好酸球性消化管疾患(指定難病98)
好酸球性消化管疾患とは食物などが抗原となってアレルギー反応がおこり好酸球というアレルギー性の炎症をおこす白血球が消化管に非常に多く集まり慢性的に炎症を起こすため、その部分で胃腸の正常な機能が障害される疾患。好酸球性消化管疾患と総称するが、炎症が起こる部位によって主に好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎に分かれる。好酸球性食道炎は欧米に多く、欧米では10,000人に5人ほどの患者がいるが、国内では成人の患者が10,000に2人ほど、小児では診断のついた人は10人前後と推測される。好酸球性胃腸炎は日本からの報告が多い疾患で、成人は日本だけで数百人、小児でも100人あまりの患者がいると推測される。好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎ともに小児から成人まで幅広い年齢層で発症がある。好酸球性食道炎は男性に多いとされている。いずれも背景に気管支喘息などアレルギー疾患を持っている方が多いと言われている。好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎ともにアレルギー反応が一つの原因と言われている。食物中のアレルゲンなどが原因となることが多いが、原因となるアレルゲンがはっきりしない場合もあり、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎ともに原因はまだ完全には明らかになっていない。環境など遺伝以外の要素が強いと考えられるが、好酸球性食道炎は同じ家系内で発症しやすいとの報告もある。また好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎ともにアレルギー疾患をもっている家族が多いとも言われている。好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎では症状が違っている。これは食道に病気が起こると食べ物を飲んだり食べたりしにくくなり、胃や腸に病気が起こると食べ物の消化や栄養物の吸収が悪くなるからである。好酸球性食道炎の小児では哺乳が上手にできなくなったり、嘔吐、腹痛などが主な症状。大人になると食べ物が飲み込みにくい症状が主になる。好酸球性胃腸炎では腹痛、嘔吐、下痢、栄養障害がおこってくる。
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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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