まるせんコロナ川柳

川柳投稿まるせんの運営です。

2020年に入ってすぐ、武漢で新型コロナウイルスの感染が広がっていることが報じられるようになってから現在にいたるまで、たくさんの新型コロナウイルスに関する川柳が投稿されています。

中でも面白い川柳、時事性があったりその時々の雰囲気を表現しているものについてピックアップし、ジャンルごとにまとめてみました。

普段川柳を紹介する際には、投稿日を掲載することはありませんが、今回はあえて記載してみました。投稿されたころを振り返りつつ楽しんでみてください。

下記に紹介する川柳の中から気に入った句がありましたら、該当の川柳をコメント欄に書き込むか、ツイッターなどでつぶやいてください。みなさんに人気のある川柳トップ10などを後日発表したいと思います。

ハッシュタグ、 #まるせんコロナ川柳 などを使っていただきましたら集計対象とします。

コメント、ツイート頂いたかたより抽選で3名様にアマゾンギフト券500円、またはgifteeよりお好きなギフト500円分をプレゼント致します。
※リンクを送信するタイプです。
※〆切　2020/6/30（火）

マスク

当初は単に外国のニュースとして受け止められていたように思います。日本国内の自治体が、中国にマスクを支援するという美談が報じられたりもしました。

ところが程なくして、最初に新型コロナウイルスの影響を実感することなるのは、皮肉にもそのマスク不足です。1月の末頃からマスクが無いことを詠んだ川柳が投稿されはじめました。

1） 2020年1月30日　花粉飛ぶ季節になったがマスクない／木蓮さん
2） 2020年2月4日　マスク無く ゴミ出し前のメイキャップ／Heroさん
3） 2020年2月10日　使い捨てマスク干されてるベランダ／うさぎの小雪さん
4） 2020年2月12日　薬局でマスク入荷を張り込み中／炊き込みご飯さん
5） 2020年3月2日　品薄のマスクでヘビーローテション／炊き込みご飯さん
6） 2020年3月8日　マスク取り汚さぬ様にするクシャミ／Heroさん
7） 2020年3月18日　品薄で口裂け女も自宅待機／和希さん

今回の新型コロナウイルスで最も多く寄せられたテーマが、このマスク騒動。誰もが必要で、同じ問題を抱えているという共通認識も、詠みやすさのベースにあるでしょう。

今や街なかでは、マスクをしていない人のほうが珍しいほど。他にも、マスクについては、実に様々な角度の川柳が寄せられました。

8） 2020年2月1日 マスクしてマスク買う列並ぶ朝／打々っ鼓さん
9） 2020年2月29日 ウイルスがドレスコードにしたマスク／ うぐいすの止まり木さん
10） 2020年3月1日 女の勘からも防いでいるマスク／うぐいすの止まり木さん
11） 2020年3月7日 手作りの マスクパンツの ゴム代用／うさぎの小雪さん
12） 2020年3月16日 マスクでは封鎖できない妻の口／すっぽんさん
13） 2020年3月17日 口紅が　ぜんぜん減らない　マスク顔／パンダミックさん
14） 2020年3月19日 眼力の会話飛び交うマスクマン／竃 耕二さん
15） 2020年3月21日 ほめてるの？ほめていないの？マスク美人／teraryuさん
16） 2020年3月29日 誰が誰？卒業写真 皆マスク／Heroさん
17） 2020年4月1日 春めいて柄のマスクの花開く／十字野郎さん
18） 2020年4月3日 マスク顔デフォルトにした化粧法／みちなりさん

症状

新型コロナウイルスの報道が加熱しはじめたのは、ちょうど花粉症の時期でした。

街なかで咳をしたときの、いつもと違う視線、ちょっとした居心地の悪さを感じた人も少なくないのではないでしょうか。

1） 2020年2月5日 咳き込んで一人になった繁華街／詩(へにー)さん
2） 2020年2月8日 電車内 咳しただけで 睨まれる・・・／シャリベン太郎さん
3） 2020年2月16日 咳すれば 冷たい視線 降り注ぎ ／半か者さん

野球選手の感染が報じられ、味覚や嗅覚に異変が生じることも知られました。

4） 2020年4月19日 味しない 嫁の手料理 正常だ ／カンガルー西川さん
5） 2020年4月25日 手料理もいまは味さえすればよし／ かえるやぎさん

感染対策

感染予防に有効なのは、とにかくウイルスに触れない、体に入れないこと。手洗い、うがい、手指消毒の励行が推奨されました。

1） 2020年3月4日 日本酒で体内消毒できるよね ／くさたまさん
2） 2020年3月8日 ほっぺたを消毒、受ける孫のチュー／ teraryuさん
3） 2020年3月9日 玄関で消毒をして寝る汚部屋／ みちなりさん
4） 2020年3月20日 二の腕を　除菌してから　腕枕 ／元姫路市民さん
5） 2020年4月1日 ウイルスにファーストキスを遅らされ ／うぐいすの止まり木さん
6） 2020年4月4日 ウイルスに爪を噛む癖直される ／うぐいすの止まり木さん
7） 2020年4月17日 「おかえり」の　かわりに噴射　アルコール ／和希さん
8） 2020年4月25日 手を拭いて 拭いきれない不安感 ／優っぴーののんびりさん

まだきちんとした情報が少ない時期から、皆さんそれぞれの感染対策を模索していました。

9） 2020年2月10日 つり革にサランラップを巻く予防 ／黄色い潜水艦さん
10） 2020年2月10日 仕事辞め 家に籠るぜ コロナ菌 ／半か者さん
11） 2020年2月27日 要消毒注文多い料理店 ／黄色い潜水艦さん
12） 2020年3月22日 顔を見て　くしゃみを予測　背を向ける ／一徳さん

イベント

3月になると、市中での感染報告も徐々に増え、少しずつ社会生活への影響も出始めます。人の集まる催し物やイベントは自粛されるようになり、アーティストのコンサートも軒並み中止になってしまいました。

春の選抜も中止、オリンピックも延期。この頃、何かとんでもないことが起こりつつあることを、突きつけられるような日々でした。

1） 2020年3月12日 栄冠は みんなに輝く 中止でも ／にょぺやまさん
2） 2020年3月13日 送別会ないのはコロナのせいだよね ／炊き込みご飯さん
3） 2020年3月21日 路上ライブ俺はいつでも無観客 ／イグさん
4） 2020年3月22日 大相撲 咳だけ響くコロナ場所 ／Heroさん
5） 2020年4月10日 バーチャルの座布団投げる無観客／ teraryuさん
6） 2020年5月17日 夏場所も　コロナの押しを　うっちゃれず／ 蛙文下さん

著名人、芸能人の感染はとりわけ注目を集めました。そして、訃報も。

7） 2020年3月25日 姿見せ大丈夫だあ言ってくれ ／十字野郎さん
8） 2020年3月30日 バカ殿の どうせいつもの 死亡説 ／Kuroさん

自粛

自粛ムードは、徐々に個人の生活にも及んでいきました。本来なら慌ただしく、にぎやかな時期であるはずの年度末が、実に味気ないものに。

1） 2020年3月2日 無観客 俺のライブは いつもそう ／にょぺやまさん
2） 2020年3月22日 三連休スマホの外へ出かけない ／ブレンドモナカさん
3） 2020年4月23日 そしてネモフィラの見頃が過ぎてゆく／ みちなりさん
4） 2020年4月25日 振られても旅に出ないで 家にいろ ／Heroさん

そして4月7日、ついに緊急事態宣言が出されることになります。

5） 2020年3月25日 籠城でコロナ防ぐが迫るボケ ／打々っ鼓さん
6） 2020年4月7日 家にいろ　十年前から　先取りし／ 一徳さん
7） 2020年4月7日 ポチ、ハウス！　人もできるか？　家にいろ／ 優っぴーののんびりさん
8） 2020年4月11日 宅配の業者よろこぶ　家にいろ ／KYABAKURABAKUFUさん
9） 2020年4月12日 家にいろ　予行演習　定年後 ／一徳さん
10） 2020年4月30日 巣ごもりにメリハリつけるゴミ出し日 ／みちなりさん

テレワーク

都内への通勤電車は三密の最たるもの。
どれだけ働き方改革が叫ばれていても、なかなか普及することのなかったテレワークが、一気に広まりを見せました。

1） 2020年3月5日 先ず部屋の掃除をしてからテレワーク ／打々っ鼓さん
2） 2020年3月12日 春眠を味わい尽くすテレワーク ／みーのーるさん
3） 2020年3月31日 仕事用　マウスにタマじゃれ　捗らず ／和希さん
4） 2020年4月12日 パソコンにお辞儀しているテレワーク ／打々っ鼓さん
5） 2020年4月14日 テレワーク　映った嫁の　品定め ／ごまめさん
6） 2020年4月14日 映像の授業に飛んで来ぬチョーク ／うぐいすの止まり木さん
7） 2020年4月17日 家にいろ　テレワークでも窓のそば ／まここしゃんさん
8） 2020年4月29日 不意打ちのビデオ通話は寝起き顔 ／凛さん
9） 2020年4月29日 ウーロン茶に見える水割りテレワーク ／歌川子規さん

通勤がなくなった人たちの運動不足も問題になりました。

10） 2020年4月12日 目的が散歩だなんて久しぶり／ みちなりさん
11） 2020年4月15日 人を避け季節と出会う散歩道 ／凛さん
12） 2020年4月19日 自粛前よりも運動する自粛 ／うぐいすの止まり木さん

不景気

外出が制限され、企業やお店に自粛要請がなされると、街からはみるみる人が減りました。

当然ながら、経済にも甚大な影響が及んでくるでしょう。

1） 2020年4月21日 時短して臨時休業して廃業 ／まここしゃんさん
2） 2020年4月22日 アハハよりトホホが響く飲食街／ かわでささん
3） 2020年4月26日 ロックダウン　職なく食えず　ノックダウン ／七草がゆさん
4） 2020年4月30日 泥棒も給付が欲しいステイホーム ／打々っ鼓さん
5） 2020年4月30日 歓楽街春風だけが通り抜け ／teraryuさん
6） 2020年5月18日 レナウンが　繊維喪失　倒産し ／七草がゆさん
7） 2020年5月19日 昨年の今頃無休いま無給／ トラコさん

政治

マスク不足の解消を狙ったアベノマスク、経済支援の遅れなど、効果的な対策を打ち出せない安倍政権に、国民の不満も徐々に高まっていきました。

1） 2020年4月3日 国民を アベノマスクで 口塞ぐ ! ／シャリベン太郎さん
2） 2020年4月6日 政府から お金出す出す 詐欺に遭う ! ／シャリベン太郎さん
3） 2020年4月12日 要請と言っている間に陽性に ／山下りさん
4） 2020年4月16日 各知事の手腕見届けランキング ／みーのーるさん
5） 2020年4月17日 塞いでも 漏れる溜め息 布マスク ／men益つけ男さん
6） 2020年4月28日 妻よりも目立ちたかった　源コラボ ／KYABAKURABAKUFUさん
7） 2020年5月24日 政治家にコロナが付けた通信簿 ／石舟さん

それでも、国民一人につき10万円を支給するという特別定額給付金には期待が集まりましたが、申請方法や給付の遅れなど、ここでも問題が発生。

8） 2020年4月17日 給付金　死亡届を　ちと延期 ／一徳さん
9） 2020年5月1日 神よりも十万円にすがる今 ／羽華さん
10） 2020年5月12日 １０万円　住所無くなる前にくれ ／七草がゆさん
11） 2020年5月21日 給付金入金前に使い切り ／イグさん
12） 2020年5月24日 給付金 なんなら取りに行きましょか？ ／Heroさん
13） 2020年5月24日 入ったら　直ぐに出て行く　給付金 ／のーさんさん
14） 2020年5月26日 給付金　役所に返金　自動車税 ／七草がゆさん
15） 2020年6月1日 通帳に立ち寄るだけの給付金 ／Heroさん

三密

感染拡大防止のキーワードとして政府が打ち出したのが三密。密閉、密集、密接を避けて生活しましょう、というものです。

1） 2020年5月8日 年寄りは　距離を空けたら　聞こえない／ 蛙文下さん
2） 2020年5月15日 ウォーリーが目立つソーシャルディスタンス ／うぐいすの止まり木さん

まるせんでも、密をテーマにした川柳コンテストを開催しました。

3） 2020年5月2日 入り口の消毒液が混むスーパー ／打々っ鼓さん
4） 2020年5月9日 収入が疎になり密になるモヤシ ／かえるやぎさん
5） 2020年5月17日 ストレスが詰め放題の「鬱」の文字／ teraryuさん
6） 2020年5月23日 頭頂部　密になるよう　横アップ ／とろびんちょうさん

緊急事態宣言解除

4月7日に発令された緊急事態宣言は1ヶ月以上も続きましたが、皆の努力によって徐々に感染者数が落ち着きを見せます。

5月14日から段階的に解除されはじめ、5月25日、ついに全面解除となりました。

1） 2020年5月23日 自粛空けもう懐かしい通勤路／ 羽華さん
2） 2020年5月23日 自粛とけセルフカットが街に出る ／みちなりさん
3） 2020年5月28日 自粛明け空前絶後の体脂肪 ／凛さん
4） 2020年6月4日 自粛明け　も抜けの殻の元職場／ 炊き込みご飯さん

おまけ

今なお私たちの生活に影響を与え続けている新型コロナウイルスですが、川柳のテーマとして実に様々なお題を提供してくれました。

不況、自粛、政治への不信、もちろん病気そのもの。
悪い影響ばかり考えれば暗くなってしまいそうですが、そんな負の側面さえも自虐や捻りでユーモアに変えてくれるのが川柳のいいところ。

1） 2020年4月5日 「距離おこう」コロナのせいじゃないらしい／ teraryuさん
2） 2020年4月14日 連休より連休明けが待ち遠し／ KYABAKURABAKUFUさん
3） 2020年4月14日 ２m以上離れるのはなぜだ？ ／teraryuさん
4） 2020年4月15日 心にはすでにソーシャルディスタンス／ 羽華さん
5） 2020年4月15日 距離保つ　少しさみしい　新マナー ／つきの海月さん
6） 2020年4月16日 (再)の字に 埋め尽くされる テレビ欄 ／こうらくさん
7） 2020年4月19日 今ならばコロナ離婚で済まされる ／みちなりさん
8） 2020年4月22日 薬局の棚を見に来たわけじゃない ／みちなりさん
9） 2020年4月23日 検温が宝くじよりドキドキし ／羽華さん

コロナの影響かどうかによらず、なにか鬱々としてしまったようなとき、試しに五七五の言葉遊びをしてみてはいかがでしょうか。