詩小説「ルーティン・パイナップル」
ルーティン・パイナップル
日曜日の朝はパイナップルに限る
あの清新な風味を味わえなければ
この素晴らしき日は始まらない
彼女に会うまではそう思っていた
パイナップルを買うために訪れた
八百屋で働いていた彼女に
会うためだけにそこで
アルバイトを始めた
バイトは朝早くパイナップルを
味わう時間などなかった
私はパイナップルのルーティンを
放棄した
代わりに朝早く彼女に会うことが
ルーティンになった
私達は付き合い始めた
時間に余裕ができてからは
朝早くに彼女にパイナップルを
食べさせてもらった
私はそれを日曜の朝のルーティンにした
パイナップル・ルーティンを重ねながら
私達は結婚し幸せに年老いていった
彼女が死んでもなお日曜日には
パイナップルを朝早くに味わった
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