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自分の身は自分で守るしかない、か?

12/22に更新しました。

20代のとき、バックパッカーで知り合った者どうし50代男性4人のグループラインに入っている。エジプトで会ったんだよな。俺以外の3人のうち、1人とはそのときしか会ってないけど、他の2人は、その旅行中に他国で何度も会ったし、帰国後も俺の部屋に泊っていったり結婚式に呼ばれたりした。

最近その1人が取材されて、こんな記事になった↓

彼はフランス人女性と結婚し、結婚後もいっぱい外国旅行してるんだよな。バックパッカー的な人生だ。

でも、俺は全然そうじゃねーんだよな。鬼のようにハマってきた麻雀は日本ルールであって国内のもの。今ハマってるダンスもひたすら国内でやってる。行く機会があったら外国のダンススクールに行ってみたいけどね。

26歳で結婚して以降は、外国に行くのは5年か10年に1回。行ったのは、モルジブ、台湾、上海、オマーンだけ。今後、行こうという気もあまりない。

そして麻雀ライターという純日本的?な仕事をしてる。

だから、バックパッカーをやってたことは、思い出としては大きいけど、そこから価値観の上で大きな影響を受けてるという認識はなかった。たまに発想が狭い人を見ると、外国人とまともに接したことないんだろうなって思う程度。

それが最近ね、外国人とばっか付き合ってるマブダチの福ちゃんとよくしゃべることで、俺はバックパッカーやってたことで価値観上の大きな影響を受けてるんだなと感じるようになった。

どういう影響か? 今回はそんな話になる。

まずは思い出話。

俺は一番長くいた国がエジプトで1ヵ月半いたのね。カイロでは日本人のたまり場的な安ホテルに泊まってた。ドミトリー(共同部屋)。

日本人でつるむと、いろんな情報が入って便利だし、すべてにおいて楽。しかし語学力は上がらない。そして人生観上の影響も受けない。

日本人とつるまず1人でいると、外国人とのコミュニケーションが増えて、予想外のことがあったりして面白い。ただ全部英語になるからしんどい。

長い目で見たら、日本人でつるまないほうが濃い旅行になるとわかってるけど、楽に流れてつるんでしまう。

ある日、日本人のたまり場ホテルで、佐藤さんというオッサンの話題になった。あの人はどんな人?って、そんな話をめっちゃするんだわ。

俺を含め、その宿に来る人は大半が20代だったけど、佐藤さんは30代なかばだった。

そのとき話した人は、佐藤さんのこと、こんなふうに評してた。

佐藤さんは旅慣れててすごいんですけど、自分勝手だという意見もあるんですよ。Aさんというお嬢様が、佐藤さんは自分勝手すぎると批判してましたよ。

自分勝手すぎるってどういうこと?

彼はより詳しい話をしてくれた。

日本人が何人か、パキスタンで長距離バスに乗っていた。途中でバスが故障した。深夜。山の中。立派な遭難だ。

そのとき佐藤さんは、通りかかった車を止めて、金を払うって話をつけて、自分だけさっさと離脱してしまった。近所の都市に行ったんだろう。何人かいた他の日本人は置き去りにされた。他国の旅行者もいたのか、現地人もいたのか。そこらへんは聞いてない。

それ以来、お嬢様は佐藤さんのことを嫌ってるんだそうな。

その話を聞いたとき、それは佐藤さんのほうが正しいのでは?と思った。遭難した以上、そこからは自己責任でサバイブするしかない。自分だけ離脱したら、そりゃ他の人たちは怒るだろうけど、でも結局は個々人が自力でやるしかないんじゃねーか。

そのとき話してた人は、そういう考え方もある、でもとにかくお嬢様は彼を嫌ってるんだよ、と教えてくれた。

自分の体験でもないのに、何十年も前に聞いた話を覚えてるのは、それだけ印象的だったからだね。

この話はバックパッカー的に重要なテクニックを教えてくれる。

長距離バス等で遭難したときは、現地人の車を止めて、金を払って近くの都市まで乗せてもらえ。そのためには、さっさとバスから荷物を下ろし、他人より早くヒッチハイクを始めるべし。これは重要なサバイバル法だ。

日本人でつるんでると、仲間を見捨てられず、その判断が甘くなる。かといって日本人とつるまないと情報が入らなくて、それはそれでリスクだから、ほどほどつるみながら、いざというときは個人として行動すべきなんだよね。

つまり佐藤さんだ。自分勝手だと嫌われている佐藤さんは、サバイバル的な観点からしたらベストな行動をしたんじゃないか。

ちなみに、そのとき取り残された人たちがどうしたか聞いたけど忘れた。取り残され組ともエジプトで会ったから、遭難して全滅したってわけではなかった。

以上が思い出話1号。ここからは思い出話2号になる。今度の主役は、佐藤さんを批判してたお嬢様だ。

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