環状20番染色体症候群(指定難病150)

環状20 番染色体症候群」はてんかんを主症状とする病気。てんかんの発病は0~24歳で平均6歳。非けいれん性てんかん重積状態という発作が代表的な発作型である。年少の小児では、はじめの頃は種々の動きを伴う発作型が主のこともあるが、数年遅れて非けいれん性てんかん重積状態が主になってくる。てんかん発病後から精神面や行動面の問題がみられることがある。てんかん発作は薬が効きにくく完全な発作消失は今のところ期待できない。診断には染色体検査が必要。正確な患者数や発症率、罹患率は不明である。これまでに散発的に症例報告がなされているが、その総数は100人未満である。症例報告されていない患者や診断のついていない患者も多いと想像される。症例報告は世界各地からなされており、男女差もない。原因として細胞に存在する1対の20番染色体の1本が環状(リング)になっていることが関連している。多くの場合、環状でない正常染色体を1対もつ細胞と混在し(モザイクと呼ぶ)、全体に占める環状染色体の比率は0.5-100%である。なぜこの環状染色体が出現するのか、環状染色体になることでなぜてんかんやその他の症状がみられるかは不明である。これまでの報告では、患者の血縁者に同じ病気がみられたという報告はない。ごく少数の罹患者の母親に環状20番染色体が見つかっているが、その母親はここに記した環状20番染色体症候群の症状は示さなかったと報告されている。この病気をもつ患者の子供に同じ病気が発病したという報告はない。このことから遺伝する可能性は乏しいと考えられる。小児期には怖がっているような、あるいは驚いたような表情や奇妙な言動・行動を示す発作や、手足をこわばらせてつっぱる、ぴくつく、ばたばたするなどの動きを伴う発作(複雑部分発作)、全身けいれんする発作(強直間代発作)などがみられることがある。また、意識がくもり、適切な行動ができない非けいれん性てんかん重積状態という発作が数分から数十分みられる。多いと毎日何回もおこる。動作緩慢、発語減少、同じことを繰り返す、注意散漫、反応の遅延などを示し、不機嫌に見えることや、不適切な応答や行動をすることが少なくない。発作と認識されないと単なる非社会的なふるまいとみなされることもある。発作以外の症状として、程度はさまざまですが知的障害や行動障害を伴うことがある。てんかんの発病後から生じる。染色体異常に関連する疾病では特徴的な顔貌や奇形を伴うことがしばしばあるが、この病気では外表的な特徴や奇形はない。抗てんかん薬をはじめ種々の薬物が用いられるが、きわめて薬が効きにくく、完全な発作消失は今のところ期待できない。脳の一部を切除する、あるいは離断する外科治療は無効。ケトン食や修正アトキンス食などの食事療法の効果は明らかではない。迷走神経刺激療法の有効性の評価も定まっていない。小児の発作では短い複雑部分発作や運動性の症状が目立つ傾向があるが、次第に非けいれん性てんかん重積状態が主発作型になってくる。最初から非けいれん性てんかん重積状態のみが発作ということもある。多くの場合、10歳頃には発作症状や脳波所見はほぼ固定し、その後大きく変化することはない。しかし、非けいれん性てんかん重積状態を呈する発作が年齢とともに軽減することもなく、難治に経過する。ごくまれにけいれん重積状態になり重篤な後遺症を残すことや、死に至る転帰をとることもある。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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