見出し画像

吉見町立小学校の設置に必要な条例改正案を、吉見町議会が否決、今後どうなる?続編

吉見町議会令和6年6月定例会は6月14日に最終日を迎え、「吉見小学校統合再編と子育ちを考える会」からお預かりした「(仮称)吉見町立吉見小学校の令和10年4月開校を求める請願」が賛成多数で採択。PTA連合会から出された請願も採択され、四日間の議事日程をすべて終えました。

議会後に雑談に応じた宮崎善雄町長が「民意を重く受け止める」と語ったように、議会の議決は重く、町長は統合再編計画を着実に前進させる責務を今後一層重く負うことになります。先の条例案否決以前から、今年度は建設に向けた設計図をまとめることになっていて、遠からず町から設計案が示されるでしょう。

請願の審議は質疑、討論、採択という順で進みます。
子育ちの会からの請願には、小宮栄議員ひとりが質疑に立ちました。小宮議員が発言した質問、意見をおおまかに以下に示します。

①東第二小学校のPTA役員の方と話したが、「いまのまま、児童数が少ないままが家庭的で良い」と言う。統合再編を望まない町の意見をどう受け止めるか。
②請願書にある「議会は町の意見を反映していないと言わざるをえない」という表現は不適切ではないか。
③基本計画で示される通り、吉見中学校の敷地内に果たして建設できるのか。狭いのではないか。
④吉見中学校に近接する中新井、下細谷、和名の各地区から、建設に向けてまだ意見を聞いていない。この点をどう受け止めるか。
⑤建設に総額いくらかかるのか。


①②はわたしの立場で答えられますが、③④⑤は教育委員会しか知り得ない内容のため、「わたしには答えられません、わかりません」と議場で回答しました。
①の質疑に対しては、「町内に様々な意見があることは承知している。しかし、請願を提出した当該団体は統合再編計画を支持し、統合再編を望んでおられる。その意見が今回、請願という形で議会に提出されたものと認識している」と答えました。
②の質疑に対しては、「条例案が3月定例会で否決されたことを、当該団体では町民の多数意見と異なる、議会は町民の意見を反映していないと受け止めた。それが請願書の表現に現われているものと認識している」と回答しました。

加えて、「わたしは先の3月定例会で否決された日に当該団体から相談を受け、本日までおよそ3カ月間、署名集めのお手伝いをし、町民の皆様から意見を聞いてきた。行政は税金という形で町民からお預かりしたお金を原資に、町民への住民サービスを分配していて、小学校もその住民サービスのひとつ。小学校統合再編はそのサービスの形を変えようというもので、分配の形はどうあるべきかを、町民で決めることだと承知している。賛成も反対も互いに意見をもっと聞き合い、議論すべき時では」とわたしの持論を申しました。

討論に立ったのは杉田しのぶ議員ひとりで、賛成の立場で討論しました。

採択の結果、少数の反対があったものの、賛成が過半数だったため請願は採択されました。

請願の場面だけでの後日の動画配信はされないと思いますが、7月末に発行予定の議会だよりで賛否の結果は掲載予定です。また、それとは別におよそ半年以降に議事録がネット公開される予定です。このnoteをお読みの方にも確認をいただけると思います。

続くPTA連合会から出された請願の審議では、反対討論で三名の方が立ちました。小宮栄議員、岩﨑勤議員、福田妙子議員です。
将来予測では児童数の急激な減少で、開校数年後に余裕教室が生じる、建設はそれを待つべきでは。
吉見中学校のプールと駐輪場を減らして吉見小学校を建設するというが、狭いのでは。
新設による建設費が財政負担につながらないか。
というのがそのとき出された反対意見でした。

新生児数の急激な減少を受け、基本設計の練り直しは今年度必要だとは思います。まだ間に合いますから。しかし「建設せずとも現状の学校数を維持して対応できるのでは」とする主張は、地域における小学校がどうあるべきかという課題全体を見ていないのではと感じます。
また、敷地が狭いという受け止めは根拠に欠け、さらに詳細な設計図がわれわれに提示されていない現段階で、議論の助けにならないのではないでしょうか。

学童保育いちごクラブで定員超過を理由に利用を断ったことが、今後常態化していくと考えられます。そのため、私は学校統合を急ぐべきという立場で、開校と同時に新設される予定の学童保育に規模拡大と職員確保を求めています。共産党の福田妙子議員は「いちごクラブの充実」を求めて発言しておられますが、小学校の統合再編には反対されています。現状のいちごクラブでこれ以上の児童を受け入れられないことは明白で、新設小学校とセットで考えるべきだと私は思いますが、ご理解いただけません。粘り強く理解を求めていきたいと思っています。

3月定例会における条例案否決を受け、請願が採択、計画の推進と諸条例の制定を求める町の声が議会に届いた、という取り急ぎの報告でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?