心肺運動負荷試験(CPX)ってどんな検査?
当院では心臓リハビリテーションを積極的に行っております。
その際患者さんの状態を評価する検査に心肺運動負荷試験(CPX)があります。
この検査は心臓や肺の状態を知ることはもちろん、スポーツ選手の体力測定などにも使用されています。
当院では心臓リハビリテーションを行う前に、必ずこの検査を実施して、安全で効果的な運動療法の提供を行っております。
ではなぜそのような検査が必要で、どのような効果があるのかを説明していきます。
CPX検査でわかることや目的はたくさんありますが、中でも重要なものは、運動耐容能の評価と虚血や心不全の重症度評価です。
聞きなれない言葉があると思いますので順番に説明していきます。
運動耐容能とは簡単に言うとその人の「体力」です。
学生時代に体力測定を行った記憶があると思います。あれも体力を評価していますが、CPXの場合はもう少し科学的な視点で評価しています。
人間は酸素を摂取して、消費し、二酸化炭素を排出してエネルギーを作り出しています。
つまり簡単な表現にすると、多くの酸素を摂取できるということはより多くのエネルギーを作り出せるということになります。
このCPXという機械はその酸素の摂取量を数値で表現することができます。
そしてその数値を使用してその人の体力を示すことができます。
次に虚血や心不全の重症度評価ですが、虚血とは狭心症や心筋梗塞など心臓の血管で起こるものを指します。心不全は心臓の血液を送る機能が低下した状態を指します。
これらの状態になると酸素を全身に送れないため、ある程度の運動をすると疲れて、動けなくなってしまいます。つまり体力は低下します。
その体力が低下した状態の原因が心臓にあるのか、肺にあるのか、筋肉にあるのかなどを鑑別することもできるのがこの検査の優れた点です。
さらにこの検査では、心疾患がありながらも運動をするために欠かせない情報がわかります。それは安全で効果的な運動の強さがわかるということです。
例えば軽い運動を続けていたとします。運動の強さが強くないため、疲れることはないですが、体力は向上しません。体力はある程度体に負荷をかけないと向上しないため当然です。
だからといってしんどくて辛い運動を行うと、心臓に負担がかかってしまい、かえって心臓病を悪化させてしまったり、違う病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
つまり運動を行う上では、その人にあった「丁度いい強さの運動」があります。
その丁度いい強さの運動をこの検査から知ることができます。
特に心疾患や呼吸器疾患、心臓術後の方は運動の強度というものがとても重要になります。
その評価ができるのはCPX検査だけです。
運動をしないといけないと言われているが、どんな運動をすればいいかわからない。ウォーキングを行っているけど体力が上がっている気がしない。このような悩みを持たれている方は少なくないと思います。
運動だけではなく、何事も正しく理解し、正しく実践することで効果が生まれます。
不安がある状態ではなく納得した状態で治療ができるようにこれからもサポートしていけるように精進していきます。
ふくいクリニックのホームページはこちらから
https://www.fukui-cl.com/
毎月当院スタッフが行っている運動を画像付きで掲載しています
https://www.fukui-cl.com/news/topics/