No.207 屍

血吸蝙蝠の屍に、
何万もの蛆蟲なんぞが液を垂らし集っている。

液はドロリとして赤黒く、
鉄臭さを周囲に撒き散らしている。
液を吸い、屍を貪る蛆蟲らがまるで、血を吸われた者達の仇を獲っているようで妙に美しい。

髄まで貪られた骸は、
また今度は木々の餌となり廻っていくのだ。

あぁ美しいではないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?