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心電図検査で何がわかるの?

心電図検査は、数ある検査の中でも比較的受けたことがある人が多い検査と思われます。


職員健診や特定健診、人間ドック、入院や手術前などに行われることも多い検査です。

心臓の動きを診ている検査であることは皆さんご承知の通りですが、心電図検査で何がどの程度わかるのかをみていきたいと思います。


そもそも心臓の規則的な動きは電気的刺激によるものです。

心臓は筋肉でできています。心臓には元々ペースメーカーがあり、それが筋肉を刺激します。そして筋肉は収縮するときに電気的な興奮をします。その電気的な興奮をみることで、心臓の動きを確認することができます。


正常な動きをしている場合は、筋肉の興奮は規則正しく伝わりますが、心筋梗塞や狭心症、あるいは電気信号がうまく流れない場合などは、不規則な興奮となります。

この電気の流れを受け取り、波形という目に見える形にするものが心電図検査です。

心電図検査の時、たくさんの電極を付けます。
両手足に1つずつ、胸に6つ付けるのが一般的です。
詳しくは説明しませんが、心臓を一方向から診ても、反対側がどうなっているのかはわかりません。そのため色々な方向から診る必要があります。
電極をたくさんつけるのはそのためです。

心電図検査では
・心臓が脈を打つペース
・電気を伝える電線の状態
・血管が細くなっていないか
・その他の病気の兆候
などがわかります。
特に重要な点は、詳しい検査をするかどうかの指標になるということです。
心電図検査は比較的簡単にできますし、体への悪い影響もありません。
しかし、病気の詳細な状態を調べるためにはさらに異なる検査が必要です。

狭心症や心筋梗塞を疑う場合には、CT検査やカテーテル検査。
不整脈の場合はエコーなどで心臓の状態を診る場合もあります。


心電図検査で特定の病気を診断することは少ないですが、他の検査に移行するという根拠にはなります。


定期的に検査をするのにはそういった理由があります。

動いた時に息が切れたり、胸が痛くなる労作性狭心症が疑われた場合、当院では心肺運動負荷試験がありますので、そちらの検査をする場合もあります。心肺運動負荷試験では、心電図を付けた状態で、自転車漕ぎを行い体に負荷をかけます。負荷をかけた際の心臓の動きと、何もしていない時と比較して判断します。

心肺運動負荷試験については違う機会に紹介したいと思います。

心電図検査は定期的に行うことで、病気の発症を早期に発見したり、症状の悪化を評価することができます。
循環器疾患の場合は、複数の検査をして総合的に判断することが必要になります。心電図検査はその一旦であり、入口でもあります。


心臓に疾患が無い方も心電図検査をする際にはこれらのことを把握していただくと納得しやすいことがあるかもしれません。


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