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読者とは気まぐれな犬

月10万円勝てる麻雀の戦術論

9年前、2011年のことでした。「近代麻雀オリジナル」という雑誌に麻雀の戦術記事を書いてたんですよ。毎号、巻頭カラーのページで。

こんな感じの雑誌です↓

近オリ

きっかけは、今の最強戦実行委員長・金本さんが言ってきたんですよ。毎月フリー雀荘で10万円勝てる記事を書いてくれと。当時、ぼくは毎日のようにフリー雀荘に通って、月10万円くらい勝ってたんですね。

金額を出すのは警察を刺激するから危険だし、その金額って安すぎねーか?と思いました。だって何百万、何千万と動く「むこうぶち」みたいな漫画ばっか載ってる雑誌です。月10万円ってせこくね?と。

「いやいや、そのリアリティがいいんですよ。ぼくはうらやましいですもん」と言われ、そーいうもんかなーとやることに。

巻頭カラーは漫画にするのがそれまでの常識です。それを戦術記事に使うのは常識に反してます。でも、それはぼくが文句言う話じゃないですよね。むしろウエルカムです。

毎月、必殺技を1つずつ作ってください

難しかったのはテーマです。毎号、新しい必殺技を出せというんですよ。何切るをベースにした戦術は山ほど書いてきてますけど、必殺技とか打法になると話が大きくなります。毎月1つずつ作れと言われても、それは厳しすぎんだろ(;^ω^)という。

最初の1回目からそう簡単に思いつけるはずもなく、2人で顔を合わせていろいろしゃべっているときに、ふと出てきたのがカンチャン即リーでした。

彼「それ(*゚Д゚)/ダー゚+。」
俺「えー、これって新しいかなあ?(;^ω^)」
彼「新しいですよ。それでいきましょう!」

「そうかなあ?」と思いながら書いたら、その号の記事は馬鹿受け。後にその特集をまとめたコンビニ本も馬鹿売れ。彼の見識の勝利です。

その特集を何度も書いてるうち、ネタも尽きてきます。というか最初から尽きてます。だって何十年も麻雀ライターやってるんですよ。底の底まで枯渇してますって。

それでもね、金本さんと相談しながら毎回何かしらひねり出すわけですよ。

2回目は鬼オリだったかな。ベタオリというと新しくないけど、鬼オリっていうとなんか新しい気がするじゃないですか。

そのときは、デザイナーの方が1ページ目に鬼の画像を大きく入れてくれて、それが嬉しかったですね。こんな感じの↓

画像2

ぼくは見た目が派手だったらそれでいいんですよ。

最初に載せた雑誌の表紙画像をもう一度見てみましょう↓

近オリ2

一番下の赤く囲った部分に「強者の決断力7つの法則」ってありますよね。このときはうまく打法を作れなかったんですね。なのでイマイチ必殺技になってないテーマになりました。

平成のゴーニー打法

何回目だったかな、ますますネタが尽きてきたときに「平成の5200打法」というテーマを思いつきました。ゴーニー打法と読みます。これは打法の形になってますね。

その前号の次号予告に「1000点の手を5200点まで育てる手作りテクニック!」みたいな説明が書かれてたんですけど、これはぼくのテーマ名だけ見て編集長が予想で書いたもので大嘘です。5200打法ってそういう意味じゃないんですよ。当時のぼくの戦術って高い手を育てるみたいなのは皆無でしたからねえ。

5200打法というのは、ホンイツの5200点でテンパイしてるとき、トイトイに手変わりする牌を持ってきた。こんな手牌です↓

画像4

ここに4pか5pを持ってきた。ここで、トイトイに受けると手が高くなるけど、待ち牌の枚数も半分になってしまいます。どっちが得なのか?

待ちの枚数が半分になるなら点数も倍にならないと割に合いません。でも実際には、5200点がマンガンになるだけで、10400点にはなりません。

それじゃ損じゃないか。自分はケチなのだ。捨てられてしまう差額がもったいないのだ。ならば5200点のリャンメン待ちの方がいい。

これが5200打法です。高い手を作る系というよりも、中堅で満足しちゃう系です。

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