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新作ボードゲーム エーテルグライダーをプレイしてみた(製作:六角えんぴつ様)



1.概要

プレイヤーは8つの星系国家のどこかに所属する銀河商人として宇宙船に乗って銀河を駆け巡り、マップ上の4つの星系国家に物や人を届けて大成することが目的です。

これだけ聞くと単なるピックアンドデリバリーか、となりそうなものですが、このゲームはプレイヤーが自ターンに行うことができる選択肢が非常に多く(移動、積込、投資、建造、雇用、寄付、ステータス配置及び振り直し、母星固有スキルetc)、2回のメインアクションと独立したフリーアクションを自由に組み合わせて行動できるのでとてもやりごたえがあります。

また、移動は宇宙船の移動力を参照するため運要素がなく、ダイスロールが発生する場合は既にマップに見えている特定の場所に自らの意思で移動することでしかほとんど起こらないので、戦略が立てやすいです。

各プレイヤーのステータス、進行度、輸送対象、投資内容など、ゲーム内のほとんどが公開情報であり、手札といったものも存在しないので意図しない紛れが起こりにくいです。

運要素や記憶ゲー、読み合い等に嫌気がさした方には非常にオススメできる一品です。


2.プレイ開始時から既に面白い

ゲーム準備の段階で、プレイヤーの所属国家と、8国家のうちどの4国家がマップに配置されるかが決まります。

国家には色があり、赤、緑、青、黄の4色に2国家のバリエーションがあります。マップには必ず4色の星が存在するため、各色の内どちらかはマップに存在するがどちらかは存在しないことになります。マップに存在しない国家に所属したプレイヤーは「母星なし」の状態で頑張ることになります(特有のボーナスがあるので不利ではありません)。

プレイヤーは国家の長から3つの指令が下されており(プリンセスオーダー)、この内2種類は全国家共通の内容ですが、各色固有の指令が1つあります。これは各色の得意分野に則った指令(※1)となっているので、その指令を達成できるようにプレイすることがプレイヤーの基本方針となるでしょう。

※1
赤:デンジャーマスで怪物を3体討伐して荷卸する
緑:3軒建造する
青:乗客を2人届ける
黄:4回投資する

そして所属国家には「国家支援」という固有のパッシブスキルが2種類あります。どちらもプレイヤーの指針となるようなスキルとなっています。プレイヤーの最初のターンの開始時にどちらかを選択することになりますが、要するに「ゲームが始まってから盤面を見て選択できる」ので、「自分で決めた戦術のアテが外れてつまらなかった」なんてことは絶対に起きません。

ひたすらに公開情報からの選択、選択……。先の先まで見通せるかどうかが勝敗を分けます。


3.各色の特色

3-1.赤

赤はデンジャーマスを踏むと出てくる怪物を討伐して報酬を得ることに特化した星です。宇宙漁師やエイリアンハンターだと思ってください。
逆にそれ以外の特色はあまり無いので、マップにデンジャーマスがあまり出てくれないと強みが活かせず萎んでいきます。

また、高ランクのデンジャーマスは相応の戦力が必要ですが、戦闘はダイスロールで行うため、自分はしっかり準備していたのに運悪く負けたりします。

そんなこんなで「赤以外のプレイヤーはこんなマス狙わないだろう」とたかを括っていると、ダイスロールでワンチャン掻っ攫って行くプレイヤーが現れます。そもそもこのゲームのダイスロールは割と簡単に何度も振り直せるので、何回か振ればワンチャン取れますし取られます。

高ランクのデンジャーマスは争奪戦になること必至ですので、せっかく戦闘特化戦術なのだから他の星のプレイヤーの準備が整う前に討伐しておきましょう。ちゃんと討伐できれば億万長者なので、得点は大きく伸ばせるでしょう。

欠点は、輸送以外の方法で稼ぐため宇宙船のステータスが上げづらい点。場合によっては雇用システムを利用した方がよいでしょう。

3-2.緑

緑は建造に特化した星です。

はっきり言えば建造は「わざわざするか???」と思うような地味な行動です。投資と同じようなお金(フロルと言います)を支払うものの、投資は各国家由来のパッシブスキルが得られるのに対し、建造はマップの危険地帯を安全マスに変えたり、1マスおまけで移動できるようになったりといった効果しかありません。

しかし、緑の国家は建造することに対して付加価値が与えられており(プリンセスオーダー条件だったり、国家支援や投資内容が建造前提で強力だったり)、緑の国家で建造にターンを費やすことは戦術として申し分ありません。

裏を返せば、赤にとってのデンジャーマスのように「他プレイヤーに狙われる、邪魔される」ことのない戦術と言えます。

また、緑にとって建造はゴールではなく、「建造したことによって色々な戦術の足掛かりになる」ことがポイントです。国家支援内容にも依りますが、緑は複数国家の戦術を組み合わせて戦うことができます。ということは、「他国に対する投資価値が高い」ということでもあります。

欠点は、建造や投資の元手を得る手段は用意されていないため資金繰りがシビアな点と、輸送以外の工程にターンを割きがちなので宇宙船のステータスが上げにくい点。資金繰りがシビアなため赤のように雇用でカバーすることもできず、エーテルによるステータスの振り直しでやり繰りしていると今度はエーテルが枯渇してしまいます。晩成型の星なので、置いてけぼりにされないように気をつけましょう。

3-3.青

青は輸送に焦点を絞った星です。他色に比べて足回りが強靭で、機動的に立ち回れます。乗客はマップの端にある「本星」でしか荷卸できませんが、青の特色をフル活用することで大量の乗客を「積んでは卸し積んでは卸し」できます。

航行能力の補助が手厚いだけでなく、そもそも宇宙船のステータスを上げやすいので、整ってくると高ランクのデンジャーマスにも顔を出せたり、連続で取引コマンドを行って大量に投資したり……といった拡張性も魅力です。

欠点としては、依頼ボード(輸送対象の公開場所)の機嫌に左右されやすくはあるので、乗客の色が被り続けることを祈りましょう。

3-4.黄

主に投資に注力している星ですが、そもそも投資が「投資先の特色のパッシブスキルを得る」ので、一番柔軟に立ち回ることができる色でもあります。
投資するための元手を確保するため、フロルの扱いに長けた色でもあります。

また、そもそも投資以外にも輸送メインで戦うこともでき、序盤から早いゲームスピードで畳みに行くこともできます。

欠点としては、一部国家支援によってはエーテルという便利システムを蹴ることで強引にフロルや収入を稼ぐため、ダイスロールに弱く、マップの障害を超える力があまりありません。
投資してもあまり嬉しくない投資先しかマップにいない、なんてこともあるかもしれません。

柔軟性は高いものの、玄人向けの星と言えるでしょう。


4.各国家所感

4-1.ウオノメハイツ小惑星群(赤)

姉御。星鯨を討伐してあげよう。

国家支援1:討伐した怪物を荷卸する度に収入+2
国家支援2:取引アクション開始時に2フロル獲得、追加で雇用か寄付を行う権利を得る

総合評価:デンジャー特化で強いが、デンジャーマスの出現次第
ソロプレイ参考点:240点(国家支援1)
対人参考点:344点(国家支援2)

プリンセスオーダー達成のため最低3匹は討伐しなければならないが、達成前提であれば付随して収入が+6される国家支援1が非常に強力。
収入の特性上、早期に多く荷卸しておけばアドバンテージが得られるため、低ランクの怪物からどんどん倒してフロルを稼いで行くのが強い。

デンジャーマスの出が悪いとつまらないが、デンジャー戦術は依頼ボードに依存しづらいとも言えるのでそこは特性として割り切るしかない。

赤は(後述するヤツノセ幕府含め)自国の投資タイルが単純に強力で、他国に投資しても戦術はそこまで拡張しないので投資先は自国だけでよいのだが、投資チップ目的での投資や、支星間を移動力3で渡るための軌道桟橋の建造、宇宙船の強化のための雇用など、意外と取引する場面があるため国家支援2も強い。
取引を2段階以上強化すれば、取引時4フロル+国家支援2で2フロル=計6フロルを獲得できるため、元手なしで雇用を行うことができる。後手番でゲームスタートする場合に、序盤の連続雇用で一気に加速できるのでオススメ。

4-2.ヤツノセ幕府(赤)

温厚なお方でよかった…

国家支援1:ロールの出目を+1
国家支援2:エーテル1で荷物1つを別倉庫に移動して保管できる。

総合評価:かなり強い。ウオノメハイツより通常輸送能力が高く、ロールも強い。
ソロプレイ参考点:250点以上(国家支援1、国家支援2)

ウオノメハイツより「容量」に重点を置いた国家。
また、小物を大量にではなく、大物を討伐することで収入を上げることができ、通常輸送をしながら各地の大物を討伐する戦術が基本となる。

国家支援1は討伐戦だけでなく、航行の際に障害物を避けるロールにも有効なので無難に強い。序盤にLv7ミズチの巣を倒す「ミズチ速攻」を最も行いやすい。

国家支援2は通常輸送と討伐の合わせ技ができるようになる。容量を強化せずとも一度の荷卸までに軽めのデンジャーマスに好きなだけ立ち寄れるようになるので、ターンの無駄を抑えることができる。ただし、計画的に動かないといけないため、玄人向け。

どちらの国家支援も強力であり、Lv9以上のデンジャーマスが出現しないゲームでも高得点が狙える、隙のない国家。

4-3.グランマキア帝国(緑)

イカ娘。二次元では好み。

国家支援1:軌道桟橋を4フロル安く建造でき、これを起点に移動する際1マス多く移動できる。
国家支援2:自分の施設から2マス以内で振るロールの出目+2(重複時最大+3まで)

総合評価:国家支援2がド派手で好き
ソロプレイ参考点:219点(国家支援1)、275点(国家支援2)
対人戦参考点:348点(国家支援2)

グランマキア帝国は投資タイル2「エウリュアレー工場地帯」を獲得すると建造コストが-2されるのが強力で、どちらの国家支援を選んでも最優先で自国に投資すべきだろう。

国家支援1は2星間の軌道桟橋を往復できればそこそこ強いが、依頼ボードによってはそうもいかないことがあるうえ、メインの戦術に据えるには点数が伸びる要素があまりない。
1回目の決算前に26フロル貯めて、エウリュアレー工場地帯に投資したうえで軌道桟橋を2軒建造できれば、序盤から収入を上げつつ輸送戦術を確立できそうだ。

国家支援2は赤の特色であるデンジャー戦術を取り入れることができるため、建造との二刀流で得点が伸びやすい。
出目に+3すればほぼ確実に高ランクの怪物を討伐できるため、デンジャーマスが特定のエリアに固まっていると笑いが止まらない。
もちろん、宇宙に漂う障害物も""弩級重力砲パルテノン""で「無かったこと」にできる。

欠点は、明らかに赤の星と戦術が競合するという点と、建造という予備動作を見てから目当ての怪物を討伐されてしまう恐れがある点。
自分のリソースと位置だけでなく、他プレイヤーの宇宙船のステータスと位置をよく見て何ターン目に仕掛けるか計算しておく必要がある。

4-4.ヘルヘイム鉱山星系同盟(緑)

止まるんじゃねぇぞ

国家支援1:マップのアステロイド(戦力要求障害)、デンジャーマスを無視して通過できる。
国家支援2:航行時、3フロルで自分の施設から自分の施設へワープできる。

総合評価:ソロプレイは無理。対人戦はかなり強いかも……?
ソロプレイ参考点:197点(国家支援2)

ヘルヘイムは緑の建造を起点に、青のような移動力を加えた乗客輸送戦術が持ち味。
投資タイル1「超空間建造工法」により最も安い施設である宙駅を軌道桟橋のように使用できたり、投資タイル2「ストリング星系鉄道」により緑の乗客のみ支星でも荷卸できるようになったりと、自国投資による輸送戦術強化がわかりやすく強力。

国家支援1は戦力0で一貫してゲームプレイできるという利点はあるが、得点に繋がらないため評価低。

国家支援2がヘルヘイムの目玉であり、本星の近くに建造さえしてしまえば乗客をワープ輸送しまくれる。
ただし、現実は4つの本星付近それぞれに建造しているような暇はなく、そもそも2つですら建造するのがやっとである。今いる星から連続建造することは簡単だが、4箇所離れたところに建造するだけで4ターン必要になってしまう。
そのうえ、開通した本星とは関係のない色の乗客ばかりが依頼ボードに残ってしまうと、途端に徒歩で運ばざるを得なくなる。手間をかけた割に依頼ボードに対する依存度が高いため、安定して勝つのは難しいと思う。

オススメは、序盤から立ち寄った支星の裏(本星側)に積極的に建造をしておくこと。対人戦であれば他人が本星手前の調査を済ませてくれていることが多いため、いきなりワープ輸送で爆発することができる。

4-5.超銀河大図書館ソリダスター(青)

デザインにロマンを感じる

国家支援1:物の荷卸時、1フロルで好きなアイコンとみなして置いてよい。
国家支援2:航行時、2フロルにつき1つの未調査マスを通過する権利を得る(移動は自分の移動力で行う)

総合評価:国家支援2が最強。国家支援1も強い。
ソロプレイ参考点:325点(国家支援2)

国家支援1は、荷卸時に内容によって得られる報酬を選べるようになるため、輸送戦術に特化した青には嬉しい効果である。

しかし、そんなのは置いておいて、国家支援2である。一見すると地味というか、序盤はフロルも移動力も少ないため未調査マスを跨ぐメリットも無く、序盤を過ぎれば各プレイヤーが調査済みのマスばかりになっていくことが予想されるため、わざわざこの国家支援を選ぶ意味がわからないかもしれない。

国家支援2の最強たる所以は、「本星間ワープ」である。つまり、先に説明したヘルヘイムが本来やりたかった戦術を、全ての本星間で何の準備もいらずにやってしまうのが""星光解析器プレアデス""である。
だいたい調査済みになるエリアというのはマップ中央の支星エリアであり、マップの最外端にある本星同士を結ぶ直線はほぼ未調査のままである。

序盤に堅実な輸送戦術で、宇宙船のステータスのうち移動力、積込、容量に全振りして最大値にしたならば、あとはプレアデスでワープして乗客を運びまくるだけ。圧倒的な爆発力で実績ボードの全てが埋まり、プレアデスのコストで支払ったフロルの3倍は返ってくる。

実績ボードを埋める=ゲームエンド条件を満たしに行く行為なので、他の国家は一気に得点を稼いだソリダスターに追いつけず、不本意なままゲームエンドを迎えることになる。

4-6.シール上天大公国(青)

ロリババアは万病に効くって話

国家支援1:乗客依頼用の追加の容量1を持つ。
国家支援2:航行時、エーテル1でこの航行中のアクシデントロールは全て成功するようになる。

総合評価:ソロプレイだと微妙。対人戦ではそこそこ強いかも
ソロプレイ参考点:193点(国家支援1)

自国の投資タイルは非常に使い勝手の良い3つが揃っている。宇宙船のステータスを向上させることに長けており、早めに宇宙船を整えて本星間飛行をするのが鉄板戦術。

国家支援1が採用されやすいと思うが、効果はざっくり容量+1。これ自体に爆発力はないが、序盤から安定して乗客を運べる。
中盤以降、ソリダスターと違って本星ワープ確定はできないため、通過するために間にある障害物やデンジャーに対していちいちエーテルを払ったり、未調査マスで止まったりする可能性がある。どうせなら戦力を強化して討伐してもいいかもしれない。

国家支援2で悩みが解決するかと思ったら、結局デンジャーでストップしてしまう。ただし、多人数戦では未調査マスが少なくなるため、特に5人戦では先に紹介したソリダスターの国家支援2「プレアデス」より本星間ワープができる確率は高い。

総じて安定して戦える国家だと思うが、ソロプレイだと未調査マスに阻まれて乗客輸送がロクに出来ないので点数が伸びなかった。

4-7.ディエン・ハー統合領(黄)

人魚って何故かエッチな感じするよね

国家支援1:1ターンに一度、3フロルで物の輸送依頼対象を1つ積込む(積込ルールに則って)。
国家支援2:投資時、エーテル1で収入+1、エーテル2で収入+3。

総合評価:対人戦で強い
ソロプレイ参考点:213点(国家支援1)

自国の投資タイルの内容は1が輸送戦術、2と3が投資となっている。
国家支援1は輸送戦術、国家支援2は投資戦術と明確に分かれている。

国家支援1を選択する場合は、自国の投資タイル1「灰色まだら市場」を最速で獲得し、積込方式を上位の方式にして、毎ターン3〜4つの物資を各支星に運ぶ戦術がオススメ。
序盤から高速かつ安定して実績報酬を獲得できるため、ゲームエンドを早く迎えることになる。実績報酬以外の要素で得点することは苦手なので、所謂アグロ戦法で全てのプレイヤーの収入が高くなる前に強制的に決算を迎えさせて、稼いだ実利で勝利を目指そう。

国家支援2は投資回数が多ければ多いほど収入増加機会が得られる。収入システムの都合、終盤に投資するより序盤中盤に比較的安い投資を行っていき、1回目の決算からジャリジャリ稼いでいくのがポイント。
ただし、序盤から積極的に使用するとエーテルが枯渇するので、宇宙船のステータスの振り直しやマップの強引突破などは極力避けて、無理しない航行を行う必要がある。エーテルの獲得方法はかなり限られているため、時にはエーテル渦に立ち寄ることも必要かもしれない。
各国に投資しつつ稼いだフロルで戦略を拡張し、自由に立ち回ることができるので玄人向けと言える。初期投資は必ず自国の投資タイル2「シメイン投資家クラブ」で今後の投資コストを-2しよう。

4-8.企業国家デル・エルガンデ(黄)

仕事楽しそう。すげぇなぁ。

国家支援1:新しい色の投資タイルを獲得する度、収入+2。
国家支援2:エーテルは強制的に3フロルに変換される。

総合評価:難しいがハマれば……
ソロプレイ参考点:233点(国家支援2)

自国の投資タイルの内容は1と3が輸送戦術、2が投資となっている。

国家支援1は明確に「4ヶ国に早期に投資せよ」という目標となっており、自国の投資タイル2「銀河トレードセンター」の力を借りて離れた国家にも投資できるようにしておくのがポイント。
投資先として最もオススメなのは青で、ソリダスターであればマップの厄介マスを超えられるようになり、シールであれば宇宙船の能力が向上するため、早期に投資しておく価値がある。
ただ、4ヶ国に投資したからといって得点が伸びるかというとそれは確約されてはいない。あくまで投資したあと、プレイヤーがどこまで戦術を拡張できるかに懸かっている。

国家支援2はエーテルという便利システムを蹴ることで強引にフロルを獲得できるのだが、正直ソリダスターが同マップに存在するかどうかが明暗を分けることになる。

というのも、通常はエーテルを使うことでマップ上の障害物を無効化できるのだが、国家支援2ではモロに足止めされてしまうので、ダイスロールで常に二分の一に賭ける必要があり、航行が非常に不安定である。
ソリダスターの投資タイル1「超空間アレーアンテナ」により2フロルでアクシデントロールを成功したとみなせるようになれば、フロル効率で他国と戦えるようになる。

ソリダスターが存在しないマップの場合、次点でヤツノセ幕府の投資タイル2「タノウラ傭兵組合」によりロールを一度振り直せる権利を得た方がよいだろう。
ヤツノセ幕府すらマップに存在しなければ……おとなしく国家支援1にしておくことを強く勧める。

5.ゲーム総評

このゲームの素晴らしい点は、プレイヤーの戦術はプレイヤーの意思で常に決定できるのにも関わらず、繰り返しプレイしても同じようなゲームが発生しない点にもあります。

依頼ボードの内容やマップのマスはランダムで公開されていき、そもそも自国やマップに存在する星もランダムなので、どれだけプレイしても新鮮な気持ちで楽しめます(対人、ソロプレイ問わず)。

もちろん、お気に入りの国家を選択して、マップに登場する星も好きなように決めてプレイするのも楽しいです。僕はパルテノンで宇宙征服したいです。帝国万歳!

ゲームに使用されるボードやアイテムの作りも素晴らしく、輸送対象の物資に関しては商品カタログまで付いてますので是非読み込んでいただければと思います。

難点は行動の自由度が高すぎるのでインストが鬼のように難しく、初回プレイは別の意味で大変。というか初プレイの人のみでこのゲームやったら絶対ルール守れてないと思う……。

あとは収納がいくつか付属されているジップロックに分けてバサっと入れる感じになるので気になる人は気になるかも。チップの形によっては輪ゴムで留めづらくどうしようもなかったりします。

ゲーム性とデザインは神なので、是非遊んでみてください!

六角えんぴつ様の商品ページはこちら




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