見出し画像

超広角レンズ「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」

35mm換算でおおよそ20mm以下という「超広角レンズ」。
標準ズームレンズよりも焦点距離が短い範囲をカバーするのですが、ほとんど使われない種類であると思います。
業務で使う私とすれば、「(面積が)狭い室内などの会場で全体を撮りたい」という必要がありました。
さらにこの種類は敷居が高く、軽く10万円を超えるものばかりで手が出ない。
しかし、超広角レンズにおいて、意外にも5万円ほどで買えるレンズがキヤノンにあります。
今回は、一眼レフ用超広角レンズ「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」を紹介します。

APS-C一眼レフ対応の超広角レンズ
EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM

EF-S10-18mmの特徴

最大の特徴は、「新品で5万円払ってお釣りが出る」ほど、コストパフォーマンスが高い超広角レンズです。
キヤノンAPS-Cフォーマット対応一眼レフ(7D Mark II、90D、Kissシリーズなど)に対応しています。
35mm換算で16~29mm相当となり、手振れ補正(IS:Image Stabilizer)、ステッピングモーター(STM)搭載ながら単体で240gと軽量で扱いやすくなっています。
※EFレンズだとEF16-35mm F2.8L / F4L の2種類が用意されています。

ちなみに、キヤノンは以前から「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」もラインアップされています。これの弟分といえるレンズです。
しかしながら、EF-S10-22mmと比べて軽量コンパクトに仕上がっているのも特徴です。
レンズ設計が新しいため、特に超広角側での歪みなどが多少改善されています。
なお、フィルター径は67mmとなっています。

レンズ伸縮の様子
左から10mm、14mm、18mm

レンズは伸び縮みしますがそんなに差はありません。10mmで一番伸び、14mmの位置で収納されます。それくらいのコンパクトさです。

EOS 7D Mark IIに装着時の様子
比較的に新しいEFレンズとだけあって、スッキリしたデザイン。
かつ、ズームリング・ピントリングの配置が使いやすいよう変更。
先端側がピントリング、マウント側がズームリング。

購入のキッカケ

このレンズを購入するキッカケになったのは、ズバリ
「狭いスペースでの撮影機会が増えたから」

私は標準ズームレンズとして既に「EF-S17-55mm F2.8 IS USM」を持っていますが、
狭い場所(特に横方向)ではかなり後方に下がらないと画角に収まらない。
特に“こじんまり“とした会議室などのスペースでは、ドアを開けて廊下から撮らないといけないくらいにもなります。
あとは、新幹線やバスなどの車内撮影も、です。
(注意:学校関係の撮影で特に多いです。通常は車内撮影はしません。)

作例

EOS 7Dにて撮影
ISO2000 F5.6 1/30sec. 10mm (35mm換算16mm)
SPEEDLITE 600EX-RT使用
※2018年12月 イベント会場で試し撮りしたもの
EOS 7D Mark II にて撮影
ISO1000 F14 1/1000sec. 10mm(35mm換算16mm)
2021年5月撮影

2枚目の写真は分かりにくいかもしれませんが、端に進むにつれてポールの”しなり”が大きく見えます。(実際はそんなに傾いていません)
また、夕方の時間帯に逆行で撮影したため、中央部にわずかにフレアが発生しています。(目障りではないレベルですが)

ずっと使ってみての感想

実はこのレンズを使って4年近くになるのですが(2021年9月現在)、明るい屋外、特に順光では問題なく写ります。
逆に、屋外での逆光・夜間、および室内では暗く感じるのと、フレアが出やすい傾向にあります。
しかし、大きく引き伸ばす必要がなければ、実用性は十分だと思います。

価格面、性能面などからみて、YouTubeで配信されているとあるカメラマンさんは「お勧めしないレンズ」とキッパリ言ってるくらいです。

画角によっては大きく歪みや斜めになりますが、超広角レンズならではの”宿命”です。
例えば高層ビルなど歪みのない写りを実現したいなら、あおりレンズ(TS-Eレンズ)が必要になるでしょう。
※TS-Eレンズは特殊が故、高価なのでおススメすらできません。

とにかく超広角レンズは、扱いが難しいです。
室内の広さと奥行き感を出すには、壁がまっすぐになるよう画角を調整する必要があります。
だからこそ、表現できるものがあります。
お手軽な値段で購入できるので、超広角レンズでの撮影を始めるのに最適な1本と言えるでしょう。

装着可能なカメラ

  • APS-Cセンサー搭載のデジタル一眼レフ(7D Mark II、90D、EOS Kissシリーズなど)

  • EOS Mシリーズ(マウントアダプターEF-EOSMを介しての使用)

  • EOS Rシリーズ(マウントアダプターEF-EOSRを介しての使用)
    ※撮影サイズはAPS-Cサイズにクロップされる(画素数が少なくなる)

一部カメラにおける装着時の注意
本レンズをEOS 7D Mark IIに装着した場合、測距点が45点に制限されます。
(本来は全65点で、そのうち左右各10点が測距不可となる)

EF-S10-18mmをEOS 7D Mark IIに装着した場合の
AF測距点のイメージ
※EOS 7D Mark II スペシャルサイトより引用(現在は閉鎖)

参考リンク

お読みいただき、ありがとうございました。
よろしければ「スキ!」、及びご意見・ご感想などいただければ幸いです。

私自身の作品づくりはもちろん、カメラや写真の明るい未来を信じて活動します。 いただいたサポートは、喜んで有効に使わせていただきます。