見出し画像

自分に合った方法を見つける

当院では色々な媒体で運動や食事、栄養、病気のことなどについて発信をしています。

もちろんその情報が概ね正しい、いい情報であるということを前提に発信しています。

それはテレビやマスコミ、雑誌、本、インターネットも基本的には同じだと思います。

一部利権が絡んだり、詐欺まがいな商品は別として、体にいいとされているものは世の中にたくさんあります。

しかしそのすべてが全員に当てはまるということはありません。
合う人もいるし、合わない人もいます

その観点で情報を取得することで取り組みをより効果的にすることができますので、今回はそこに注目していきたいと思います。


例えば、みかんは1日3個食べると体にいいという情報があったとします。実際に過去のテレビで目にしました…。

大切なことはその中身を知ることです。

みかんは冬の代表的な食べ物であり、夏には出回りません。温室の物があるかもしれませんが、数も値段も桁違いに違います。その場合はみかんに変わる何かを探す必要があります。


次に食べる数です。体の大きさ、性別、年齢、みかん自体の大きさ、持病の有無など3つ食べることによる悪影響がでないのかを確認する必要があります。

またみかんの何が体にいいのかを知ることです。もしビタミンCであれば他の物と比較してどの程度みかんは優れているのでしょうか。

何度も言いますが大切なことはみかんを3つ食べる健康法が、自分に合っているのかということを評価、判断できているかということです。

みかんの場合、重度の腎不全や透析治療を受けておられる方は、量によっては望ましくない可能性があります。

みかんに限らず果物や野菜はカリウムが多く含まれています。
通常のみかんであれば100gあたり約150mgのカリウムが含まれています。
缶詰になるとその半分の約75mgとなります。

つまり缶詰の方がカリウムを抑えられるため、腎不全や透析患者さんの場合は缶詰のみかんの方がいいかもしれません。

ビタミンCのことだけ考えると、キウイやいちご、柿などの方が含有量は多いですし、サプリメントという選択肢もあります。

このように1つの健康法を取り入れる時に、自分に合った、効果的な方法なのかを考えることで、自分の体にとっていい影響を与えるかどうかが決まります。

運動でも同じことが言えます。

膝が痛いときに筋トレやウォーキングなどを勧められることがあります。
その筋トレも膝の痛みによっては逆効果となる場合もあります。
むしろ筋トレではなくストレッチが効果的な場合もあります。
膝以外のトレーニングをする方が効果的な場合もあります。

テレビやインターネットでは多くの人があてはまる、平均的で広い範囲の事柄を紹介します。つまり対象とする人に該当しない場合ではその健康法はあてはまらない可能性もあるということです。

では自分に合ったものを見つけるにはどうすればいいのでしょうか。


1つ目は主治医に聞くことです。
主治医は病気のことを身近で理解している専門家です。
まずは今罹患している病気に対して悪影響がないか、もっといい方法が無いかを聞いてみましょう。

主治医がいない場合は聞くことができないため2つ目からのことをやってみましょう。

2つ目は試すことです。

試すのはただやってみるのではなく、やってみた効果をしっかり検証することです。

膝であれば痛みの具合や頻度、動きやすさなどを運動する前後で確認します。痛みの大きさは10段階でどのくらいの痛みなのか、場所や痛みが起こる動きなどがあれば日記のように書いておきます。

3つ目は続けることです。

1日や2日で効果が出る健康法はありません。あったとしても、“たまたま”という可能性もあります。

最低でも1週間~2週間以上続けてみて、効果を確認しましょう。

4つ目は違う方法が無いかを調べることです。

例えばテレビで宣伝しているサプリメントなどは絶妙な演出であたかも自分にも効きそうに見えてきます。

私は理学療法士として長年働いていますが、飲むサプリメントで膝の痛みが改善したという人にまだ会ったことがありません。

効果がない場合は膝の痛みを治せる他の方法を探す必要があります。
運動や減量、膝に炎症がある場合は炎症を抑えることが必要です。


痛みや辛い症状が続いている場合や健康になることを強く望んでいる場合は藁にもすがる思いで色々なこと、物に手を出すと思います。

病気の改善や健康維持のためには、正しい知識と正しい実行、正しい評価を行う必要があります。その方法やアイデアを我々のような職種に聞くことやインターネットなどで情報収集して、少しでも体や心がいい方向へ向かうようにしましょう。

当院では運動や栄養に関する知識を持ったスタッフがたくさんいます。

診察時の何気ない会話や検査時の少しの時間でも結構ですので、普段疑問に思っていることを質問してみてください。

答えられなかったり、わからない内容のこともあるかもしれませんが、いい情報はできるだけ共有していきたいと思いますので、今後とも努力していきます。