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 五十肩という言葉は誰もが聞いたことがあると思います。そして実際になった方、あるいはなっている方を知っている方も多いかもしれません。よく聞く名前で、肩が挙がらなくなるとは知っていても、原因や対処法などを理解していないと、いざなってしまったときに間違った対応をしてしまうかもしれません。

 そんな五十肩について簡単に説明していきます。

 正式名は「肩関節周囲炎」「癒着性関節包炎」といいます。最後に「炎」とついていますので“炎症”が原因で症状がでていることがわかります。

 ここで注意していただきたいことは方に炎症を起こす疾患は他にもあります。大切なことは他の疾患としっかり区別することです。肩の痛みや動きが悪くなる疾患として「腱板損傷」や「石灰沈着炎」、「上腕二頭筋長頭腱炎」などがあります。これらを区別して初めて肩関節周囲炎となります。もし症状がある方は整形外科を受診しましょう。診断には問診や関節可動域検査、レントゲン、MRI検査などを使用します。

 症状としては初めに痛みを感じ、徐々に関節の動きが悪くなり肩が挙がらなくなります。その後関節の動きが悪くなった状態が半年~1年程度続き、徐々によくなってくるケースが多いです。そして左右どちらかが治ったころ反対側に症状が出る方もおられます。

 五十肩ははっきりとした原因はわかっていませんが、40~60代に多くみられます。姿勢の変化や体の使い方の変化などにより肩関節周囲に負担がかかりやすくなることで炎症が起こっている可能性があります。

 次にならないようにする対処法となってしまった後の対処法をお伝えします。

 まずならないための対処法です。

 1つ目に肩周辺の運動を行うことです。当たり前かもしれませんが、気づかないうちに年々動かす範囲は狭くなっています。例えば腕をまっすぐにして外から腕を天井の方に挙げます。腕が耳に付くまで挙げられるでしょうか。また片方の手を肩の上から、もう片方の手を脇の下から後ろに回して背中で両手を触れることができるでしょうか。
若い時にはできた動きもできなくなっていることに気づくと思います。硬くなる原因はさまざまですが、習慣として動く範囲や回数が減少することが原因と考えられます。

 2つ目は肩以外の運動です。肩を動かすときに肩だけが動いているように見えますが、実は肋骨や背骨など全身も動いています。そのため肋骨や背骨の動きが悪くなると肩への負担が多くなります。その負担に耐えられず痛みや炎症を引き起こしてしまいます。

 3つ目は動かし方を学ぶことです。これは難易度が少し上がりますが、同じ動きをするときも効率的に動くことで関節や筋肉への負担は減少します。筋肉や関節を含め、体を滑らかに、効率よく動かす能力を得ることは大切です。

 そしてなってしまった後の対処法です。

 五十肩になってしまってまず来るのが痛みです。痛みがあるうちは動かしたくても動かせないことが多いです。その時は痛み止めを服用したり、安静にしたりします。痛みが軽減したが関節が硬く動かなくなっていしまっている時は、肩以外の運動をします。先ほども言いましたが肩は肩だけで動いている訳ではありません。そのため肩に負担をかけないために肋骨や背骨を動かします。また肘や手首などのマッサージを行うことも効果的です。

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自分で簡単にできる運動やマッサージを知っておくことで、ひどくなる前に対応できるかもしれません。


 このように肩の状態や時期によってできること、やるべきことは変わってきます。痛みで夜が寝られなくなることもある疾患ですので、できればならないようにしたいものです。生活習慣病と同じく、普段の生活で見直せる部分を探し、実行していきましょう。


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