2022富士ヒルクライム主催者選抜クラスレースレポート
6/12に富士スバルラインで開催された第18回Mt.富士ヒルクライムのに参加してきました。今回は主催者選抜クラスのレースレポートになります
富士ヒルの目的
鳥人間コンテストのリハーサル
鳥人間コンテストでは一番機の場合6:00フライト開始とかなり早朝から飛ぶことになる。そのため早朝のレースに出場することで前日、当日の流れのリハーサルを行うことが最大の目的であった。調整方法を試すことも兼ねており、長い期間での流れの確認をすることも大きな目的だった。
レース目標
1:プラチナ獲得
3月末の時点では好調だったのであわよくばプラチナというレベルに達していたので本気で狙いに行くつもりだった。
2:タレないこと
鳥人間コンテストでは一定の出力で淡々と回し続けることが要求される。そのため集団から離れても酷く崩れないことも目標の一つだった。
3:ゴールド獲得
上記1,2の目標が達成されなくとも最低限これは達成しようと思っていた。正直ゴールドは取れるだろうという思いがあったのでこの目標を最低限のノルマと設定した。
富士ヒルまで
3月末まで好調を維持していたが4月半ばから思うように調子が上がらなかった。雨沢のパワーもNP287wから直前にはNP264wまで落ち、思ったように練習が詰めていないとは感じていた。雨沢峠のタイムは14分台で安定してきたものの身体にキレが無く、疲労がたまっていることは自覚していた。これはTFや機体製作で思ったように練習が積めず、練習量も質も落ちていたことが原因である。普段のSST Medがなかなかこなせなくなり、6倍設定の時はBoost shotを飲まないとこなせないレベルまで落ち込んだ。
一週間前の時点で代表には富士ヒルダメかもしれないと相談をしていたがなんとか諦めるのはやめようということで、今出せる最大のパフォーマンスを求めることに目的を変えた。
なおしさんがカフェインを抜いていることをツイートで知り自分も一週間はカフェインを抜いて練習していた。
レース一週間前に府大の中村さんに不調の脱し方を聞きLSDや高強度インターバルを挟むなど徐々に調子を上げていく努力をしていたが調子は劇的には上がらず、最終的にはTSBは若干オーバートレーニング気味の-22.3で迎えることとなった。
レース前日
金曜日まで岐阜の飛騨高山でテストフライトがあり、その移動もあってか疲労が抜けていなかったので移動中はずっと寝ていた。昼はココスでハンバーグとパスタ。受付を済ませサイクルエキスポに参加、Mag-onを買えたのは助かった。チームメイトの畠さんと相談して明日が雨予報だったこともありホットジェルも購入(結局使わなかった)。夜もパスタと米をメインで摂り、最後のカーボローディングに努める。明日のホテルの朝食が3:45からだったので間に合わないと判断しコンビニで朝食を買った後、レースウェアの準備、キレートレモンとMag-onを一包飲んで20:30頃に就寝。
レース当日
3:00起床。レース開始は6:30なので3:30までに朝食を済ませる。朝食は海苔を外したシャケおにぎりを二つ、BCAAとMag-onを混ぜたもの。ホテルのバイキングが3:45から始まったので牛乳を一杯だけ飲みに行く。
4:00からはまったり。寒かったのでクールメッシュセパレートワンピースからクライマースーツにウェアを変更。4:45からウォーミングアップ開始。ストレッチと体幹を済ませ5:20ごろからローラーでアップを開始。途中でBoost shotを飲みつつ20分かけてビルドアップをして何本かスプリントをして終了。5:50ぐらいに受付に行った。ウェア関係のトラブルがあり一度ホテルまで戻ったあと再度スタート地点に整列、最後までストレッチとかしてた。
レース戦略に関して
レース一週間前の時点でどこまで走れるかわからないところまで落ち込んでいたので今回はタイム等意識せずどこまで先頭集団で戦えるかを試すことにした。ゴールドのタイムを狙ってTTするのが今回主催者選抜で出走する目的では無かったので、最初から攻めると決めていた。
レースレポ
リアルスタートの前にパレードランがあるが自分は後方に並んでいたのでそのタイミングで前に位置を上げた。
交差点を曲がりリアルスタート。天照のジャージの方々の背中について集団に乗る。料金所の時点で集団前方は一列棒状に伸びていた。
自分は天照のなおしさんの2人ほど後ろの位置をキープ。この状態のまま集団は淡々と進む。スタートアタックした方が落ちてくるタイミングで天照大野さんのカウンターアタックがかかり集団が加速、隊列が崩れる。なんとか集団の中に残る。
スタート10分で脚が思ったように動いてくれないことを実感、集団後方に下がってしまう。自分でもどうしてこうなったのか分からなかった。
そのままずるずる後退、第二集団に吸収される。そこになんとかついていくもののそこからも脱落、途中で箱根HCの時に一緒に走ったグランペールの三浦選手と一緒に走るもそこからも脱落、180wすら出せないレベルまでタレていろいろな集団に抜かされていく。なんでなん?!と叫びながら走っていた。
17km過ぎにMGU高橋選手になんとかついて行くことができ、2人で走る。回していこうと話すものの自分は全然牽けず、殆どのあいだ高橋選手が牽いてくれた。本当にありがたかった。
途中無理かもしれないと高橋選手に伝えたが頑張ろうと言ってくださりその言葉のおかげでなんとか必死についていくことができた。
そのまま前の選手を吸収していきつつ、20km過ぎからの平坦区間ではStravaいいね斎藤選手、伊豆プロトン鈴木選手と4人ほどの集団に。向かい風がキツくなかなかスピードが上がらない。ヘアピンカーブを抜けてラスト700mで集団の前に出る、この時点で63分が経過しておりせめてゴールドを獲ろうと踏み始める。ラストは310wぐらいで踏み続けゴール、タイムは手元で64’45、正式リザルト(グロス)で64’49"08だった。
以下データ
タイム64’49"08(主催者選抜50位)
AP226w(4.91w/kg)
NP232(5.04w/kg)
Avs 22.1km/h
機材
バイク:Canyon ultimate cf sl7
ホイール:fulcrum racing zero carbon
サイコン:wahoo ELEMNT roam
パワーメーター:Assioma duo
計7.5kg
ウェア
ヘルメット:Kabuto aero r1
ウェア:sunvolt クライマースーツ
グローブ:sunvolt エアログローブ
シューズ:Lake cx301
体重46.0kg
反省点
評価すべき点
•鳥人間コンテスト前日と当日の流れの確認
アップのメニューや時間帯など、鳥人間コンテストに合わせた動き方でのリハーサルを行うことができた。
修正すべき点
•調整の失敗
TSBを低い値にし過ぎた。当日は脚が重く疲労が溜まり過ぎている感覚があり、もっと抜くべきだったと実感した。この疲労にはトレーニングのみならずTFによる疲労や機体製作による疲労などさまざまなな疲労が含まれるので、鳥人間コンテスト前は極力作業をせず、パイロットとしての仕事だけに集中したい。また、TFなど思うように練習が積めず、焦ってしまいTSS的に無茶なメニューをこなしていることもあったので、もっと余裕をもってレースに臨むべきだった。
•レース戦略の失敗
攻めると決めて攻めた結果集団からドロップしたなら仕方がない。だが、第二集団につくなどタレないことをもっと意識すべきだった。狙った集団から離れたあとすぐに次の目標を定め、そこにつくために最善の努力をすべきだった。
終わりに
日本で最も素晴らしいクライマー達とともに富士ヒルで競うことができたのは今までにない良い経験になった。また、レース中にコミュニケーションを取りながら協力してゴールを目指して行くのは本当に楽しく、レースの楽しさを改めて実感した。今年は歯が立たなかったが来年こそはもっと前に、もっと速く、もっと強く、富士スバルラインを駆け上がりたいと思う。
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