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瀬戸熊麻雀の欠陥と努力 Mファイナル5日目5/15第1試合

瀬戸熊麻雀の元は?

5/15(月)の第1試合は瀬戸熊さんの麻雀の良い所と悪い所が両方出た一戦だった。高宮さんやひなたんも必死さを感じさせ、名勝負だったんじゃないかと思う。

この前書いたこれ↓は、瀬戸熊麻雀への不満を書いた回だった。

今回はそれをさらに深掘りしていきたい。前回書いた瀬戸熊さんの下手さはどこからくるのか?

麻雀は難しい――というのはアマチュアが思うことで、麻雀は簡単だ。いや、簡単と言うのは正しくないけど、俺みたいに何十年も打ってるベテランとか、あるいはすげー回数を打ってるフリー雀荘従業員とか、さらにはフリー雀荘勤務からMリーガーになった瀬戸熊さんのような人にとって、麻雀で正確な正解を続けるのは難しいけど、だいたいの正解を選ぶのはそこまで難しいことではない。

どの世界でもプロってすごいでしょ。めちゃくちゃ経験値があったら、寝ててもだいたい正解を出せるのは当たり前だ。

瀬戸熊さんの経験値や立場からして、あの下手さってありえないんだわ。普通のアマチュアが下手なのとは違う。瀬戸熊さんは本人が意図的に下手になってるんだよね。

あれは思想からきてると思う。

トイレ掃除と一緒

瀬戸熊さんはクズ手のときほど真剣に打つ。こんなゴミ手を頑張ってもしょうがない…とは思わないんだよな。逆だ。

しょーもない手、つまらない手ほど頑張って、そういう細かな積み上げによって勝ちたいと願ってるんじゃないか。

仕事で成功したかったらトイレ掃除をやれ↓ってあるじゃん。それと一緒。

あるいは、お金を倹約しようと思ったとき、10円や1円にもやけにこだわるとか。それも一緒。

つまんないもの、小さなものにもこだわって、その積み上げによって勝ちたいという願い。これは実利性より精神論に近いと思う。

瀬戸熊さんはゴミ手を役なし愚形テンパイに持っていって、なんとかテンパイを維持してダマのままツモのみをアガる。そういう頑張りはきっと報われるはず。その念がすごく強い。

これは、器用さで勝負しても勝てないから、愚直にやって勝つための宗教に近いんじゃないかと思う。

瀬戸熊ファンは、その愚直さを愛してるんじゃないか。

俺の発想は、1円とか10円はどうでもよくて、1万円を使うときだけ精査しろっていうもの。麻雀はA級ミスをどれだけするかがすべてであって、小さなミスまで気にする必要ないと。

発想が真逆なんだよな。合わないわけだ。

俺と瀬戸熊さんは発想が真逆で、どっちも長短あるはずだから、流儀の違いに過ぎず甲乙つけられるものではない……となるはずなんだけど、やっぱそうでもねーんだよな。

瀬戸熊さんはバランスが悪い。1円とか10円を大事にするあまり、1000円とか1万円の損をしてしまうケースが目につく。それじゃあかんて。精神論、宗教になってるゆえんだ。

すがっちゃ駄目だよ。それは甘えだ。小さな部分で頑張ってもいいけど、大きな部分ではもっと頑張らないと。

このバランスの悪さが最大の欠点だな。この部分がクレバーさを感じられない。

人はみな何かにすがってる。麻雀みたいな運ゲーのプロになり、たかだか数十戦の不調を引いたら首もあり得る。こんなん何かにすがらないとやってられない。

すがるのはいい。何かの趣味で変態プレイに走るのもいいだろう(瀬戸熊さんのそういう噂を聞いたという話ではない)。

でも、トイレ掃除にすがった歪みを卓上に持ち込んじゃ駄目だわ。それは甘えだ。それで長期的に勝てるわけがない。

さて、毎回長くなりすぎてるので、なるべく短めにしようと思ってるのに、前書きからずいぶんいっぱい書いちまった。実戦に入っていこう。

二階堂瑠美 × 日向藍子 × 高宮まり × 瀬戸熊直樹

甘い振り込み

東1局

9巡目、瀬戸熊さんの手牌↓

この局面で重要なのは、対面ひなたんの動向だ。捨牌を拡大してみよう。

ひなたん捨牌

2打目、3打目に3pや7pという要牌が切られており、そのあと字牌が何枚か出てきて、9sをポンしてから4m3m切り。

これは典型的なチンイツ移行だ。トイトイもある。ホンイツもなくはないけど、まぁだいたいチンイツかトイトイだよね。

リャンメン落としの3mを切った直後だから、まだ1シャンテンじゃないかと思うのが普通かもしれないけど、たった今ひなたんが何かをツモって3mを切ったあと、ツモった牌を手牌の左端に持っていった。これは必要牌を持ってきた手の動きだった。フェイクかも?って言われそうだけど、こういうのは見てりゃわかる。

ひなたんの手の動き

こういう動作読みは雀ゴロ発想だからしなくてもいいよ。ただね、自分の手牌価値と相手の手牌の予想価値はどうか?

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