「本当に、勝たなくても、人は前へ歩けるのか」

1.前提として

あまり人と比較するような人生を歩んでいるつもりはないです。
どちらかというと自分なりの幸せの方が好きです。

本当に足りないものなんて 実はそんなに無いんじゃない?
僕はこれだけで十分なのに これだけじゃ駄目ですか
周りと持ち物比べて 色々と欲しくなって
人の目がそうさせるのか これだけで十分なのに

これだけで十分なのに / TOCCHI

ですが、勝負事は別。死ぬほど負けず嫌いです。
例えば本業のビジネスで負けるのは絶対に嫌。
サッカーというスポーツは勝負事なんだから負けるのは絶対に嫌。
これはプレーしている時も、見ている時も変わりません。

2.木山監督のインタビューを読んで

■前半のいい時間と、点を取られてからの違いはどういうところにありましたか。

しっかり自分たちのリズムでやっている中で、やはりふたつ目の失点は自分たちがパスのミスをして、最終的にそれでも粘って守らないと、人数をかけて前に攻撃していくということはできないので、最終的にちょっとライン際のところでボールが出たかでなかったかというところで最後に粘りきれなくてクロスを許してしまったので、そういうところも含めてもっとタフになっていかなければいけないかなと。

それを戦術的なことだけでカバーしようとしてしまうとどうしても小さなものしかできないので、もっともっとそういうところをしっかり戦えるようになりたいと思います。そこが、レイソルさんとの大きな違いだったんじゃないかと思います。

木山監督インタビュー

木山監督のインタビューを引用します。

サッカーはミスがあるスポーツです。
そのミスをチームとして許容して、スコア的にも、精神的にも耐えれるのか。それ次第でやれることの幅が変わります。

例えば、昨季の大分トリニータであったり、今季の横浜FCはJ1の中では決して恵まれた戦力を持っているとは言えませんが、それでも戦い方に覚悟を持ち、ミスを許容し、勝利に繋げています。

逆に昨季の仙台は、降格という、リーグ戦のレギュレーション上のゲームオーバーがあったこともあり、自分たちのミスは許容せず、相手のミスを突き、手堅い戦いをしました。

昨季の渡邉監督は(実際にはできることの幅は広がっていましたが)「時計の針を戻した」と表現しました。

今季の木山監督は新しい、なにか「大きなこと」をやろうとしてくれていると勝手に思っています。
それを実現する為に、ミスをチームとして許容し、スコア的にも、精神的にも耐え、戦う必要があります。

では、ミスを重ねる。失点を重ねる。勝てない。
それで耐える、戦う心を磨かれるのでしょうか。
私は勝たなくては磨かれない。
負けてしまうことは、いつか心が折れることだと思っています。

3.心が折れる音

私のnoteを読む時間があるようなみなさんは「本当に会社が潰れる」などという状態にはないと思います。

私は昨年の冬頃、「本当に会社が潰れる」と思いながら働いていました。
ざっくり言うと海外事業部も巻き込んだ、新しい取り組みが完全に失敗しました。
新設の営業チームは半年間新規契約0。
私も隙間時間(といっても全ての業務を残業に回して生み出した時間)に営業をしていましたが、既存商材は売れても、会社の命運をかけた新規商材は全く売れませんでした。

どんどん乖離が出る目標と実績。
マイナスを取り返す為に修正され、非現実になっていくKDI。
負けに負けを重ね、自暴自棄になるメンバー。

あの時、私には全員の心が折れる音が毎日聞こえました。

4.もしも

最終的に、一勝もあげられなかった新規事業は解散。
海外事業部の売却。
半数以上の社員のリストラ。
そういった結末です。

結局、私は社内での競争では勝ちました。
それが今では自信になっていますし、結果にも出ています。

でも、もしも、あの時、競争に負けていたのが自分だったら。
私は今でも普通の顔をして、その辺の会社で働けているのか、疑問なのです。
私は弱い人間だから、立ち直れなかったと思います。

5.本当に、勝たなくても、人は前へ歩けるのか

勝たずに得られるものってなんでしょう。

失敗は成功の母
高い勉強料
悔しさをバネに

いい言葉が世の中にはたくさんあります。
でもそれって、最後に勝たなきゃ言えない言葉です。

勝たずに得られるものは、先の見えない恐怖。
失うものは、間違いなく自信だと思います。

「本当に、勝たなくても、人は前へ歩けるのか」

私は歩けなくなったし、
背中を押すこともできなくなったし、
道もなくなる経験をしました。

話を戻し、プロサッカー選手。
とはいえ、ただの、同じ人間。

戦えなくなるその前に。
勝つことでしか得られない、成長の実感。道の正しさ。自信。信じる力。

勝利への執着を期待します。

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