「氷河期世代」念頭に低年金対策　厚生年金活用、負担増で難航も

★わかりやすく解説

政府は、40代から50代の「就職氷河期世代」の低年金問題を解決するための対策を検討しています。これは、就職が難しかった時期に社会に出た人たちが、将来十分な年金を受け取れない可能性が高いためです。具体的には、パート労働者などが厚生年金に加入できるようにする案や、年金の受給額を減らす調整を見直す案が検討されています。しかし、これらの案は企業や国民にとって負担が増えるため、議論が難航しています。

★これを知っておくと理解が深まる

厚生年金は、会社員が主に加入する年金制度で、パート労働者や短時間労働者が加入できる範囲を広げることで、将来の年金受給額を増やすことが期待されます。また、年金の減額調整を見直すことで、受給額の減少を防ぎます。政府が考えている案が実現すれば、多くの人が老後に安心して生活できるようになります。

★何が問題なのか？

一つの問題は、厚生年金の適用範囲を広げると、企業の負担が増えることです。特に中小企業は、従業員の年金保険料の半分を負担しなければならないため、経営が厳しくなる可能性があります。また、国庫負担が増えることで、税金が増えるかもしれないという懸念もあります。

★用語解説一覧

・就職氷河期世代
説明）1990年代後半から2000年代初めにかけて、就職が非常に困難だった時期に社会に出た人たちのこと。
・厚生年金
説明）主に会社員が加入する年金制度で、従業員が一定の条件を満たすと企業と一緒に保険料を負担する。
・年金の減額調整
説明）年金財政の安定を図るために、年金の受給額を調整して減らすこと。

★そもそも論

年金制度は、老後の生活を支えるための重要な仕組みです。しかし、就職氷河期世代は安定した職に就けず、十分な年金を受け取れないリスクがあります。このため、政府はこの世代に対する特別な対策を検討しているのです。

★このニュースのQ&A

Q1. 就職氷河期世代とは何ですか？
A1. 1990年代後半から2000年代初めにかけて、就職が非常に難しかった時期に社会に出た世代のことです。

Q2. 厚生年金の適用範囲を広げるとどうなるのですか？
A2. 多くのパート労働者や短時間労働者が厚生年金に加入できるようになり、将来の年金受給額が増えることが期待されます。

Q3. 年金の減額調整を見直すとはどういうことですか？
A3. 現在の年金制度では、年金財政を安定させるために年金の受給額を減らす調整が行われていますが、これを見直して受給額を減らさないようにすることです。