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まさに日本らしい 映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』

おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021年製作の映画)
上映日:2021年01月08日製作国:日本上映時間:101分

18ヶ国でリメイクされてきた傑作ホラーコメディ映画

面白かったですよ。
ヒガシパートで2回泣きました。。
まさか泣かされるとは。。

元のイタリア版の『おとなの事情(原題『完璧な他人』)』も観てましたし大好きです。

18ヶ国でリメイクされてきただけあって
話が整理されてますし
「日本らしさ」を強めてるのもわかります。


**


イタリア版だとやっぱ知らない俳優さんが7人出てくるし
名前もペッペとかロッコとかレレとかなので、、、
誰が誰の何色の何なのか覚えるので大変。。


その点、
日本版は馴染みのある俳優さんばかりなのでそこにエネルギー使う必要はない。


ワンシチュエーションのセリフ劇


テレビドラマで活躍してきた俳優さんによるセリフ演技がほんとに上手い。自然。しかも面白い。

映画俳優さんって意外とセリフになると棒だったりしますけど、、、

常盤貴子、田口浩正、益岡徹、ヒガシあたりは本当に上手い。
不自然なシチュエーションなんだから不思議なセリフも多いはずなのに。

とくに常盤貴子が面白い。。。。
ちょっとふざけてますよね、あの人。。
映画の中でめちゃくちゃ自由に動いてくれてる。
田口浩正もそう。
こういう自由なキャラがいてくれると映画は嬉しい楽しい。


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鈴木保奈美もセリフは上手いんだけど
目の表情がね。。
夫である益岡徹との対決の時、もっと目に表情を出してくれると良かったんだけど。。


ヒガシパート


これはネタバレなので詳しく書けませんが
ヒガシパートを中盤で持ってきたのは正解でしたね。

たしかイタリア版では彼のパートは最後の方だったはず。

かなり早い段階でヒガシの秘密が示唆されるので
ヒガシの心模様を丁寧に描けるので大正解。

しかもその時の田口浩正のセリフもとても良くて、泣いちゃったよ。。



日本版は日本らしさを強調しようと思って作ったのであれば


イタリア版のラストは、かなりホラーなのです。。
『完璧な他人』ですからね。。
めっちゃ怖いのです。

日本版は確かに「日本らしい」。

日本らしい、と言えば
しつこいほどに情感豊かな音楽と
親切すぎるキャラ紹介文と
三谷幸喜的なラストの鈍重さと
くどい「伏線回収しました!」アピール
が日本らしい。。。


イタリア版のソリッドさと比較すると
日本版が受け付けられない人多いと思います。。

もうほんとにくどいから。。

ただ、
情感に訴えさえすれば
それがいくらくどかろうと嘘臭かろうと
観客(一般市民)の感情をコントロールできる
と思ってること自体、とても日本らしい。。。

ラストもなんか自己啓発セミナーみたいな感じだった。。


なので、
日本版は日本らしさを強調しようと思って作ったのであれば、大成功!



とは言え流石にどうかと思う点は以下に(ネタバレあり)



冒頭ですごいしつこく結婚指輪をピカピカさせてて
「なんなんだこれは」と思ってましたけど、
あれは月食のダイヤモンドリングとかかってたわけですよね。

月食で月が一旦消えて真っ暗になるけど
反対側からまた月が現れて
その時ダイヤモンドリングのように輝く。

それと結婚指輪をかけてたんだぁ、
だからあんなにしつこくピカピカ光らせてたんだなぁ

と思ってたら、、

まさかダイヤモンドリングが現れるとこを見せないっっ!
月食で消える時に逆リングになる瞬間はあったけど、、
出てくる時は映さなかった。。

こんなにもくどい映画なのに、、、なぜにっ!!!

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