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2023年4月 活動報告

今年4月に大槌町地域おこし協力隊に着任した福島良樹と申します。初めての活動報告で緊張してます。
大学で野生動物(ハクビシン)の生態を研究していた経験を活かし、大槌町役場と連携して鳥獣被害対策に取り組みます。ある日は役場、ある日は畑、と町内の各所で活動する予定なので、見かけた際は声をかけて頂けると嬉しいです。

なぜ、大槌町に?

活動報告に入る前に、軽く身の上話を。
地域おこし協力隊公式Facebookでも自己紹介しました(https://www.facebook.com/otsuchikyoryokutai/posts/pfbid0E7TuQGdBmvZEbTpEeNLuA9pSfwyHJTQQLFWBYUpj3Zg7bbMSWj74AMRsmar9DH7Zl)が、私は山形(高校まで)→盛岡(それ以降)と過ごしてきました。そんな私がなぜ大槌町の地域おこし協力隊になったかと言いますと……


1.大学でハクビシンの研究をしたことで、「ハクビシンは農作物被害を引き起こすが、元はと言えば彼らも外国から連れてこられた被害者」「それはそれとして被害を引き起こしている以上は減らさなければならない」「ならば駆除する上で動物に敬意を払うべきでは?」という考えを持つ。
2.民間企業に就職したものの、どうしても博士号に挑戦したくなったため将来の見通しが立たないのに退職(2020年3月)。
3.2020年8月、偶然新聞記事でMOMIJIさんを知る。
4.早速MOMIJIさんに連絡を差し上げたところ、MOMIJIさんだけでなくOGSP(大槌ジビエソーシャルプロジェクト)に携わる皆さんにも集まって頂き、熱い想いを伺う。
5.駆除に対する理念に強く共感(1の太字)し、「この町で被害対策に携わりたい」と考え、卒業の目処が立つのを待って応募。


ということがあったからです。
改めて文字で整理してみると、凄い偶然が積み重なって今に至るんだなとビックリしてます。もし研究テーマがハクビシンでなかったら、もしMOMIJIさんが新聞で取り上げられていなかったら、もしあの時新聞を読んでいなかったら、もしOGSPが「ただシカを減らせれば良い」という理念だったら、応募することは無かったと思います。
このような経緯で今に至るため、「必然」だけでなく「偶然」も大切にしながら活動していきたいです。

研究終了後に墓石店にお願いして作って頂いたミニ慰霊碑

大槌での新生活がスタート

『右も左も分からない』という慣用句がありますが、新生活を始めた時って文字通り右も左も分からないんですね。土地勘が無さ過ぎて「役場」「おしゃっち」「スーパー」しか分からない。大槌ICの場所すら危うい始末(因みに愛車のカーナビは古すぎるため三陸道が存在しない)。ですが数日も経つと何とか主要な道と建物を覚えて、最低限の移動がつつがなくできるようになりました。そんなある日……。

「地名が分からない」というのはある意味「人の名前が分からない」以上に厄介ということに気付きました。人だったら話の流れで何となくどういう人か推測できます(何なら失礼を承知で本人に聞ける)が、地名はそれが全くできない。折角過去の農作物の被害状況の資料を見せて頂いても、そこに書いてある地名が理解できないので全然ピンと来ない。インターネットで検索してもヒットしないこともしばしば。
そこで自分に「町内の地名を覚えること」を課しました。地名のGISデータを利用し地図を自作、『着任したての私にできる仕事が無くて当然、ならばできることをやるのみ』と現地にも赴き地道に覚えていきました。

地名を覚える切っ掛けになった「前短」。名前からどんな場所か全くイメージできない。

初めての被害対策

『蕨打直でクマが出ました』
役場で書類作成の業務をしていたら通報の電話が聴こえました。出動に同行させてもらい現地に向かいましたが、何より嬉しかったことは『蕨打直』という地名を聞いて、すぐにおおよその場所がわかったことでした。『ちゃんと地名を勉強しておいてよかった!』と強く感じながら対応を見学させて頂きました。
その後も連日のようにクマが出没しましたが、その際も『どこそこでクマが出没』と聞いてすぐに場所がわかったため、スムーズに現場に向かうことができました(GW中に大槌を騒がせた赤浜のクマの件は5月の活動報告で……)。

そんな感じである程度生活に慣れたある日、着任したての時に見せて頂いた過去の被害状況の資料を読み直してみました。すると、『読める』ようになっている!土地勘が少し身に付いただけで、以前とは比べ物にならない程理解が進みました。自分のレベルがちょっとだけ、でも確実に上がったのを感じました。

クマが出た場所(翌日細心の注意を払いながら撮影)。

最後に

着任した月のため引越などの事務手続きに多く時間を取られていましたが、しっかり地盤を固めたお陰で順調に新生活を始められたのではないかと感じています(その一方、活動報告に書くような業務が少なくなってしまいましたが……)。
5月からは本格的に活動が始まるため、引き続き被害対策の役に立てるよう(そしてより濃い活動報告ができるよう)励みます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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