逆噴射祭りの再襲撃

 800文字。原稿用紙2枚分。文庫本にしておよそ1ページ。改行を多用したならば2ページほど。ツイッターで5~6ツイート。

 物語のセットアップ――主要人物、世界観、目的、謎、事件の提示――に割かれる分量が全体の10~20%であれば、800文字は、20~40枚の掌編、ないし短編の冒頭部だと考えるとちょうど良いのかもしれない。

 長編の冒頭800文字となれば、ほとんどエピグラフや描写で終わってしまう。短編と長編では、情報密度、構成、文体、情報密度が異なる。しかしエンターテイメント、しかもパルプとなれば、長編でも短編のような書き出しの作り方が向いているのかもしれない。

 何にせよ、冒頭800文字の祭りである。

 昨年はついつい400文字で完結するような書き方になってしまった。始め、ひねり、落とす、この3つが欠けることなく揃ったテクストの方が面白く、読ませやすい。つまり書きやすい。

 イン・インシデント。出来事から入る動的なスタートを切り、良いところで切る――続きはCMのあとで――という手法も使いやすい。

 あるいは、800文字なら800文字と割り切って、文体と雰囲気に極振りする方法もある。だが、(今回のコンテストに限って)これは王道ではないかもしれない。模範は、ブレードランナーの「2つで十分ですよ」の少し後あたりまで、かもしれない。

 文学において、ルサンチマンは主たる題材となりうる。私小説の系譜においては特に重要だ。しかしパルプはそうではないのだろう。モンスタークレーマーをJKやアフリカ系アメリカ人が黙らせる、そういったカタルシスの文脈はたまにTwitterでバズっているが、それはまた別の話だ。

 応募は5本まで。これには悩む。数撃ちゃ当たるという訳ではないが、数をこなすと上澄みがよりクリアになる傾向は認められる。母数が大きくなれば面白いものがより現れやすいだろう。折角の祭りである、様々な人が書いた様々な胡乱テキストをオーバードーズしたいものだ。

 応募は5本まで。これには悩む。数撃ちゃ当たるという訳ではないが、数をこなすと上澄みがよりクリアになる傾向は認められる。母数が大きくなれば面白いものがより現れやすいだろう。折角の祭りである、様々な人が書いた様々な胡乱テキストをオーバードーズしたいものだ。

 プラクティスの意味も含めると、開催期間中に可能な限り本数を書き、最終日に5本に絞るという方法は不可。

(※コメント欄にてご指摘いただきました。ダイハードテイルズ広報局@dhtls よりツイッター上でアナウンスがあった通り、公開してから応募作を選ぶことや、後からタグを編集して応募することはレギュレーション違反になるため、「未公開作品にタグをつけて応募」の一発勝負×5本、という形での応募になるようです)

 だがその場合、タグ付けはどうすれば良いだろうか。候補にもタグがついていれば、読み手としては検索しやすいが、審査する側は大変だろう。一方で、候補に適切なタグがなければ、検索に手間が生じ、毎日更新されたあの熱狂は部分的に失われるのかもしれない。

(※こちらもコメント欄にてご指摘いただきました。#逆噴射レギュレーション をつけての投稿が多いとのこと。また、検索してみると昨年に引き続いて #逆噴射プラクティス での習作公開も多いようです)

 ところで、〈惑星と口笛ブックス〉が現在進行系(2019.10.14現在)で行っているブンゲイファイトクラブが面白い。プロも混じっての殴り合いで、切れ味が恐ろしい。

 寒くなってきたのでコタツを出した。最近引き取ったネコチャン兄弟がコタツの中で伸びている。Oh, so long......

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2019.10.05 記事修正


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