ウエスト症候群(指定難病145)

ウエスト(West)症候群は乳児期に起こる悪性のてんかんで別名「点頭てんかん」とも呼ばれ、多くは重篤な脳障害を背景に生後3-11ヵ月時に発症する。てんかん発作は、てんかん性スパズム、別名「点頭発作」と呼ばれる特異な発作である。また脳波検査でヒプスアリスミアと呼ばれる特徴的なてんかん性異常波があり、多くの患者では精神運動発達の遅れを認める。既知の小児難治てんかんの中では最も多いとされている。ウエスト症候群は岡山県における小児てんかんの疫学調査から13歳以下の全小児てんかんの4.93%を占め、本邦では少なくとも約4000人の患者がいると推測される。ウエスト症候群の約80%は生まれる前あるいは出生直後に起こった脳障害の合併症として起こるが、約20%の患者では発症までの発達も正常でかつ様々な検査でも異常を認めない。前者を症候性ウエスト症候群、後者を潜因性ウエスト症候群と呼ぶ。原因として大脳の奇形や出生時の仮死などによる脳障害が推測されている。ウエスト症候群自体は遺伝しないが、遺伝性の脳の病気に本症を合併する場合には遺伝する可能性がある。また遺伝子異常が関与するウエスト症候群も報告数が増加しているが、その遺伝子異常が同時に脳障害を引き起こす原因遺伝子と考えられている。生後3-11ヵ月時に覚醒直後や眠いときに突然、頭部を一瞬垂れたり、四肢を一瞬、縮める発作(てんかん性スパズム)が5-40秒毎に繰り返し続きます。この繰り返しをシリーズ形成と呼ぶが、1日何回もシリーズが出現する。発作が出現前後より患児は笑わなくなったり、不機嫌になったり、また今までできていた首のすわりやお座りができなくなったりすることが特徴である。抗てんかん薬治療で約20~40%程度、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)治療で50-80%の患者で発作を抑制することが可能とされる。またACTH治療や抗てんかん薬治療が無効な患者の一部でケトン食療法やてんかん外科治療が有効な場合がある。長期的には約50%の患者でてんかん発作が持続する。また約80~90%の患者では様々な程度の発達の遅れを生じる。ウエスト症候群症候群では、治療の目安としててんかん性スパズムの完全抑制と脳波ヒプスアリスミアの消失をめざす。後者は脳波検査が必要であるが、前者では家庭で発作の観察が必要。特に5-40秒毎に生じる軽度の目の動きや手足の動きに注意すること。服薬は忘れずに時間を守ること。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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