課税の先送り!小規模企業共済と経営セーフティ共済の前納制度。

今年も残すところあと45日ほどとなりました。

12月末決算の方々はそろそろ今年の収益を計算、年末までの収支を予想し、来年いくら税金を支払うのか?考える時期になりましたね。

この作業をせずして、年を越すなんて、恐ろしくてできません。

この「詰め」の作業をするか?しないか?で来年のキャッシュの残り具合がめちゃくちゃ変わってきますので、やってない、という方は是非やりましょう。

つうか、絶対やれ。

さて、何のことを言ってるのか?さっぱりわからん!という方のために簡単に説明しますと、まず、年間で個人が支払う主な税金に

所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険税(社会保険未加入の場合)

があります。

基本的には年間の総収入から総経費を引いたもの(所得)に、税率をかけることによって、支払う税金の額が決まります。

総収入-総経費=所得

各税金には「所得控除」というものがありまして、所得から差し引くことで税金の負担を軽くすることができます。

所得から所得控除を引いたものが「課税基準額」となり、この額に税率をかけることで支払う税金を確認することができます。

総収入-総経費=所得
所得-所得控除=課税基準額
課税基準額×各種税率=納税額

つまり、所得や課税基準額が小さければ小さいほど、税金は少なくなりますし、大きければ大きいほど、支払う税金は高くなります。

税金の支払いは思った以上に負担が大きいです。

特に美容師のような肉体労働の場合は、こんだけ身を削って働いたのに、現金これしか残らなんのかい!となりがちですので、そうならないためにも、適度に節税しつつキャッシュを残したいですよね。

そこで大活躍するのが、小規模企業共済と経営セーフティ共済の前納制度です。

小規模企業共済と経営セーフティ共済の詳しい説明は、すみませんが、ググって下さい。

(共済に加盟するデメリットも少なからずありますので、ご自身でご確認ください。)

簡単に説明すると、小規模企業共済は自営業者の退職金制度、セーフティ共済は経営難や企業の連鎖倒産を防ぐための共済制度です。

小規模企業共済の掛け金は全額、所得税と住民税の所得控除に適用されます。

つまり、節税しながら退職金を積立することができます。(ただし、240カ月未満の解約は元本割れします。)

経営セーフティ共済は掛け金が全額、損金扱い、つまり経費となります。(こちらは40カ月未満の解約は元本割れします。)

そしてこの共済については前納制度というのがありまして、次の年に支払うべき掛金を前期のうちに前払いすることで、その年の所得控除、経費とすることができるという特例があります。

この制度を利用することで、小規模企業共済であれば所得控除をより多く増やすことができ、セーフティ共済であればより多くの経費を積みまして所得を圧迫するとができます。

注意といたしましては、前納制度を利用する場合、手続きに時間がかかりますので、遅くとも11月中には書類提出、場合によって現金納付をしておく必要があります。

期日までに手続きが間に合わなかった場合は、掛け金を支払ったこととならず、その年の所得控除や損金扱いとはなりませんので注意してください。

ここからは私の主観になりますが、税金は思った以上に負担が大きいと思います。

フリーランスの場合、経費として認められるものはそれほど多くないと思いますので、実際に請求がきて「えっ?!」となるのではないでしょうか?

お勤めのときよりも収入が多くなったはいいけれど、税金が倍以上になって結局お勤めの時と手取りはさほど変わらない、なんて悲しいことが実際によくあります。

お勤めのときに社会保険に加入していた方が独立して、国民健康保険に加入することになった場合、この国民健康保険税の請求が一番きついです。

理由は、所得から引かれる控除が、基礎控除33万円と青色申告特別控除しかないからです。

所得税や住民税に適用される控除が国民健康保険税にはまったく適用されません。

例えば簡易簿記を選択し、青色申告特別控除10万円の場合、基礎控除とあわせると、43万円の控除しかありません。

フリーランスの年間の所得が500万円だった場合、基礎控除33万円と青色申告特別控除65万を差し引いて、課税基準額が約400万円だった場合の国保税を算出してみてください。

かなりな金額だと思います。

子供や家族の多い世帯主はさらにきついです。

国民健康保険には扶養という概念がありません。

社会保険の場合は、所得が130万円未満の家族は加入者の扶養に入ることで、年金と保険料を徴収されることはありませんが、国民健康保険は家族の人数分を請求されることになります。

せっかく独立して稼ぎが増えたのに税金の支払いでキャッシュや資産が残らない。

これではなんのために独立したのかわかりません。

ですので、資産を残すためには簿記会計をマスターし、合法で正しい節税をしてキャッシュや資産を残すことが大事だと思います。

ちなみに余談ですが、未満児のお子さんがいて保育園に預ける場合の保育料の計算は住民税の納税額で決まります。

年間の収支はこのあたりにも関わってきますので、なるべく11月中までに今年の収支を予測し、いくら税金が課せられるのか計算しておきましょう。

最後に、一応お断りしておきますが、節税をしすぎて所得が低くなりすぎると、金融機関からお金を借りたいときに審査にとおらず、融資を受けられなくなる可能性がありますので注意してください。

もし今後、融資を受けたい場合や住宅ローンを組みたい場合は借りたい金額に見合う、所得が三年分必要です。

その場合はまず金融機関や税理士さんに相談し、どれくらいの所得があれば希望の額を借りれるか相談し、その上で節税なりをしたほうがよいと思います。

ですので自己責任でお願いします。

私自身は融資というものを受けずにここまで資産を増やしてきました。

今年住宅ローンを組みましたが、審査を受ける上での所得はとても低かったですが、10年間分の積み上がったキャッシュがありましたので、所得が低くても住宅ローンを組むことができました。

ですので時間はかかりますが、融資を受けなくても資産を拡大していくことはできますし、所得が低くてもキャッシュがあれば融資は受けられました、ということをポジショントークとして記しておきたいと思います。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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