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ディジタル書斎12 ITツール

知的生産技術のITツール

知的腕力を鍛えるといいうことは「脳を鍛える」ことです。情報の収集、その分析、そして得られた知識の編集ということが脳を鍛える行動です。たくさんの本を読んでいてもそれだけで終わると、知識を、物事の判断や行動に応用出来ません。人にそれを話し、文章に書くと応用力のある知識になります。
情報の収集能力の強化には書籍、文書、講演、人の話、映像、旅など多様な情報源から積極的に継続的に収集する習慣をつける必要があります。そしてその情報の分析には俯瞰的な知識の集積が必要になります。積極的に情報を知識に変える手法も習得する必要があります。文章としてまとめるという作業はこの情報の収集、分析を踏まえた編集作業です。これによって知的腕力は鍛えられます。先進的な手法を身に付ければさらに高い水準の分析が可能になります。
意外と使われていないのが文章を効率的に書く音声認識の利用です。この原稿も音声認識で入力しています。手書きの二倍から三倍の速度で入力できます。無料のソフトウェアで十分です。今話題のスマートスピーカーもこの技術の応用です。
文章の重要語を抽出し、その出現頻度、単語間の関係性を分析してくれる無料のサイトもあります。テキストデータを入力すれば分析してくれます。 2つの文章の比較もできます。
このサイトは文章の要約もしてくれます。ちなみに11月18日付の日経新聞に掲載された約1700字の「小粒になった日本企業 『寿命』突出の89年 成長鈍く」の記事を要約させると重要なセンテンスをマークすると同時に、
「三行ダイジェスト」では“企業再編などによる「新陳代謝」が鈍く、成長力の差を生んでいるとの指摘が多い。”と要約され 、
「五行ダイジェスト」では“企業再編などによる「新陳代謝」が鈍く、成長力の差を生んでいるとの指摘が多い。多くの専門家が指摘するのが「企業の新陳代謝が国際的にみて鈍い」という問題だ。成長志向の弱さという問題は以前より悪化している可能性がある。 東証一部に上場してさえいれば一定の買いが入る。業績低迷を放置していても株安による市場からの圧力を受けにくくなった。”となかなかの出来栄えです。これは人工知能を使ったツールです。
他人の文章もさることながら自分の原稿を分析すると文章の校正や推敲に役立ちそうです。この原稿の校正前と校正後の2つの文書の比較をしてみましたがこれも見事に差分が出ました。こうした新しいツールを、好奇心を持って試してみる、これも重要な知的腕力の鍛え方です。
https://textmining1.userlocal.jp/
極めれば人工知能の利用です。人工知能は、情報を知識に変えさらに判断に変えるツールであると考えていいでしょう。ディープラーニングという技術で大量の情報を学習することによって高度の分析と編集が可能になります。といっても一般人が簡単に使えませんが無料のツールとして公開されているものもあります。
私は研究としてはかなり前から人工知能の教師無し学習の一種であるクラスタリングを活用してきました。特定の学術分野でも年間何千本もの論文が発表されます。読み切れませんのでこれをネットワーク分析によって構造化して研究の発展を俯瞰的に認識することをしていました。現在でもこの手法を使って社内に蓄積された大量の技術文書を分析し、類似文書に分類して、組織の知識を有効に活用するシステムを作っています。
人工知能の知識がなくても人工知能の利用ができるサイトがいくつか公開されていますので知的野心がある方はこれに挑戦してみるのも良いかもしれません。https://ferret-plus.com/7193

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