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関西の三人打ち高レート事情 前編

今回は匿名条件の方に寄稿していただいた文章になります。関西の高レート三麻事情について書いてもらいました。

長かったので2つに分けます。まずは前編。前置きが長いので値段は安めにします。

以下が寄稿していただいた文章です↓
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関西のフリー麻雀店舗は、2000年代頃まではサンマ(三人打ち)が8割以上と言われていました。とくに個人店は9割がサンマだったと言っても過言ではないでしょう。それが徐々に全国チェーン店をはじめとして四人打ちが増えていき、その後はMリーグの発足などがあり、競技麻雀熱の高まりとともに四人打ちの比率は高まって行きます。

それでもなお、現在に至っても関西のフリー店舗はサンマが中心で、とくに高レートフリーに関してはサンマがほとんどと言って良い状況です。

というわけで、ここでは関西のサンマ(三人打ち麻雀)における高レート事情についてお話してみます。

そもそも「高レート」とは

そもそも「高レート」とはどのぐらいのレートを指すのでしょうか。

解釈が分かれますが、1998年、漫画家の蛭子能収えびすよしかずさんが新宿のフリー雀荘「ふらの」(千点200円、東風戦)で単純賭博罪で検挙されてからは、「東風戦の200円以上は高レート」という不文律ができたように思います。

それまでは店の外の看板にも「2ー2・6」(千点200円、ウマが2,000円-6,000円)などのレート表記がありましたが、それ以降はレートを明記するのは100円までになりました。それまで「2-2・4」「2ー2・6」のリャンピン東風戦だった店が、「1ー2・4」「1ー3・6」の東南戦(しかし「東場終了時に30,000点あればそこで終了」というオプションがついている)へと変貌。結局は実質リャンピン東風戦じゃないの?という状況でしたが、ともあれ「東風戦」と「200円」が、歌舞伎町をはじめ、東京中のお店の看板表記からいっせいになくなりました。

おそらくこれは実質のレートうんぬんではなく、「東風戦」と「200円」がとくに射幸心を煽るキーワードとして認定された、逆に言えばそれさえ謳っていなければ摘発されませんよ、という当局と雀荘業界との阿吽の呼吸だったような気がします。いずれにせよここから、この「ピンに擬態した実質リャンピンのルール」は、現在に至るまで「歌舞伎町ルール」と呼ばれています。

これを契機に全国的に「東風戦」「200円」はダメな機運が広がり、関西でも「1・1・1」(千点100円、沈みウマ1,000円、トビ料1,000円)などの看板しか見なくなって行きます。

というわけで、一つの基準として看板が出せない「千点200円」以上を「高レート」と規定してみましょう。

「高レートは看板が出せない」と言いましたが、その後は基本的にあらゆるレートを看板に出せない世の中へと変わって行きます。

2012年、「さん」京都店が千点100円の四人打ちフリー営業をしていたことに関して、店舗責任者が賭博開帳図利罪で、客も単純賭博罪で逮捕されてしまいます。

この際は「駅前でレート入りのティッシュを配っていたこと」「精算機能付きの麻雀卓を使っていたこと」から、明確に賭博を目的とする客を集めて賭博開帳していた、という解釈になったようです。

前述の蛭子さん事件と同じで、検挙の決め手となったキーワードが裏返しで❝その後の検挙を避けるための道標❞となったようで、これを契機に雀荘業界は「対外的にレートを告知すること」「精算機能付きの麻雀卓を使うこと」を避けるようになって行きます。

看板に出せなくなって行くタイミングがスマホの普及の時期と重なったこともあり、店頭で分からないレートはインターネットで調べる、という状況になっていきますが、それに合わせて当局も「ネット上も公の場」だと解釈して、オフィシャルサイトにレートを記載するのもNGという時勢になっていきます。

さらに2024年、「ブル」新宿店の検挙(後に不起訴)では、「女流プロのゲスト来店でフリーへと集客すること」「それをX(Twitter)で拡散すること」も賭博開帳図利の要件であるかのような解釈も加わって、どんどんフリー店の運営・集客は厳しくなって行きますが…この辺は「高レート」と関係ないのでこのぐらいにしておきます。

「表レート」として200円が普通に存在

前述の「さん」事件以外でも、深夜営業などでちょくちょく検挙の報を聞く京都の厳しさに比べて、大阪は極めてゆるい空気感があります。

2012年以降、全国的に「レートが看板に出せない世の中」になったと書きましたが、それでも大阪では2020年近くまで、看板に「1・1・1」などのレートを示す看板が出続けていたのが観測されていました。ようやく最近になって、ほとんどなくなった模様です。

そしてもうひとつ、看板を出さずとも「200円」が(見かけ上)駆逐された歌舞伎町に対して、大阪には通常レートとして「200円」があるお店が、そこそこ存在するのがゆるいと思われるゆえんです。

さすがにサンマの東風戦は稀ですが、東南戦でも15~20分程度で終わるのがサンマ。つまりスピード感としては、1998年の時点で歌舞伎町では禁忌となったレベルの短期決戦が、「千点200円」のレートで堂々と健在なのです。

関西サンマには特殊なルールがいくつか存在します。

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