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西原理恵子さんの思い出

一読者としてではなく、業界的な交流の部分で。

西原さんと初めて会い、仕事として関わったのは、竹書房に入社してまもないころだった。

西原さんとパチンコライターの山崎一夫さんがホストで、いろんな人と麻雀を打つという対局企画があって、その人数合わせのメンツとして麻雀を打った。「サクサクさーくる」という対局企画だった。

こういうの竹書房の人はみんなあまり打ちたがらないんだよ。山崎さんは強いし、呼んでくる人はだいたい麻雀プロだしね。俺は入社したときから麻雀の腕は自信あったから、お前入れ、となった。

ゲストはプロ連盟前会長の灘麻太郎さん。つまり、西原×山崎×灘×福地という卓になった。

西原さんの漫画で、灘さんがボソボソしゃべるからよく聞こえないけど、聞いてみると「年取ってから子どもができたら、これがかあいい、かあいい」と言ってたという回。そのときの黒子が俺だった。

2ピン東風戦。

当時、俺はピンまでしか打ったことなかったんだよな。東風戦もあまり経験なかった。しかし、人数合わせの編集者にそんなことをgdgd言う権利はない。

最初に負けて熱くなったのがいかんかった。以後は熱くなった者が負ける典型的なパターンとなった。

何回目だったかな。東1局にマンガンを振り込んで、またもラス目となり、東2局にメンホンチートイツを早くテンパイした局があった。待ちは場に1枚切れの發。

普通はリーチをかける。このときも、ダマのマンガンじゃ許せねーからリーチしたんだけど、ラス目の勝負手リーチに振り込んだら、今度は振り込んだ人がローリングストーンになる。みんなそれを熟知してる感じで、しっかりオリられて流局。その回も俺がラスになった。

西原さんもそういうのは普通に上手かった。当時から、漫画ではいつも負けてるように描かれてたけど、決して弱くはなかった。むしろアマチュアとしてはかなり強かった。

牌効率などは甘い部分もあったけど、押し引きの部分では完全に麻雀プロと一緒だった。生ぬるい麻雀は打つことなく、初心者からいきなりバクチ打ちの世界に入ったみたいな麻雀だった。

西原さんは強かったけど、弱い系のキャラとして漫画に出てただけ。彼女の漫画は自虐&他虐だから。

そのときは4万いくらだか負けたんじゃなかったっけ。0歳児がいる新入社員には痛い金額だった。といっても、2ピンの大敗で4万はたいしたことないな。たいした回数は打たなかったんだろう。

終わったあとは飲み会。

そのときじゃなかったけど、その1ヵ月か2ヵ月あと、彼女と一緒の飲み会で失敗した。だいぶ失礼なことを言ってしまった。

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