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最期まで健康な人生を送るには ~脳卒中・認知症を防ごう~

最近は人生100年時代と言われることが多くなってきました。

平均寿命は増加傾向にあり、医療の進歩や栄養状態、環境など様々な要因によって人間の寿命は延びています。

そして最も大切なことは健康寿命とも言われています。

健康寿命とは元気に自立し、介護を必要としない状態で生活ができる期間をいいます。

平成22年のデータでは男性の平均寿命が79.55、女性が86.30となっています。(最新のデータではもう少し高い数字となっています)

しかし健康寿命を見ると、男性は70.42、女性は73.62となっており、その差がおよそ10歳程度の開きとなっています。

つまり人生の内、平均10年くらいはなんらかの介護を受ける、または日常生活に支障のある期間が存在するということになります。

平均寿命が延びていることは素晴らしいことかもしれませんが、健康寿命との開きが大きいことは、生活の質(QOL)の低下を招き、生きる希望や意欲、活力などを失う原因にもなります。

そのため生活の質をあげるためにも、健康寿命を延ばす、平均寿命に近づけることが必要になります。


そこで「ピンピンコロリ」という言葉に行きつきます。略してPPKということもあるようです。

ピンピンコロリとはその名の通り、死ぬ直前までピンピン元気に過ごすことです。

人生は様々です。もちろん全員がそれを目指して全員がそうなるとは思っていませんし、できない場合もあります。その結果介護を受けることに対して、消極的になったり、罪悪感を持つことはないと思います。

しかし今できることや今後変えらえることなど、対策をしっかりすることで、できるだけ長い間ピンピン元気に生活できる可能性はあります。
そのためにはまず知ることが大切です。

まず介護を必要とする際に、どのような病気やけがが原因なのかを知ることが大切です。

その病気やけがを防げるのであれば、介護を受ける可能性が減る訳なので当然です。


平成25年のデータより
介護を受ける原因でもっとも多いのは脳卒中です。

脳卒中は脳梗塞や脳出血など脳血管疾患の総称です。そのためくも膜下出血なども含まれます。脳梗塞が最も多くなる理由は麻痺による身体機能の低下が起こりやすいからと考えられます。

特に、片麻痺などに代表されますが、腕、足などが麻痺することによって、歩行やトイレ、入浴などといった生活動作における障害が生じます。

脳卒中が原因で死亡する人の割合は過去と比較するととても少なくなっています。命が助かる反面、後遺症が残り、生活への影響が大きくなります。

次に多いのが認知症です。
認知症は高齢化社会である日本では特に数が増えていることもあり、脳卒中を超える勢いで増えていると考えられます。

認知症で問題となるのは、身体機能の低下はなくても介護が必要となる場合があることです。認知症にも種類がありますが、金銭管理や物忘れ、妄想、徘徊など、独り暮らしが困難になるケースが非常に多いです。

脳卒中と違い、動作ではなく、社会活動や社会参加が障害される場合が多いため、地域とのコミュニケーションや家族との関わりによる介護が必要となります。

またアルツハイマー型の認知症の場合、徐々に身体機能の低下も伴い、車いす生活や寝たきりの生活になることもあります。

認知症に関しては、有効な治療法はまだ無いと言われているため、防ぐのは難しいのかもしれません。今後有効な治療法ができたとしても、数が増えていくことは想像できるため、社会全体でどう対応していくかが重要になります。

脳卒中に関しては、脳卒中自体を起こす原因が糖尿病や高血圧、などの生活習慣病であることがある程度わかっています。そのため喫煙や肥満、栄養の偏りなど、生活習慣の改善やストレスの軽減などに取り組むことで防げる可能性が高くなります。

生活習慣病を治療する理由はこのようなことにつながります。もちろん脳卒中だけでなく、心臓病や腎臓病、動脈硬化によるその他の病気を防ぐ必要もあります。

当院は生活習慣病の治療に加え、もの忘れ外来もあります。

認知症の初期症状でもある、もの忘れや、生活の中で感じるちょっとした違和感、変化などへの初期対応がとても大切です。

ささいなことでもお気軽にご相談ください。


介護が必要となる原因の3番目4番目は加齢による衰弱と転倒、骨折です。両者とも高齢になることで危険性が高まることはいうまでもないですが、特に転倒と骨折は予防することが大切です。

次回はこの転倒や骨折、その他の要因についてみていきたいと思います。


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