エクストリーム・終バス

 アンサイクロペディア(他に元ネタがあるかもしれないが私はこれしか知らない)にあるカテゴリー・エクストリームスポーツ.私はこの記事たちが大好きだ.
本来,エクストリーム・スポーツとは危険を伴うスポーツ(登山とかパルクールのえぐいのとか)を指すらしい.しかし,危険とは今や命を失う可能性だけではない.社会的な死の方が嫌という人も大勢あろう.そんな「そういう危険を冒す競技」があってもいいんじゃないか.そういう思想とはおそらく無関係に,誰かがエロ本隠しにゲーム性を見出したのがあの記事の発端だと思う(オモコロ?).
 そこまで過激ではない(いかなる意味でもおそらく死なない)にせよ,誰しもこの類のスリルを求める遊びをしたことがあるのではないか(ない人はさようなら).私は当然ある.面白かったものを書き残しておこうと思う.

◯田舎の終バスに追い付かれるまでにバス停いくつ分歩けるかレース
諸事情で田舎に定期的に通うことになったことがある.電車で1時間,そこからバスで2〜30分.電車とバスは接続が考えられているが,用事の方はそうはいかない.そして田舎のバスの間隔はとても長い.1時間とかザラにある.しかし何もないバス停でそれだけの時間を待つのもバカバカしいと思って考えた遊び.
文字通り,ひたすらバス通にそって歩くだけである.乗り過ごすと1時間以上夜道を歩くことになるので,割と死である.頃合いを見て歩くのをやめ,バスに乗らなければならない.待った時間の逆数あたりが得点になるんだろう.
これの面白さは「自分が過去得たものを総動員して次のバス停までの距離感を予想し,さらに先に行くか諦めるか判断しなければならない」ところだと思っている.この競技では,大抵バス停の間隔は4〜500mだから一つ6分…とか言ってるやつは確実に死ぬ.市街地ではバス停は重要な施設の前にあるやつ以外は間隔を決めて設置して,近い方を使う,という方法がもめなくていいのかもしれない.しかしそれは道沿い全てが住宅地の場合である.集落の外に田畑か山林しかない場合,バス停を集落の外に設置しても意味がない(当然例外はある.道路の分岐が変なところにあり,乗り換えのためにそこに設置してあるパターン,幹線道路などで線形改良の結果集落の外に「〇〇口」などという形で移設されたパターン,など).これをスマホの地図を使わずに見極め,次のバス停がどこにあるか推理する必要がある.
集落は飛び石状にあるとは限らない.丘陵の端に沿った細長い集落もある.この場合が一番厄介である.一集落に「下〇〇」「上〇〇」があり,この辺りは間隔が短いのだと思って先に行くと次は隣の大字までないとか,地形図(遭難防止のため地理院地図だけは使っていいことにしている)には建物と小地名(地形図で灰色)が書いてあるのでバス停があると思って進んだら全部ビニールハウスとカントリーエレベーターと郊外型の商業施設と倉庫でバス停はなく,その先は2キロ以上ずっと田んぼとか(平塚市豊田本郷の「簀子橋」,お前のことだよ).
小学校前や大きな橋の袂には大体バス停があるが,必ずあるとも限らない.この辺は大きなトラップである.
さらに,「どれがバス道路か」推理する必要もある.バスが地形図上での最短ルートを取るとは限らない.なんとか農業センターとか僻地の老人ホームとかによる場合もある.この場合,そこにバスがよる時間も直進を続ければ時間を稼げる.大きな賭けである.

路線バスのある田舎と地形図があれば一人で簡単にできるチキンレース.おすすめです.

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