウルトラCが決まるのは10回に1回。いやもっと少ないか。だから圧倒的に遅刻する回数の方が多い。てへ。

でも僕は遅刻をして怒られたことがないんだ。実際どう思われてるかはわからないけど、出会う人には優しい人が多いんだと思う。もっとちゃんとしなきゃなーと思いつつ、なかなか直らずここまで来てしまった。

とにかく人への感謝しかない。今日も僕は心の中でブレーキランプを5回踏む。

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