久しぶり、鈍行。

昨晩、久しぶりに地元の「鈍行」に乗りました。

鈍行列車とは各駅停車をする電車のこと。どんこう。

私が青春時代の大半を過ごした場所。

どのくらい”大半”かというと、約6年間、片道1時間半乗っていました。


揺れがひどい、腰は痛い、季節替わりの冷暖房調節めちゃくちゃ。

そんな思い出から、上京してしばらくは、地元で電車に乗る際は「特急」にしか乗っていなかったけれど(約900円の追加料金を払う)、

昨晩久しぶりに乗って。

それでも私はこの空間が好きだった、と思い出した。


大分駅から、当時私が帰宅の際に使っていた列車に。時間・車両もぴったり同じもの。約1時間半の旅、終点が私の最寄り駅。

日曜日だったこともあり、途中からほぼ人がいません。

まあ平日でも、終点に近づくとほぼ人はいなかった(今もそうかな)。

人がいなくなると、ボックス席はもう「私の部屋」。

白の車体に青線の車両は二種類あって、一つは山手線のように全部横並びなんだけれど

もう一つは、向かい合うボックスの4人席が連なるタイプ。

あの時間は後者の車両。だからもう、そこは私の空間。

車両自体には人がちらほらいるんだけれど、絶妙に頭が見えるくらいで、別のボックスに座った人は横並びにいなければ目が合うこともない。

腰が痛いないと思ったら思いっきりストレッチができるし

少しくらい歩き回ったって誰の目にも止まらない。


無我夢中で本を読みました。

だいぶ読んだなあ、まだまだ読みたいなあという時に時計をみて、

「まだ19時!」の嬉しいこと。あと40分以上あるぞ、と(ちょうど40分くらい乗ったころ)。

この感覚がなんとも懐かしかった。中高時代どれだけのことを、この空間の中で吸収しただろう。

無我夢中で英単語を覚えていたなあ。

青本にかじりついて唸ってたなあ。

ただひたすらに、夜窓に反射した自分の顔を見つめていた時間も。


私の原点はここにあると思う。

鈍行、ありがとう。また乗るね。