下垂体性PRL分泌亢進症(指定難病74)


下垂体性PRL分泌亢進症(プロラクチノーマ)は、乳汁分泌の作用があるホルモンであるプロラクチンが過剰に産生される下垂体腫瘍。高プロラクチン血症により月経異常や不妊症となり、妊娠・出産していないのに乳汁漏出がみられる。平成11年度(1999年度)の厚生労働省研究班による全国調査では、1998年1年間の推定受療患者数がプロラクチノーマを含むプロラクチン分泌過剰症で12,400名と報告されている。プロラクチノーマは男女比が1:3.6と女性に多い傾向があり、発症年齢は女性では21~40歳に多くみられるが、男性では20から60歳にかけて均一に分布している。発生する原因はまだよくわかっていない。遺伝は大多数の例で関連はない。プロラクチノーマの一部で遺伝が関与する疾患として、プロラクチノーマ以外に副甲状腺や膵臓に腫瘍が発生する多発性内分泌腫瘍症(MEN)がある。プロラクチノーマの女性では月経不順、無月経、不妊、乳汁分泌が、男性では性欲低下、勃起障害やまれに女性化乳房がみられる。プロラクチノーマの下垂体腫瘍による圧迫症状として、頭痛、視力低下や視野狭窄がみられる。プロラクチノーマに対する治療の第一選択は薬物療法。ドパミン作動薬であるカベルゴリン、ブロモクリプチンやテルグリドを内服する。薬物による治療成績は良好で治療開始後速やかに血中プロラクチン値は基準範囲内に低下し、乳汁漏出や月経異常の軽快、下垂体腫瘍の縮小が得られる。腫瘍の大きさなど一定の条件を満たしたプロラクチン産生下垂体腺腫は熟達した脳神経外科専門医による外科的摘出で治癒が期待できる。ドパミン作動薬を2年以上内服し血中プロラクチン値が基準値内となるも、依然として下垂体腫瘍が消失しない場合は内服の継続が必要である。服薬中止を検討できる条件として、ドパミン作動薬を2年間規則的に服用し減量しても血中プロラクチン値が基準値内にあること、下垂体MRI検査で下垂体腫瘍が検出できないほど小さくなっていることが必要。プロラクチノーマが大きい場合はドパミン作動薬の服薬中止で下垂体腫瘍が大きくなるため、自己判断での服薬中断は避けること。閉経前の女性でプロラクチノーマによる無月経を長期間放置すると骨密度が低下し骨粗鬆症となる。プロラクチノーマ女性例では、ドパミン作動薬の規則的な内服や妊娠・出産により、下垂体腫瘍が自然に消失することもある。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之


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