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堀慎吾はMリーグ初陣でどんな麻雀を打ったのか?

10/9(金)第1試合

堀慎吾×朝倉康心×日向藍子×黒沢咲

ついに30人目のMリーガー、堀慎吾(以下全員敬称略)が登板した。どんな麻雀を打ったのか?

この日、堀はだいぶツカなくて見せ場が少なかった。それもあって、堀だけじゃなく、他の人の麻雀もチェックしていく。

なお、牌譜は田中 航/北越せっぷさんより。

無償でいいし、報告もいらないとのことだが、1000円サポートしておく。

東1局、堀の一発放銃デビュー

下家の朝倉がリーチ。こんな捨牌だった↓

1sがリーチ宣言牌の早いリーチだ。

堀はこんな手牌からしばらく考え、4sを切ってカン4sに一発放銃。

おそらく考えたことは、
9m切りが一番安全度は高いけど、まだ巡目が早いので、復活の可能性を残すためメンツ崩しは避けておこう。普通の1357sというリャンカン形なら8s引きのリャンメン変化を考えて1sから切るし、赤5sを持っての中筋リーチなら1s→7sの順番になる。だから4sの危険度はそこまで高くない。
みたいなことじゃないか。

じつは朝倉の1シャンテン時の手牌はこう↓

チャンタと赤5sの両天秤だった。そのため7s→1sという順番になったのだな。

堀はいきなりレアケースにハマって5200点の振り込みとなった。

東2局、黒沢マジックが爆発

黒沢が魔術打法を見せた。

まず2巡目、ここ↓から4s切り。

リャンメン2つを落として純チャンを見るってことだろう。一発裏なしだったら、好形のリーのみってリーのみ以上にはならないから、役ありテンパイを目指す。その打法だと思う。

赤あり麻雀では、内に寄せて好形を作ってリーチを目指すのが普通だから、その発想で見ると、ずいぶん奇異な打ち方に見える。

すげーな!と思ったのは、親の朝倉のここからのドラ南切り↓

まったく不要な西も浮いてるのに、ドラの南から切ったのだ。その直度、南家の日向が南を重ねた。朝倉の南切りが1巡遅かったら日向がポンできており、たぶん日向のマンガンのアガリとなった。アミバやるなー。

黒沢はすぐ真ん中メンツができて、純チャンではなくなった。

とりあえずペンチャン2つの1シャンテンに構える。

8巡目、黒沢テンパイ↓

ここでカン4pのダマテンとした。

今風の打ち方なら即リーとなる。待ちが良くなる変化は6p引きのみ。手役がつく変化はない。

これを待つというのは、何を待つのか?

半荘終了後のインタビューで、黒沢は「ピンとこない待ちだったので、5pタンキになったらリーチしようと思っていた」と語った。トリッキーな中張牌タンキに受けようというのも赤なし打法だ。赤なしだと字牌は警戒されるから、予想外の中張牌タンキで待つというのは、ひとつのパターンだ。

赤ありでは基本的に手は内に寄せるものだから、中張牌は場に出にくい。そしてカン4pは4枚待ち、5pタンキは3枚待ちだから、枚数が1枚減ってしまう。

この黒沢打法は予想外のドラマを引き起こした。

だいぶ巡目が進んでから、親の朝倉が高め三色でテンパイしてリーチ↓

朝倉のアミバ顔がキラリと光った。

5巡の間ダマにしてた黒沢も手変わりした。さて、どうする?

ここで黒沢は、3pも危険牌なのだが、初志貫徹の3p切り赤5pタンキリーチに出た。5pは朝倉の三色の高目だ。すげーリーチだよね(;・∀・)

すぐに日向もドラ3でテンパイ↓

当然の追いかけリーチだ。

堀は今日の主役なのだが、ここはオリるしかない。

めくり合いの結果は、日向が5pをつかみ、黒沢と朝倉が「ロン」と言い、Mリーグは頭ハネルールなので黒沢のアガリとなった。3200点。

なんという魔術的なアガリだ。いきなりリャンメンを落とし、カン4pテンパイで5巡もダマにして、赤5pタンキで親リーを追いかけて、めくり合いで勝ったという。ちなみにカン4p待ちでリーチしてたら空テンだった。

解説の近藤「このアガリすごいですねー。ちょっと考えづらいアガリです」。赤なし、一発裏ドラなしを熟知してる近藤にとっても理解しがたいアガリなのだ。

「雷電の麻雀は面白いんです」というのはこれか?

「おいおい、ほんとかよ?」という、一歩間違ったら大破炎上しそうな打ち方だけど、この打ち方で2年間結果を出してきてるから文句を言えない。しかし、本当に麻雀ってこういうもんなんかねー? 3pが三色の高めになって、本来なら打ち込まなかったのに打ち込んでしまうこととかないの?

コバミサ「日向も助かりました。朝倉も同時にロンといって、そちらはリーチタンヤオ三色赤の親マンですからねー」

この局、日向の打ち方にミスはなかった。ちゃんと戦う舞台に乗れていた。アンラッキーな放銃になったけど、不幸中の幸いで3200点ですんだ。この局に不幸だったのは、黒沢マジックによって親マンを潰されてしまった朝倉だった。

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