村中秀史七段がかわいい

村中秀史(むらなか・しゅうじ)七段は将棋棋士である。

将棋棋士といえば、永世七冠を達成した羽生善治九段や、最年少プロ棋士の藤井聡太七段、タレントとして活躍中である加藤一二三九段らの知名度がダントツだ。失礼を承知で言うが、村中秀史七段は、あまり名が知られている方ではないと思う。タイトルに挑戦したことがあるとか、そういった目立った戦績はない。現在38歳。全体で見れば中堅どころの棋士だ。
私は彼のファンである。

もともと、将棋は好きでも嫌いでもなかった。将棋の記憶といえば、小学生のころにルールを覚えて、軽く遊んだ経験があるくらいのもの。ミーハーの気があるので、藤井聡太七段(当時は四段)が連勝記録を騒がれていたときは、世間の熱気に便乗し、対局中継を覗きに行って応援したりもした。が、将棋自体に興味があったわけではなく、あくまで最年少棋士というスターを見に行っていただけであった。
そんな将棋について何の知識も持っていない私が、なぜ村中七段を好きになったのかといえば、もちろん理由がある。
村中秀史七段はかわいいのである。
村中七段のかわいさについて、どう表現すれば彼を知らない方に伝わるのかわからない。女子は会話で何事にもかわいいとつけずにはおれないと揶揄する話を聞くこともあるが、私は何事にもかわいいと言っているわけではない。私がかわいいと口に出して誉めそやすのは心底かわいいと感じた厳選されたものに限り、そして正真正銘、村中七段は「かわいい」のである。

村中七段との出会い

歴の浅いファンであるため、村中秀史七段のプロフィールについて、私はそれほど詳しくない。知っている範囲のことを書くと、東京都出身。血液型はA型。棋風は居飛車党。昔は少年野球をやっていて、現在も西武ライオンズの大ファンである。
そして村中七段について語る上で欠かせないのが、人狼ゲームの存在だ。

人狼ゲームを知らない方のために、簡単に説明する。
人狼ゲームとは、プレーヤーが人狼チームと村人チームに分かれ、おたがいが自チームの勝利を目指して戦う頭脳ゲームである。
村人チームは、特殊な能力を持った複数の「役職者」と、何の力もない「村人」で構成される。「役職者」の能力で得た情報を参考にしながら、村人チームは人狼が誰であるか、表情や態度、論理でもって推理し、人狼だと思う相手に投票して、毎日ひとりを処刑していく。
人狼チームは嘘をつき、時には「我こそが役職者」と偽って村を混乱させる。村人を巧みにだまして処刑から逃れ、夜になると村人を襲って、毎日ひとりを減らしていく。昼に処刑された者と、夜に人狼に襲撃された者。1日でふたりがゲームから脱落するわけだ。
そうやってゲーム内での日数を重ね、村人と人狼のうち、勝利条件を先に満たしたチームが勝つ。人狼チームの勝利条件は自分たちと同数になるまで村人を減らすこと、村人チームの勝利条件は人狼を全滅させることである。

村中七段は将棋棋士であるが、名うての対面人狼プレーヤーでもある。私が村中七段を最初に知ったのは、「アルティメット人狼」と呼ばれる人狼ゲームの番組がきっかけであった。
もともと人狼ゲームを見るのが好きだった私は、「アルティメット人狼」を視聴し、必然的に出演者の村中七段(当時は六段)を知った。村中七段は人狼ファンの多さからも知れるように、とても強く魅力的な人狼プレイヤーである。どういうところが魅力的かといえば、いかなるときも論理的に考察をたやさないところや、処刑されそうになっても粘り強く周囲に訴えかけ、寸でのところを生き延び次の日につなごうとする意志の強さである。
私は村中七段のプレイが好きだなあと思い、彼の参加する人狼ゲームでは彼を応援するようになった。そうやっていろいろな人狼番組を見ていくうち、「村中先生かわいい」沼にズブズブとハマっていったのであった。

村中七段の魅力

村中七段の魅力とはなにか? 「かわいい」について賛同を得られるかはわからないので、大きく「魅力」という言葉のくくりで、ひとまず私の主観で紹介する。

①声が良い&解説がわかりやすい

村中七段はいわゆるイケボである。地の声が低く、聞き心地がいい。
麒麟の川島さんの声に似ているとか、福山雅治さんの歌が似合いそうとか、視聴者から好きに言われることもある。下記の動画は「イトシンTV」(伊藤真吾五段のYoutubeチャンネル)にゲスト出演したときのものであるが、村中七段の低音ボイスを堪能できる。

さらに、村中七段自身も半年ほどまえにYoutubeチャンネルを開設し、7月末から動画を上げ始めた。村中七段の魅力を知っていただく上で手っ取り早いと思うので紹介する。
「プロ棋士むらチャンネル」である。

「プロ棋士むらチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCvYxLR5BQ7lhZfvqqt4EO1A

雰囲気を明るくすることを心掛けてか、自身の動画では高めの声で喋られている(かわいい)が、内容も素晴らしい。この「将棋ウォーズ実況」のシリーズは、将棋ド素人の私でもびっくりするくらい分かりやすい解説動画となっている。将棋の面白さってこういうことか!というエッセンスがたっぷり詰まっていて、思わず将棋を指してみたくなるほどだ(実際この動画をきっかけに私は将棋アプリをダウンロードして遊ぶようになった)。

②人狼ゲームがうまい

村中七段は視聴者からの人気が高い人狼プレーヤーである。
あくまで個人的な見解であるが、村中七段の人狼ゲームのうまさは、彼の言葉の強さであると思う。他者に対して尊重の態度をとるが、押すときは押す静かな圧があり、発する論理の軸が明快である。言葉選びもいい。おまけにいい声なので説得力がある。

無料で視聴できる村中七段出演の人狼ゲーム動画である。興味のある方は一度見てみてほしい。

③真面目で親しみやすい人柄

村中七段は誠実な人である。
常に真剣に、フェアプレイを重んじてゲームをする。その並々ならぬ真剣さが、時に感情的に思われたり、怖く思われたりすることもあった。しかしそうした感情的な姿を見せてしまったとき、その後の村中七段の反省は海のように深い。人狼ゲーム中では、至らないプレイをしたと思えば即座に反省し、その様子があまりに悄然としているので、共演者から突っ込まれることもあったほどだ。村中七段は不器用なほど真面目なのである。

自らの失敗を深く受け止め、ゲームの勝敗の責任を他者に擦り付けることは決してしない。よくないところは修正しようと努力し、素晴らしいプレイをした人のことは丁寧に褒めたたえる。Youtubeの将棋ウォーズ実況動画でも、対戦相手が良い手を指せばすかさず賞賛する。番組出演時は、視聴者への感謝の言葉を欠かさない。自省が強く、他者への敬意を忘れない村中七段の姿勢は、将棋・人狼ゲームに限らず学ぶべき点が多い。

かといって、村中七段がシャレの通じない堅物というわけでは全くない。むしろお茶目な部分がたくさんある。他者から望まれたときはサービス精神を発揮し、(例え気が進まなくても!)照れながら無茶ぶりに乗ってくれるノリの良さがある。そういった不器用なほどの真面目さと、おどけたときのお茶目なふるまいのギャップがとても魅力的なのだ。

村中七段がかわいい

長々と語ったが、村中七段の一番の魅力は笑顔であると思う。笑顔がとにかくかわいい。村中七段のニコニコ顔には真面目にセラピー効果があると思っています(ファン目線)。

お分かりいただけただろうか。
いやわからない、という方は村中七段の出ている動画を何でもいいから見てほしい。いずれ突き当たる感情、「かわいい」を保障します。


最後に。

人狼畑から入ったため人狼ゲームでの話が多くなったが、2019年の村中七段は本業においても非常に好成績であった。また、YouTubeに将棋界の布教となるような動画を多数あげられており、私はそれをきっかけに将棋を好きになった。本業を頑張りながら、将棋の普及にも貢献されている村中七段の今後のさらなる活躍を心より祈念し、この紹介記事を締めようと思う。
2020年も村中秀史七段を絶賛応援しています。

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