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ヘドロ

何気に見に行った『生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展』
特撮って今までほとんど見たことなかったし、ゴジラすら見たことなかった。
その上、ウルトラマンとか小さい時に数話たまたま見ていたとしても、正直なところ、雰囲気の怖さとか怪獣とか生物の方ばかりで背景美術なんて目がいかなかった…
それにあの怪獣たちのゴム感とかぎこちなさがなんか苦手でもあった。(苦手だから余計それしか印象にないし…)

それで今回この展示見て、えーーーーーーーーーっ、そんなすごいことしてんの!?てなった…
実際、名前聞いたことある程度の映画の知識の私には、尋常じゃない細部へのこだわりと情熱と途方もない時間に…え、だってこれ、数秒で爆破されるセットでしょ…と……
よくよく考えれば、デジタルカメラもなく、ドローンや、CGすらなく、人間が着ぐるみを着た怪獣を大怪獣に見せるためにはミニチュアの街や森などのいかにリアルなセットを作らないとダメだということで…しかも爆発や崩壊もそのセットを使って撮影するからさ…考えただけでゾッとする様な途方もないことやっている。

ちなみにこの展示に来ている人の大多数が、特撮好きっぽくて、会話とか鼻息の荒さとか食い入り様とかメモ取りとか熱さが半端ない。
「このデザインの尾翼は〇〇に似ている」とか「このシーンは何度も実験して、崩壊がリアルに見えるように後ろにひびを入れて計算通り崩れる様に細工してある」とか「瓦の一枚一枚を〇〇という素材で作っている」とか…隣で聞いていて面白い

もう、本当、この人(井上氏)ヤバい人や…と、ぽかーん状態で見ていたけど、
最後の部屋に実際のセットが再現されていて…もうこれは、職人です。
今度ちゃんと特撮見るし、ちゃんとセットも見ます、正座して。子供の娯楽映画じゃなくて、大人こそ見るべき芸術なんだな、これ。

実際の建物を測ってきて、縮尺で製図何枚も描いて、忠実な縮尺で模型作って、そんで実際のミニチュアのセットを作る
すごいから、みんな写真撮りまくるよね
ミニチュア風写真が一時期流行って、そういう写真家もいるけど、
もう、それが目の前で3Dで展開されると興奮する
作り込みすごいです
ウィンドウディスプレイとか通りの立て看板とか見て!
ほんと、気が遠くなる

展示中にヘドロの可愛さに目が止まり、にわかの私でさえ物販のフィギュアに手が出そうだったが、完売していた笑

ヘドロ
むっちゃかわいい💕

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