浜寺公園バラ園での“ハイブリッド・ルゴサ”(HRg)について 勉強No.3
浜寺公園バラ園は歴史があるのでOLD.Sp に加えて、“HRg“も楽しめる。一季咲きが多いので、2023年5月20日を振り返ってみることにする
”HRg”とは、ハイブリッド・ルゴサ(Hybrid Rugosa)の系統記号ですが日本産の原種のハマナス「ロサ・ルゴサ」を親として交配して生まれた品種群を「HRg」と呼んでいる。19世紀には既に交雑種がフランスで栽培されていたので比較的早くから欧米に渡っていたと推測されています
耐寒性・耐病性に優れて、樹形はシュラブを形成する品種が多いのが特徴です。ローズヒップは大きく返り咲きの花と楽しめます。
✳︎錯誤があればご容赦ください🙇🏻
1) ハンザ Hansa. 作出 1905年 オランダ
・丸弁八重咲き・弱い返り咲き・強香・直立性・耐寒性強
✳︎作出はオランダですが! 出島オランダ商館医として日本に来ていた「シーボルト」が生植物を随分と持ち帰った。?
2) ロサポリー Rosa Pauli 作出 1903年 イギリス
・白一重咲き・一季性・微香・つる性・強い耐寒性
⚫︎「ハマナス」と「ロサ・アルウエンシス」の交雑種
3) サー・トーマス・リプトン Sir Thomas Lipton
・四季咲き(繰り返し咲き)・八重咲き・中香・シュラブ・耐寒性
作出 1900年 アメリカ
4) アンエント Ann Endt. 1978年 ニュージーランド
・一季性・一重咲き・強香(シナモン)・シェラブ系
⚫︎Rosa rugosa Thunb ×Rosa foliolosa Nutt.ex Torr.&A.Gray
5) サラ・ファン・フリート Sarah Van Fleet. 1926年アメリカ
・返り咲き・丸弁八重咲き・強香(ダマスク)・つる性(半直立)・強い耐寒性
⚫︎Rosa rugosa Thunb × My Maryland
6) スノーペイブメント Snow Pavement. 1984年 ドイツ
・繰り返し咲き・半八重咲き・強香・つる性(横張り性)・強い耐寒性
・別名 シュネーコッペ(Schneekoppe)
7) フインプリアータ Fimbriata. 1891年 フランス
・一季性(返り咲き)・八重咲き・微香・つる性(直立性)
・ナデシコのような花型
⚫︎交配 Rosa rugosa✖️Madame Alfred Carri?re
8) メアリーマナーズ Mary Manners. 1970年 イギリス
・四季咲き・カップ咲き・シュラブ系
9) リンダ・キャンベル Linda Canbell. 1991年 アメリカ
・四季咲き性・八重房咲き・微香・直立性・耐寒性
⚫︎交配 Anytime✖️Rugosa Magnifica
ハイブリッド・ルゴサ系統とは
原種、ハナマス(浜茄子)(浜梨)学名“Rosa rugosa”(ロサ・ルゴサ)を交配親にしたグループが”ハイブリッド・ルゴサ系統“で、耐寒性に優れて、痩せた土地でもよく育つ強健性をしっかり受け継いでいます。ヨーロッパには、18世紀末頃に英国に渡りましたが、ロサ・ルゴサの鋭い棘が侵入者避けに植えられていたそうですが、その耐寒性が注目されて、ドイツやハンガリーなど寒さの厳しい国で多くの園芸品種が作出されました。ロサ・ルゴサは、花径7cm前後の大型の濃いバラ色の一重咲きの花で、原種に珍しく返り咲きする性質があり、その性質を引き継いで、ハイブリッド・ルゴサ系統のバラも大輪で、返り咲きするものが多くあります。花形は、一重咲き又はカップ咲きが多くある。香りもよく、花後には、真っ赤なヒップも楽しめる。樹形は、ハイブリッド・ルゴサ系統はほとんどシュラブ樹形です。
特徴をまとめると
・耐寒性と対塩性
・返り咲き〜四季咲き性
・一重咲きから丸弁咲きのシンプルな花が多い
・立木樹形からシュラブ樹形
・痩せた土地でも育つ(無農薬・低農薬)・病気に強い
・花後もヒップが楽しめる ・ティーにスパイス系の香りのバラが多い
浜寺公園バラ園にて 2023/5/20の写真
原種 ハマナス R.rugosa Thunberg
ルゴサ系統の基本種と考えられる「ロサ・ルゴサ」の一重タイプです。葉脈もはっきりした葉、棘の多い硬い枝に濃いいピンク色の花が咲く。自生地からわかるように耐寒性・耐病性も優れている。又、原種のバラに珍しい繰り返し性質がある。この特性を引き継いだ品種改良に大きく貢献している。19世紀にはフランスに渡って栽培され早くから欧米に渡っている。
ハマナス(rugosa)は、バラ科(Rosacceae) バラ属(Rosa) 落葉低木
学名はRosa rugosa Thunb (✳︎カール・ペーテル・ツンベルク、1775年出島オランダ商館付医師。Thumbは植物の命名者を示す。)
別名:ハマナシ。ハマナシとハマナスの語源論争は有名です
国内分布では、本州の太平洋側の自生南限は茨城県、日本海側は鳥取県を南限として浜辺に分布する。石狩海岸・オホーツクの原生花園・野月半島には大群生が見られる。
現在では野生は少なくなり観賞用に栽培されています(茨城県では自生中)
品種は、ハマナスは品種改良に利用されていが、種類は、シロバナハマナス、ピンクハマナス、八重のハマサス、ノイバラとの自然交配雑種にコハマナスがある。
この「ロサ・ルゴサ」と様々な品種交配して作られた品種群が「ハイブリッド・ルゴサ」(Hybrid Rugosa)である。この系統は、耐病性が強いが、特に優れた耐寒性と耐塩性が特徴である。その他、返り咲きから四季咲き、立木樹形からシュラブ樹形、小中輪から大中輪、一重咲きから丸弁咲きと、又、ティーにスパイス系の香りなどの特性を活かして日本の野生種から育種が行われた。
以上