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不定期開催 | 季節外れ写真展「春の妖精・カタクリ」

突然スタートしました、過去に撮った花鳥風月の写真を、全く需要もない季節外れの時期に皆様に半強制的にお見せする「季節外れ写真展」。

記念すべき初回は、彼岸も過ぎた秋も深まるこの時期に、春の訪れを告げる花・カタクリの写真をお届けします。

2020年3月末に某県某所で撮影したものですが、撮影場所を明かせないのは、これを撮影したのが、ある方の「秘密の花園」だから。

妖怪カタクリおじさん


この撮影日をさらに遡ること一年前の2019年3月のある日、僕は登山中に、見知らぬ初老のダンディな男性から「この近くに、自分以外知らないカタクリの群生地があるから教えてあげる」との申し出を受けるという、客観的に聞くと、そういう妖怪に出会ったとしか思えない出来事に遭遇しました。

このカタクリおじさんは自作と思しき鉄製のトレッキングポールで草木を掻き分けて道無き道に分け入り「これ(ポール)はクマと戦うためのものでね」というハイカージョークを口にしたあと、ポールの先で、ある一点を指し示しました。

おじさんの秘密の花園


そこはまさに、言うならば「カタクリおじさんの秘密の花園」。眼前には、ここまで生えるともはや雑草だと感じる程のカタクリが群生していました。

その驚きを告げる間もなく「じゃあ、自分はあっちの谷から降りるから」と野性味あふれるコメントを残して、カタクリおじさんは去って行きました。ポールを振り回しながら…。

それから一年後…


あれから一年経ったこの日、もしかしたらまたカタクリおじさんに会えるのではと、記憶を辿って同じ場所に行き、撮ってきたのが今回の写真です。

カタクリおじさんには会えませんでしたが、一年前のあの日と変わらず、芝生みたいにカタクリが群生していました。

もしかしたらあれは、春になると咲き誇るのを誰かに見てほしくなったカタクリが人の姿となり、僕を誘ったのかもしれません…。


お詫び:最後の段落で、話を綺麗にまとめようと欲を出した結果大失敗したことを心よりお詫び申し上げます。

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