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【相談事例紹介・1章】業者との税金関連トラブルからビジネスの基礎を学ぼう

どうも、副業リーマン「サトル(@satoru_investor)」です。

今回のnoteでは、私に相談DMがきた件(太陽光発電の販売業者のトラブル)に絡めて税金の基礎知識を説明します。

また、太陽光発電事業を法人で行った場合どうなるか、相談者が大変気にしていたのでそこもシミュレーションしてみました。

「太陽光事業してないからどうでもいいや」と思っている方、太陽光に関わらずすべての事業(たとえせどりでも)に必須の知識・考え方をnoteに書いてあるので読んで損はしない内容です。

普段は私に何のメリットもない相談は受け付けていませんが、今回は私の興味ある太陽光事業だったこと、勉強になりそうなトラブルだったことから、突っ込んで話を聞きました。

無料で相談し、無料noteを作成する意味不明の完全ボランティアですが、手を抜けない性格であるが故にちょっと頑張りました。

今回の相談を通して思ったのが、以下が非常に大事だということ。

・ビジネスの数値は必ず自分で把握すること
・税金の処理を含め、他人に任せきりにしないこと

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相談者にいただいた色々な情報をもとに検証したところ、ビジネスとしては非常に厳しい結果となりました。

あえて厳しく指摘しましたので、相談者はこれから自分で舵を切り、事業を進めることでしょう(そう願っています)。

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あと、私は税理士ではなく少しお金が好きな一般人(一応簿記2級はある)なので、相談時も具体的な税金相談には答えていません。税理士法的に素人の税務相談はNGですから。このnoteでも一般的なことしか書けませんので悪しからず。

では、早速本題に入りましょう。

1.相談内容から疑問点洗い出し

2022年3月某日、以下の相談DMが私のもとにきました。以下全文コピー。

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この質問を受けたとき、さっぱり意味がわかりませんでした。そこで、元コンサルタントの意地で掘り下げて質問し整理しました。

①還付金とはなにか?
②販売店、税理士、相談者の関係は何か?
③「法人契約」とは、何と何の契約でありその内容は何か?
④還付されなかった消費税に対して何を補填してれるのか?

ヒアリング結果は以下のとおりでした。解説を含めて書きますね。

①還付金とは何か?

消費税の還付のことでした。

まずは消費税の基本から説明します。

我々の普通の生活では、何か買ったときに消費税を支払っています。例えば税抜き100円のお菓子を購入したとき、税込み110円のお金をお店に払っていますよね。

この時、お店側は10円の消費税を預かったという扱いになり、その10円分を納税する必要があります。

一方でそのお店が、税抜き200円・税込み220円の仕入れを行っていた場合、消費税20円を支払っている扱いになります。

よってこの場合は、

・売上110円(売上時の預かり消費税が10円)
・仕入れ220円(仕入時の支払い消費税が20円)
⇒売上・仕入れの消費税を差し引きすると-10円

となり、そのマイナス分が戻ってくる(還付)ことになります。

太陽光の話に戻りましょう。

太陽光発電事業は、設備の購入時に多大な支払いが発生しそれに対し消費税も含まれます。また、売上は太陽光の売電収入であり、この売上時に消費税を預かっていることになります。

よって、「その年の売電収入の預かり消費税ー設備購入時の支払い消費税」の計算で、マイナスとなった場合、消費税が還付されます。

今回のケースだと以下となります。

・売電収入200万円(売上時の預かり消費税が20万円)
・設備購入2,200円(仕入時の支払い消費税が220万円)
⇒差し引き200万円の還付

かなり大きな還付額になります。そして相談内容に戻るともうめちゃくちゃです。

消費税の還付が受けられておらず、その理由は、確定申告を任せきりにしていた税理士が必要書類を税務署に提出していなかったからででした。

200万を捨てちまったということです。一昨年の話なので、巻き戻って還付を受けることができないし発狂もんですな。

消費税の還付を受けるには、消費税の課税事業者になる必要があります。そして課税事業者になるためには、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出しなければなりません。その届出書は、還付金を受け取る年の前年の12月末までに提出する必要があります。

②販売店、税理士、相談者の関係は何か?

税理士の話なのか、販売店の話なのか、登場人物の関係が不明なので整理しました。

まず、相談者は販売店から設備を購入する際、その販売店の顧問税理士を紹介され、そこに確定申告等の税処理を依頼しています。

そしてなぜか販売店を経由して税理士報酬を支払っており、その税理士と相談者は直接繋がっていないとのことでした。(販売店は紹介料かキックバックもらっとるやろがい)

ここでコミュニケーションロスが生じ、必要な書類の提出がなされず、消費税還付の手続きが行われませんでした。

税理士は指示がないから届出を税務署にしていないし、販売店は「税理士と相談者を繋げただけで責任なし」との一転張り。

業者から貰った資料を見せてもらいましたが、こんな風に書いてあったんですよ。消費税還付で儲かると謳っておきながら、お客様がその還付が受けられないんですよ。

ひどすぎて辛い。

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③「法人契約」とは、何と何の契約でありその内容は何か?


質問を振り返ります。「法人契約」ってなに?

相談者が新たに法人を設立して、契約を結ぶことを指しているそうです。

もう個人としての消費税の還付はないので、新たに設立した法人に相談者の設備を売却したことにして、そこで消費税の還付を受けるとか?

それが税務的に「アリ」なのか「ナシ」なのか「グレー」なのか、私は税理士じゃないのでわかりません。

以下税理士の「ユウキ(@yukidodo12)」様からリプライいただけたので貼っておきます。

それがアリだとして、還付200万を受けられるなら良いですが、法人を設立することによるメリット・デメリットがあります。詳細は以下noteに記載していますが、ここでも簡単に説明します。

<法人設立のメリット>
・個人の所得と完全に分離するので、節税効果がある場合あり
・個人よりも経費が使いやすくなる

<法人設立のデメリット>
・法人の設立にお金がかかる(合同会社だと6万円ぐらい?)
・法人を維持するだけで税金がかかる(法人住民税7万円)
・法人の収入を個人に移す時に個人の所得税が発生する
・法人決算は個人より手間であり、税理士報酬も上がる

この辺きちんと把握せずに、業者に言われるがまま法人化すると、延々と損失垂れ流し状態も発生し得ます。

相談者は法人化した場合の勤め先のバレを気にしていました。これについては、役員報酬がゼロであれば新設法人で社会保険に加入しないため、そこからバレるルートは防げます。

逆に役員報酬を出して社会保険に加入すると(社会保険に加入しろと督促が来る)、勤め先の社会保険・新設法人の社会保険がバッティングして「同じ人なのにどうなってるの?」と勤め先に連絡がいき、バレます。

④還付されなかった消費税に対して何を補填してれるのか?

販売店は少しは反省し補填をする気はある模様。たださすがに200万もの機会損失を補填するのは無理でしょうね。そこで補填とは何を指すのか相談者に聞いてもらいました。

結局のところ、法人化するにあたっての諸々の費用(最低6万円ほど)を補填するとのことでした。そして、このような案内もしていたようです。

消費税の還付が受けられず、その還付を受けるために法人化するものの、相談者の収入等を鑑みると法人化の節税メリットは低く、逆に固定費が増える見込みです。

2.相談内容を掘り下げた感想

もうね、杜撰過ぎて空いた口が塞がりません。

・税理士と繋いでおいて支払等も経由してるのにアフターフォローが雑な「販売者」
・太陽光発電関連の顧客なのに開業届出も消費税の届出もしていない「税理士」
・自分の事業なのに、他人に任せきりにした「相談者」

相談者には厳しいことを言いすみませんが、相談者含め全員が責任を果てしていないですね。

悲しいことにビジネスの世界はすべて自己責任です。

ではここから、何か改善点はないのか。

太陽光発電設備の運営に伴うコストや、法人運営のコスト等も相談者は気になされていたので、必要な資料を貰って私のほうで試算してみました。

・・・まとめるには長くなりそうなので、2章に続きます。

税金や事業の勉強したい人は必読です。


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