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ミネラルと生命

土と水が私たちの母

肥沃な土壌には1グラム当たり1億から10億の微生物が棲んでいる。そして(37兆個の細胞からなる)私たちの体に、腸の中だけでも40兆~100兆個もの腸内細菌がいる。生命を湛える地球は、外見上は植物が茂り動物が動き回っているように見えているが、(個体数では明らかに)その構成は圧倒的な微生物により成っている。
地球上で太古から現在まで継続的に、これらの『微生物を産み出しているのがミネラルを含む土と水である』という科学的証拠を確認しておきたい。

ミネラル

ミネラルとは鉱物の超微結晶が溶媒中に分散したものであるが、地球の岩石を構成している火山岩が源(土の原料)である。火山岩の主成分はSiO2で、ケイ素(Si)を核とする正四面体の基本骨格を持っており、この四面体をシリケート(ケイ酸塩)正四面体という。

SiO4正四面体構造と鉱物組成SiO2の立体図

地球のマグマが噴出した後に冷えたものが火山岩であるが、その中にケイ酸塩以外に各種の金属塩が含まれている。例えば、かんらん石は組成式で示すと(Mg,Fe)2SiO4 で、四面体の間にMg2+ やFe2+ が入っている。化学的にはMg2+ やFe2+ はOと結びついた酸化物になっていて、組成としてはMgOとFeOとSiO2 である。

橄欖(かんらん)石の構造

ミネラルが有機物を生む

ミネラルを研究し人間の生命の謎に迫った科学者が川田薫博士であった。

世界で初めて「いのちの重さ」を量った科学者:川田薫博士

博士は50代のころ、三陸海岸で断崖絶壁に生えている樹木(上部中央の景観)を見て「土が無いのに!?」と疑問をもったことがきっかけで生命科学にかかわった。植物は土のない岩場でも自ら酸を出して岩場を溶かし、自分が成長するために必要なもの(ミネラル)を吸収していることが分かり、それならば根もとの岩から植物が吸収している物質を抽出すれば、人間にとっても有効な成分が得られると考えた。
川田研究所の岩石抽出ミネラルは、2ナノメートルの鉱物超微粒子を成分としており、水に溶けたミネラルが5ppmの濃度になると、水とミネラルが互いにバランスよく作用しあって、水だけ、あるいはミネラルだけのときとは違う規則性のある並び方をする。ミネラルによって水自身が秩序化し、ミネラルの適正な摂取によって生命体内の水が秩序化され、生命体として非常に安定した効果を示すことが明らかになっている。

有機物生成と生命体誕生の実験

ミラーは1953年に簡単な装置で生命体誕生のヒントになる実験を行った。水の入った下のフラスコが原始海洋、上の大きなフラスコが原始大気、火花放電は化学反応を起こさせるためのエネルギー源で、自然界での雷を想定した。このような状態で1週間後に、グルシン、アラニンなどのアミノ酸を含むいろいろな種類の有機物が合成されることを確認した。

アミノ酸を含むいろいろな有機物合成を確認

多くの研究者が無機物から有機物を生成することに成功しており、生命体の基本素材であるアミノ酸など有機物は比較的容易に得られることがわかっていた。川田薫博士は自らも有機物合成の確認実験を行った後、生命体の誕生実験を行った。

合成された物体の電子顕微鏡写真:川田薫(著)「生命の正体は何か」p107より

ミネラルとして玄武岩抽出液を超純水に添加した溶液に、酵素としてリゾチームを添加して室温で 24 時間反応させたところ、ホスホリン、セリン、グリシン、タウリン、β-アラニンなどアミノ酸が生成した。反応後2,3日すると微生物様のものが発生した。この微生物様のものは分裂や増殖は行わなかったが、その後徐々に動き始め一個一個別々の動きをし、時間とともにコロニーを形成し、最初の発生から 2 ヵ月後には約 10 ミクロンの球状になることがわかった。
この実験は、千島学説(1963年)が云う”血液が分解するときにバクテリアに変わる”という観察とも符合しており(記事参照:私たちは微生物に生かされている)、微生物(バクテリア)が自然発生する瞬間と考える。

ミネラルが命を活性化するしくみ

シリケート正四面体を核に各種金属塩を含有する水(ミネラル水:冒頭写真)が生命体を誕生させ、その活動を活性化させることがわかっている。また、ミネラル水が有機廃棄物を浄化・再生する触媒作用を担っていることも明らかになっている。
水中の物質は全て、2~3ナノメートル程度の超微小サイズになると、急にブルブルと震えはじめる。(水と珪素が集団リズム力の震源となって)まるで命が宿ったかのようにダンスを始め、急に触媒能、酵素能を高める。
体重の約半分から3分の2を占める体内の水を介して、各部位の酵素が共鳴し、食べ物の消化や吸収、代謝など、体内で起こるあらゆる反応を促進してくれる。土の中では粘土粒子に振動が伝わり、共鳴する土になると、土の中にいる微生物や小動物が、その刺激を受けて動き回るようになり、土の中の固有の微生物(放線菌)が増え、土が変わり生きてフカフカになる。

抗火石が水に溶け出して微生物活性が上がっていることがわかる一次産業の具体事例

人生は宝石箱をいっぱいに満たす時間で、平穏な日常は手を伸ばせばすぐに届く近くに、自分のすぐ隣にあると思っていた……