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若きホーリー

ブログからの再掲載です。

11年前の記事。ホーリーのこと。

元記事

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「福地さんの連載を読み始めてから、麻雀で勝てるようになったんですよ」

そんなふうに言う若い麻雀プロに会った。

俺はすごく疑い深いので、こういうことを言われても素直には喜ばない。おいおい、そんなわけねーだろ、お愛想なんていーからさ。まずはそんなふうに思う。

その彼とセットで打った。そして彼の言ってることが本当であることを、まざまざと実感した。

序盤から鳴きがものすごく多く、テンパイスピードはむちゃくちゃ速い。そして他人がリーチしてきたら、ほぼ絶対に勝負しないし、自分が先制テンパイしたら、どんな形でも即リーチ。

テンパイスピードと鬼オリに特化して、その2つだけを極限まで高めたスタイルだ。

いつも祝儀東風を打ち、天鳳の鳳凰卓でも打ってる俺からしても、彼ほど仕掛けが早くテンパイスピードの速い打ち手には、会ったことない気がする。

そんな単純化された麻雀なのに、強いんですわ。とても勝てないし、勝てる気がしない。

彼とセットで数回打ち、俺の連載を読んで勝てるようになったという言葉が嘘ではないとわかると同時に、俺が提唱してきたシステムはここまで強いのかと思った。

そして、自分が自分の言ってることをどれだけできてないかもよくわかった。彼の「福地システム」が90%の完成度だとするなら、俺の「福地システム」は60%くらいなんだな。自分で言ってることなのに、俺の純度はたいしたことがない。

「じゃあ、自分でも福地システムの純度を上げれば、もっと勝てるよーになるんじゃね?」と言われそうだが、そんな簡単な話じゃねーよ。やっぱ難しい。「そんな単純化された麻雀なら、誰が打っても一緒じゃん!」と言われそうだが、切れ味というのがあって、やはり強弱はある。嘘だと思うなら、彼に勝ってみろと言いたい。

この彼と3回か4回セットで打ったが、とてもかなわんので、もう打ちたくない。

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