特発性門脈圧亢進症(指定難病92)

特発性門脈圧亢進症とは肝臓や門脈(小腸からの栄養分を多く含む肝臓に流入する血管)に特別な病変が存在しないにもかかわらず、門脈の圧が上昇し食道静脈瘤が発生したり、脾臓の腫大、貧血等の症状を呈する疾患のこと。年間有病者数は640~1,070人程度であり、このうち約18%が年間の新発生患者数である。本邦においては人口100万人当たり7.3人の有病率であろうと推定されている。欧米より日本にやや多い傾向があり、また、都会より農村に多い傾向がある。男性より女性の方が3倍ほど多く、また、発症年齢のピークは40~50歳代である。正確な原因は不明だが、中年女性に好発し血液検査で免疫異常が認められることがあることから、何らかの自己免疫異常(自分自身の体に対して自分の免疫が働く状態)という病態の関与が推測されている。更に最近の研究により、血液中の一部のリンパ球の働きの異常が指摘されている。現在このような免疫の異常に関して重点的に研究が行われており、今後の解明が期待される。遺伝性に関して明らかなデータはない。ただし、自己免疫異常という病態は一般的に家系内に多発する傾向があることから、何らかの素因(遺伝子異常)の関与が否定できない。この点に関しても現在研究が行われている。門脈圧が上昇すると、脾臓が大きくなったり腹水が貯まる。さらに、門脈圧の上昇により門脈血の一部が肝臓に向かわずに他の方向に逃げるようになる。このようにしてできた新しい血液の流通経路を側副血行路と言いう。この側副血行路のために腹壁の静脈が怒張したり、食道や胃に静脈瘤ができる。脾臓が大きくなると脾機能亢進という状態になり、貧血をきたすようになる。また血小板も少なくなり、出血した時に血液が止まりにくくなる。また、静脈瘤の圧が上昇すると、静脈の血管がその圧に耐えきれなくなり、破裂・出血してしまい、吐血・下血等の症状が出る。出血のためショックになり死亡することもある。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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