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俯瞰メールⅡ008号

俯瞰メール第2世代008号をお届けします。

混沌の中で先が見えないコロナ後の世界、今それを認識するために「コロナ後の世界」、「Gゼロの地経学」、「コロナ後の経済」、「コロナ後の日本」を俯瞰の視座としています。そして、俯瞰サロンのご案内、俯瞰の書棚、俯瞰人の料理、私感・雑感という記事構成です。
pdf版は俯瞰工学研究所のwebサイト「俯瞰MAIL第2世代」に掲載します。https://www.fukan.jp/ 
記事のURLを参考資料として読んでいただくと俯瞰的な認識が深くなります。 またご意見、ご感想を頂けると励みになります。読者の投稿も歓迎です。約6000人に配信しています。熱心に読んで頂いている方もかなりいらっしゃいます。
    5月16日 俯瞰人 松島克守
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◆時候のご挨拶◆
梅雨の入りです。各地とも記録的な早さとか。コロナ禍の今、豪雨と洪水は勘弁してして欲しいですが、何れも人災の面が強いので、天に文句は言えません。自宅療養中や入院患者に被害がでないよう、関係者には今のうちにプランBの用意をお願いしたい。町議会、市議会の議場を避難所にすれば空調完備の避難所になりますが。
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◆目次◆
1:コロナ後の世界
コロナ対策の実績で強固になったバイデン政権;コロナの終息はまだ先だが、緩やかに正常化するかヨーロッパ;コロナでドイツとフランスの次期政権が大変化するか;
2:Gゼロの地経学
欧米と中国・ロシアの対立構造になってきたが;ミャンマーを持てあますASEANと国際社会;石油パイプラインをハッキングされた米国がどう報復するか
3:コロナ後の経済
力強く回復する世界経済だが;コロナ後の資源争奪は食糧か
4:コロナ後の日本
憲法改正論議を押した中国の脅威
5:オンライン 俯瞰サロンのご案内 (5/26,18:30~)
前内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター 副センター長の三角育生さんに聞く
「With/Post新型コロナ時代におけるサイバーセキュリティ」
https://fukansalon84.peatix.com/view
6:noteにマガジンをアップしました
7:俯瞰の書斎
クラウドの使い分け;電子辞書
8:俯瞰人の料理あれこれ 
俯瞰の一汁三菜
9:私感・雑感
オリンピックをめぐる駆け引き

◆1.コロナ後の世界◆
<コロナ対策の実績で強固になったバイデン政権>
バイデン政権はコロナ対策で結果を出しました。アメリカのバイデン大統領は、政権発足から100日で達成を目指すとしていた、新型コロナウイルスワクチンの2億回分の接種を、前倒しで達成できる見通しだと発表しました。アメリカでは接種が急速に進んでいて、CDC疾病対策センターによりますと4月21日の時点で、少なくとも1回の接種を受けた人の割合は65歳以上で80.6%、18歳以上でも51.5%となっています。ワクチン接種後に対して、人はもうマスクは必要ない、ソーシャルディスタンスもいらないと高らかに勝利宣言をしました。まだワクチン接種に反対もしくは躊躇っている人もいますが、各州政府もあれやこれやとワクチン接種の普及を急いでいます。なかには100万ドルの賞金を出すというところもあります。ともかく集団免疫の確保で社会を正常化させ、経済を正常化させると言う戦略は党派を超えて受け入れられたのでしょう。トランプ前大統領も離任直前にしっかりとワクチン接種を済ませています。

大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテック、米バイオ企業モデルナが開発に成功し、そのワクチンの製造拠点は主に米国内にあったという幸運もあります。トランプ大統領も12月8日には米国民の接種を優先する大統領令に署名しています。

この幸運に乗ってバイデン大統領は、7月4日の独立記念日までに、国内成人の7割に最低1回の新型コロナウイルスワクチン接種を行うという目標を掲げています。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、バイデン大統領の目標が達成あるいは超過達成できれば、コロナ感染が再び急拡大する可能性は低くなると肯定的です。依然感染者の数は多いのですが、グラフを見れば抑え込んだといっていいでしょう。アメリカ経済はすでにコロナ後のV字回復へと一直線です。

トランプ支持者も大半はワクチン接種を受けているのでしょうが、政治的な分断は深刻で、いまだ共和党内部ではトランプ前大統領が影響力を維持しているようで、反トランプの大物議員は追放です。ここにきて、共和党と米国政治のリスクが見えています。今後のバイデン政権の政策も分断の中で揉まれます。

<コロナの終息はまだ先だが、緩やかに正常化するかヨーロッパ>
ヨーロッパは依然としてコロナ感染が深刻ですが、イギリスをはじめとしてワクチン接種が進み、緩やかに社会と経済の正常化が進んでいるようです。特にヨーロッパ人が大切にしている夏の休暇が見えてきていますから、ワクチン接種をしてバカンスに行きたいという強い国民の気持ちのいら立ちが、思うように進まないワクチン接種現状に対してぶつけられて、各国の政権に厳しい状況をもたらしています。

かつては高い国民の支持を得ていたドイツメルケル首相も、ワクチン接種が進まない不満から最近急速に支持率を落としています。ドイツの製薬会社が開発したワクチンが、なぜドイツ国内にもっと供給されないのかという素朴な不満も強いようです。

EUはこのような各国の国民からの突き上げに対し輸出制限をかけようとしていますが、日本には今のところ輸出を規制することがないようです。もしかしたら供給量に利いているのかもしれませんが。

コロナは緩やかではあってもワクチン接種で収束に向かい、経済は回復に向かうという予測で、EUは今年の経済成長率を全体で4.3%、フランスが5.7%、イタリアが4.2%、ドイツが3.4%などと見込んでいます。

ジョンソン首相のコロナ感染など色々ありましたが、イギリスは昨年の12月8日にワクチン接種をいち早く始めた結果が、経済回復の実態として出てきています。求人需要指数が23年ぶりの高水準と伝えられています。落ち込みが大きかった分、この手の数字は大きく出るかもしれませんが、この結果を見ると、さすがアングロサクソンとなぜか感心してしまいました。

イギリスがワクチン接種を始めた頃の日本は、11月末までにGOTO イートに4000億円以上政府が支援し、のべ6800万人以上が利用した、GOTOトラベルは12月28日から1月11日まで停止、というコロナ対策です。日本とイギリスの格差?に唖然とするでしょう。ワクチン接種の国と、お金をあげるから食事に、旅行に行ってくださいという国の知的格差はどう理解すべきでしょうか。

<コロナでドイツとフランスの次期政権が大変化するか>
コロナ危機はヨーロッパの政治にも大きな影響を与えつつあります。ドイツ国内では、メルケル政権がEUの欧州委員会にワクチン調達を任せた結果、十分な供給が得られない結果を招いたことへの批判の声が広がっています。米製薬大手ファイザーと共にワクチンを開発したビオンテックがドイツの企業だけに、ドイツへの供給が滞る現状への市民の不満は根強く、与党の支持率が急落し、支持率調査で緑の党は、メルケル大連立政権の保革中道与党を抑えて首位を走っているとのことです。緑の党も、政権を意識してか政策も現実路線に転換しています。仮に緑の党がドイツ社会民主党(SPD)と連立政権で政権を奪取すれば、ドイツの政治そしてEUの政治は大きな転換をすることになります。

フランスでも極右政党のイメージが強かった国民連合(RN)ですが、党首のマリーヌ・ルペン氏の支持率がマクロン大統領に迫る状況だとされています。かつての党首だった父親を除名して、国民が納得できる言動に変貌しつつあるといわれています。ルペン氏はマスクの義務化を求め、マクロン政権の新型コロナへの見通しの甘さ、対策の遅さを攻撃しているようです。EU自体が、コロナ禍で各国の主権を埋没させた現在のグローバリズム的EUではなく、国境検査の強化や閉鎖が行われるなど、各国の主権が重視されるようになり、かつての国民連合(RN)の主張が実現しつつあるという状況も、マリーヌ・ルペン氏には追い風のようです。仮にも、マリーヌ・ルペン氏がマクロンに代わって大統領になるようであれば、フランスの政治も一変します。結果としてEUの求心力は弱まり、国際的な存在感も弱まり、延いては欧米と中国・ロシアと対立構造という、世界の地政学的なバランスも動きます。グローバリズムも後退します。それでもEUの対中国政策では、さらに中国に厳しい対応になると思いますが、予断は許しません。

世界の感染状況
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/?utm_int=detail_contents_news-link_001 
“7月4日までに大人70%が接種” バイデン大統領が新目標発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210505/k10013013061000.html 
米CDC、接種完了者は「マスク不要」の新指針 「素晴らしい日」とバイデン氏
https://www.bbc.com/japanese/57097005 
米国における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ
https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/united-states/ 
米国の新型コロナ感染拡大、峠を越しつつある=コロナ対策調整官
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-idJPKBN2CQ0JS 
「画期的」ワクチン発表のファイザーが、トランプ資金を受け取らなかった理由
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/post-94964.php 
米共和党、トランプ氏批判のチェイニー議員を下院ナンバー3から解任 
https://www.bbc.com/japanese/57096464 
EU ワクチン接種進み ユーロ圏の経済成長率予測を上方修正
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210513/k10013027811000.html 
イギリスで新型コロナウイルスのワクチン接種開始 米ファイザー製
https://www.bbc.com/japanese/55226431 
英国の求人需要指数、約23年ぶりの高水準 ロックダウン緩和で
https://www.nippon.com/ja/news/reu20210507KBN2CO036/?cx_recs_click=true 
英国における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ
https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/united-kingdom/ 
コロナ禍が追い風2022年フランス大統領選「“極右”ルペン勝利」の現実度
https://news.yahoo.co.jp/articles/0acf85629ce7a5e34729eae6cea83dd919e81e17 
ドイツで「緑の党」旋風 女性首相候補で支持率トップに 現実路線に転換
https://www.sankei.com/world/news/210510/wor2105100015-n1.html 
独与党、ワクチン接種遅れで失速 迫る緑の党、政権交代に現実味
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01FP1001042021000000/ 

◆2.Gゼロの地経学◆
<欧米と中国・ロシアの対立構造になってきたが>
ヨーロッパ各国が、いわば連合艦隊を編成して南シナ海から東シナ海まで海軍部隊を派遣し、日米との合同訓練を行う状況になり、中国はロシアと連携してこの動きと対抗する現状は、まさに新冷戦です。安保理でも、中国とロシアの反対で強権主義の政権に対する安保理声明がほとんど出せていません。アメリカも、ことにイスラエルが絡むと同じ行動をとっています。従って国連は現在、国際平和の調停の機能を失っています。

となると、各地域ではそれぞれの地域大国が、それぞれの思惑で合従連衡の動きを活発にさせます。中近東がその筆頭です。 9月にアフガニスタンからアメリカ軍とNATO軍が撤退すれば、その後どのような混乱が起こるのか、ぞっとします。

かつてのアメリカとソ連の冷戦では、その対立構造が世界各地で代理戦争として戦争を引き起こした歴史があります。今回の新冷戦ではそのような事は考えられませんが、各地域の独裁政権、強権政権がその地域の秩序を乱す勝手な行動が懸念されます。欧米は、今の中国をこの様に見ているのではないでしょうか。

グローバリズムは、国際的な政治の安定の上に、国境を越えた自由な商業活動で世界経済の成長を牽引してきました。むろん、これが経済的な格差を広げ社会問題を起こし、結果として地域の政治の安定性を損なうという負の側面もありました。しかし国際的な政治情勢の安定が失われると、グローバリズムも弱まり、小さなブロック経済の集合として世界経済が再構成されることにもなります。ということは世界経済の成長力が落ちます。一方では経済は成長しなくともよいという議論もありますが、これは資本主義の修正の議論になります。

<ミャンマーを持てあますASEANと国際社会>
周辺国にとっても想定外のミャンマーのクーデターですが、それに対し、欧米の影響力を抑えてASEANでなんとか処理できないかということで首脳会談が行なわれましたが、軍事政権の現状を結果として黙認するようなことになってしまいました。タイにしてもカンボジアにしても、そしてベトナムにしても民主主義ではなく、域内である意味唯一の民主主義国家になったインドネシアが積極的に動いても、ミャンマーの現状を何も変えることができず、非人権的な軍事政権による悲劇的な弾圧が継続しています。中国とロシアは、安全保障理事会でミャンマー政府に対する声明に対して反対していて、ここでも全く何もできません。

民主化以降、日本は雪崩をうってミャンマー進出を進めてきましたが、全くの想定外の状況で一時的に後退を余儀なくされます。ただ日本に対する国民的感情はものすごくいいです。私も行ったことがありますが、穏やかな国民性というか優しい空気の国でした。日本は色々なチャネルがあると言われていますが、ジャーナリストの開放にはその力を発揮できても、ミャンマー国民から切望されている積極的な軍事政権への働きかけは何もできていません。多分、現在の菅政権はコロナ対策で頭がいっぱいで、何も考えていないのでしょう。中国と連携して何かできれば、日本外交も一人前ですが。判らないことを書いていますので、「が」が多い文が多くなって恐縮です。

<石油パイプラインをハッキングされた米国がどう報復するか>
これまでも政治が絡んだサイバーテロが頻発しています。テロを仕掛けているのは北朝鮮、ロシア、中国のテロ集団とされています。加えて、東欧に拠点を置いて民間企業を標的とするサイバーテロ集団も活発に活動しています。企業側がサイバー保険をかけて身代金請求に対応することによって、かえって犯罪を助長しているのではないかという議論もあります。したがって日本ではサイバー保険は許可されていないようです。

今回、アメリカの大動脈の石油パイプラインへのサイバーテロは、アメリカの経済に影響を与えています。社会のデジタル化が進んでいるアメリカはそれだけに、「柔らかい脇腹を露出している」とずっと以前から言われてきましたが、今回は社会的なインフラを狙われて、大きな経済的なインパクトを与えかねません。さすがにこのサイバーテロをしかけたロシア系の「ダークサイド」は、社会的な混乱を与える気はなかったと弁明していますが、ただでは済まされないでしょう。報道によればダークサイドのサイトはすでにダウンして活動停止になっているとのことです。おそらくアメリカのサイバー部隊が攻撃して沈黙させたと思います。

ただアメリカのサイバー部隊は、中国、ロシア、北朝鮮のサイバー部隊に比べると多分人数としては劣勢かもしれません。たまたま来日したアメリカ海軍の教育機関の教官から直接聞いた話ですが、少なくとも十数年前はかなり人数的に劣勢でした。日本はさらに少人数ですから、サイバー戦の防衛能力はかなり低いと認識したほうがいいでしょう。かつて、お節介にサイバー部隊の状況の議論を市ヶ谷の内部の勉強会として議論したことがあります。予算がない、人がいない・・・でした。専門技術者を紹介するといえば、処遇する職位がない、とのことでした。これももう10数年前の事になってしまいましたが。

さすがに今回は、アメリカ軍もアメリカ政府も思い切った行動を取るのではないかと思います。無論、事が事ですから何の宣言もないでしょうが。ダークサイドも政府の機関ではありませんが、いわばロシア軍の「予備役」ですから、政府の依頼があればサイバー戦に参戦します。ですからアメリカは、少しずつ関係する個人を割り出して、犯罪者引き渡し条約がある友好国に入国時に拘束することが考えられます。中国国内やロシア国内そして北朝鮮国内は別として、それ以外の国に拠点があれば割り出して急襲するでしょう。軍事的にはそうすべきだと思います。以前自衛隊の現役組と話したときには、攻撃されたら攻撃した者を攻撃するのは当然だと言っていましたが、それが軍事的な常識でしょう。

余談ですが、まだ自社内にサーバーを置き運営している日本企業は多いですね、鍵をかけない昔の日本家屋で寝ているようなものですが、本人はしっかり鍵がかかった家で暮らしていると思っているのでしょう。クラウドは危ない、という情報システム部門に守られて安心?AWS(Amazon)、Google 、MSなどのクラウドが配置しているセキュリティー装備と要員に匹敵する備えができていると思っているのでしょうか。今回コロナワクチン接種予約で落ちたシステムはセールスフォースのクラウドと報道されていますが、あそこは大手に比べて相対的に小さなクラウドだと認識しています。見た人から聞いた話ですが。

G7外相、中国・ロシアが最大の脅威 共同声明採択
https://jp.reuters.com/article/britain-g7-foreign-idJPKBN2CM261 
ロシアと中国が共闘 欧米の制裁を非難
https://www.bbc.com/japanese/56506780 
中国・ロシアの接近が対米・対日で意味するもの
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26689 
ハッキングに友はなし…中国、ロシア潜水艦技術奪取疑惑
https://news.yahoo.co.jp/articles/257ffbcf55c00bf4b7f85065b1e73c86181d02f4 
「中国とロシアの反対で国連は動けず」ミャンマー国軍の虐殺が野放しでいいのか
https://president.jp/articles/-/45839?page=1 
ミャンマーで食料不安が深刻化、数百万人が飢え直面も=国連
https://jp.reuters.com/article/myanmar-politics-worldfoodprogramme-idJPKBN2C90D3 
米石油パイプラインのハッカーが声明 「問題起こすつもりなかった」
https://www.bbc.com/japanese/57068072 
米石油パイプラインにサイバー攻撃、燃料不足の懸念 データ「人質」の犯罪集団
https://www.bbc.com/japanese/57052827 
サイバー犯罪集団ダークサイド「活動停止」表明 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14F4F0U1A510C2000000/ 
米パイプライン攻撃のダークサイド、活動停止のもよう=新聞
https://jp.reuters.com/article/darkside-idJPKBN2CV24L 

◆3.コロナ後の経済◆
<力強く回復する世界経済だが>
未だにコロナ感染の勢いは衰えませんが、世界経済の見通しはなぜか明るくなっています。 IMFの予測では(5月11日発表)米国6.2%、中国は8.2%、EUは4.1%です。日本は2021年3.25%、2022年2.52%でした。やはり日本は欧米と中国に置いて行かれています。コロナワクチン戦争の敗者のためでしょうか。目立つのはあのインドで2021年12.55%、2022年6.93%です。

中国とアメリカが世界経済をけん引します。内需も旺盛で製造業は急回復しています。特に自動車の販売が好調です。アメリカはインフレ懸念が高まり利上げの話題すらあり、これを受けて株式市場は大幅に下げています。中國と米国のおかげで日本の製造業も好決算の企業が少なくありません。EUも中国輸出が好調です。 毎日の暗いニュースとからは想像しにくいですが。結果として、日本の経済も想像以上に回復が早いと見た方がいいでしょうが、実感がわきません。

各国で、世界で格差は広がるでしょう。本質的な世界経済の成長エンジンである新興国の成長力が回復しないと、持続的な世界経済の成長はありえないと思います。日本、そして個人はどうするかを考えることが俯瞰的認識の目的ですが、難しいですね。

コロナ後の日本はあまり変わらないと踏んでいます。例えば地方移住、東京脱出などは話題になりますがメディアの世界だけでしょう。依然として東京一極集中は続くでしょう。 ”東京の人口、2カ月連続で前年割れ 転出超過続く” などのニュースは中身を精査しないといけません。2020年度でいえば外国人の減少が大きい、コロナ禍が吹き荒れた2020年においても東京都は転入超過を維持、という報告もあります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000020953.html 


<コロナ後の資源争奪は食糧か>
コロナ危機で、資源の争奪やサプライチェーンの見直しは話題になっていますが、コロナ後に確実に争奪戦になるのは食糧かもしれません。事実コロナ禍で穀物輸出国は輸出規制を行いました。今は解除していますが、この現実は各国に食糧安保の重要性を再認識させたでしょう。日本はまだそこまで頭が回っていませんが、少しは考えているようでもあります。農林水産省のサイトでは、パンデミック下における食糧確保は記述されていますが、これから先の世界的な食糧不足とそれに伴って起きる食糧争奪戦については特段の政策はないように見えます。

中国は共産党政権が深刻に食糧問題を受け止めているため、食糧争奪戦に積極的に参画しています。穀物取引はごく少数の関係者の間で行われてきましたので、ここに中国が参入しているようです。

IMFの世界経済見通し
https://jp.reuters.com/news/global-economy 
国連、2021年の世界経済成長率見通し引き上げ、米中両国が牽引
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/05/9152f632a4650cfe.html 
EU ワクチン接種進み ユーロ圏の経済成長率予測を上方修正
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210513/k10013027811000.html 
予想以上に上昇した米CPI、FRBの方針転換を占えるか
https://jp.reuters.com/article/usa-markets-inflation-idJPKBN2CU0IQ 
中国の4月の自動車販売、新エネ車は販売・輸出とも引き続き好調
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/05/8c8e2f94cb5cdf33.html 
シーメンス、通期見通し引き上げ-中国主導の景気回復が追い風
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-07/QSQ4MXDWX2Q601 
コロナ禍で問われる食糧安保リスク
http://www.world-economic-review.jp/impact/article1950.html 
中国の農業政策、食糧安保に重点 生産量堅持掲げる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM227IU0S1A220C2000000/ 
中国の食糧安全保障政策、世界の穀物取引に波紋
https://www.swissinfo.ch/jpn/business/%E4%B8%AD%E5%9B%BD-%E9%A3%9F%E7%B3%A7%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E6%94%BF%E7%AD%96-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%A9%80%E7%89%A9%E5%8F%96%E5%BC%95/46595724 

◆4.コロナ後の日本◆
<憲法改正論議を押した中国の脅威>
憲法改正に必要な国民投票の手続きを決めた法律が成立しました。憲法改正にヒステリックに反対していた立憲民主党も、今回はなぜか妥協しました。さすがに共産党は反対を貫きましたが。

背景には、このところ直接的な脅威になってきた中国の影響があると思います。北朝鮮の脅威も国民に広く理解されました。特に中国は法律を改正し、本来警察組織である海警局を第2の海軍と位置づけました。巡視船を大型化し武装強化した上で、連日尖閣列島近海の日本領海に侵入を繰り返しています。
結果として日本国民の安全保障ボケが少し治り、憲法改正という、これまでのタブーを乗り越えさせました。中国が、日本の憲法改正と軍備強化の後押しをしたことになります。軍事費は、全くある意味無駄遣いですが、無駄とは言い切れないという自覚を日本国民に広く認識させました。

気を付けないといけないのは、こうした正面装備の防衛以上に、すでに日常的に交戦状態にあるサイバー戦に対する防衛の充実です。

◆5.俯瞰サロンのご案内(オンライン開催)◆
第84回目の俯瞰サロンは、前内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター 副センター長でいらした三角育生さんに「With/Post新型コロナ時代におけるサイバーセキュリティ」をうかがいます。

これからの社会においてセキュリティをどう考えて取り組んでいくべきかについて、行政における経験を踏まえての考え方を伺う、まさにタイムリーで貴重な機会となります。また、参加者の方々の疑問、ご意見での交流にもご期待ください。

・日時:2021年5月26日(水)18:30~20:30
・参加費用:500円(税込)
・お申込サイト:https://fukansalon84.peatix.com/view
・講師プロフィール
三角 育生(みすみ いくお)さんのプロフィール
東海大学情報通信学部/国立情報学研究所 客員教授
経済産業省(サイバーセキュリティ・情報化審議官等)、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(前副センター長、内閣審議官等)などにおいて、サイバーセキュリティ、安全保障等の行政に長く携わり、サイバーセキュリティ戦略の策定、サイバーセキュリティ基本法改正、日本年金機構のインシデント対応、クラウドサービスなどの利用に資する政府情報システムのセキュリティ評価制度(ISMAP)構築等に従事。2020年退官。現在に至る。博士(工学)

◆6.noteにマガジンをアップしました◆
これまで俯瞰メールその他に書いた記事・原稿をネット上の一か所に整理する作業をしました。継続中ですが。そしてメディアプラットフォームのnoteに、記事をテーマに分けてマガジンとしてアップしました。

URL:https://note.com/
・右上の検索で、“俯瞰人” と入力
・“マガジン”を選択して、ご覧ください。

現在のマガジンは、
・俯瞰の一汁三菜(毎日何を食べているかの日記)
・俯瞰サロン(俯瞰研の公開セミナーの案内)
・頭がよくなるクッキング
・俯瞰の随想
・俯瞰人の書棚
・デジタル書斎の知的生産技術
・俯瞰メール
・日本の今、そして未来を考える 
です。

◆7.俯瞰の書斎◆
デジタル書斎の構築(続き)
<クラウドの使い分け>
デジタル書斎では、クラウドの利用は必須です。複数のデバイスでデータを共有する、自宅を離れて仕事をするときに必須です。ハードィスクのトラブルからデータを保護するためにも必須です。クラウドとパソコンのローカルのデータを同期させて使います。クラウドだけだとネット環境がない所で仕事ができません。そしてサービスが林立しています。各社も必死で自社のクラウドにユーザーを囲い込むように仕向けています。ですが、きちっと使い分けを考えて利用した方がいいでしょう。でないと、どこのクラウドに自分のドキュメントや記事があるのかわからなくなります。私は次のように使い分けています。

Apple iCloud:
これはiPhone、iPadのバックアックとiPhoneで撮影した写真のカメラロールの保存で利用しています。パソコンにもiCloudのアプリをダウンロードしておきます。するとApple関係のデバイスのデータはPCで処理できます。パソコンがMacであれば、その他のドキュメントもすべてこのiCloudで保存するのがいいかもしれません。私はwindowsパソコンですから、ドキュメント関係は別のクラウドを使います。

iPhoneとiPadのバックアップをiCloudにしておくと、買い換えた時に新しいデバイスにそれまでの情報を簡単にすべて戻すことができます。そのため、かなりその容量も大きくなりますので無料ではなく有料料金を払っています。といっても50Gバイトで月額130円と驚くほど低価格です。

Dropbox:
これまでの外付けハードディスクの代わりに、データ保存に長年使っています。フォルダーごとに整理されたデータもありますし、バラの未整理状態で入れてあるファイルもあります。 クラウドにデータを保存すると、パソコンを買い換えた時のデータ移行が不要です。Dropboxの良いところは、多分他のクラウドでも可能だと思いますが、消してしまったデータを復元できることです。うっかり消してしまった貴重なデータの復活に何度か助けられました。パソコンのローカルとクラウドと同期して使えますから、ネット環境がなくても使えます。これもかなりデータ量が多くなりましたから有料アカウントにしてあります。2Tバイトで月9.99$約1200円でしょうか。

大量のデータでメール添付では送れないファイルも、フォルダーを共有することによって、チームのメンバーと共有することができます。最近はどのクラウドも、チームで仕事をするためのデータ共用は機能が充実しています。なぜDropboxを使っているかという理由は、単に昔はこれしかなかったというだけです.

Google drive:
これは特定のチームでデータを一元的に共有するために使っています。Google driveは、特にチームで、プロジェクトで、複数の人が情報を共有して仕事する機能が充実しています。ひとつひとつ試していませんが、現在では、他のクラウドでもチーム仕事をするための機能は充実していると思います。長年ため込んだ写真データをGoogleフォトに集約しようとしていますが、まだできていません。すべての写真はディジタル化してありますが。

その他いろいろなアプリと連携できるので一番のおすすめかもしれません。強力なGoogle翻訳が使えます。翻訳機能はWordに組み込まれた翻訳機能も秀逸です(Wordの 校閲→翻訳)。使い勝手もいいです。Gmailと併せて有料サービスにしています。100Gバイト付き250円。

Microsoft OneDrive:
これは使っていません。理由はすでに色々なクラウドを使っていたこともありますが、 office 365への強引な移行や、ドキュメントを勝手にOneDrivセーブしていく、そのようなマーケティングの雰囲気が嫌ということがあります。 MS officeのドキュメントを中心にしたデジタル書斎を作る場合は利用するといいかもしれません。

Evernote:
長年新聞のスクラップの電子化として愛用してきましたが、買収された後は投資が不十分なようでクラウドとローカルの同期時間が遅くて使い勝手が悪いので、最近は新聞のスクラップといっても新聞はiPadで読みますが、Google Keepを使うようになりました。ただ放り込んで置くというスタイルですが、今は検索という機能がありますので、こまめにタグ(フォルダーで仕分ける)をつけなくても不自由はありません。月額600円、これはストレージ容量の制限はなく、月間10Gのデータアップロードという制限です。

Amazon AWS:
Amzonもクラウドストレージのサービスを提供しており、多くのクラウドストレージやサービスの企業はAWSというクラウドコンピューティングサーバーを利用しています。個人としても利用もできますが、今のところ私は、電子書籍のKindleとの連携に使っています。読書を電子書籍の世界に移す話は別途する必要がありますが、Kindleで読書して気になった部分をマークしておく、メモを張り付けるとKindleのクラウドサービスの “Kindle- メモとハイライト” に自動的にアップロードされて、パソコンでまとめてみることができます。この機能はこれまでも「俯瞰の書棚」で利用してきました。“これを使わない人の気が知れない”という気持ちです。

その他、紹介しきれないほどのクラウドにデータを保存するサービスはあります。いずれにしてもきちっとした使い分けをまず考えておかないと、仕事をする時データを探すことになります。ちょうどこれまでの紙の処理のように机の上や棚の上をひっくり返すような仕事のやり方になってしまいます。

<電子辞書>
書斎における「読み、書き」の仕事には辞書は欠かせません。デジタル書斎で画期的に良くなったのは辞書の利用です。紙の辞書と違って場所も取りませんし、ページめくりも不要でほぼワンタッチで調べが済みます。ですからパソコンに電子辞書を組み込んでおきます。

英和と和英はたくさんありますが「英語辞書アプリWeblio」を組み込んで置くことをおすすめします。使い勝手が抜群です。特にWebの英語版を読むときには重宝するでしょう。しかも無料です。私は加えて「Logo Vistaのリーダーズ英和辞典」を組み込んでいますが、ほとんど使うことはありません。


日本語の辞書はあまり使うことがないかもしれませんが、「広辞苑」は組み込んでおいて良いと思います。こまめに辞書を引く習慣は、確実に日本語力を向上させます。これもあまり使う人がないかもしれませんが、類語辞典は文章を書くときにはほぼ必須です。解っているつもりでも日本語の単語の使い分けは難しいです。原稿を書くときに、よく使います。改めて日本語を学ぶことが多いです。日本語の類語辞典をパソコンに組み込んでいます。組みこんでいる辞書は「Logo Vistaの大修館日本語大シソーラス辞典」です。Wordと一太郎のアドインになり利用しやすいです。有料です。

◆8.俯瞰人の料理あれこれ◆ 
<俯瞰の一汁三菜>
毎日料理を楽しみながら食事も楽しんでいます。私が何を作って何を食べているか、2月の夕食の記録を下記に紹介します。私は遅い朝食と昼食を兼ねた食事と、夕食の2食でほとんど間食はしません。

朝食はほとんど毎日同じで、最近は自家製野菜ジュース(人参、セロリ、レモン汁、アマニオイル)、半熟卵、ブルーベリー(冷凍)、小さなカマンベールチーズ、イチゴ半パック、その他季節によって、リンゴ、ミカンやオレンジ、そして豆乳、紅茶。パンは日によって全粒粉のスコーン、クロワッサン、ドイツパンのオープンサンドを食べますが、ナシの日も多いです。炭水化物を抑えています。

そしてBMI 21、体脂肪率20%で推移しています。最近はダイエットではなく筋肉を落とさない、体重を落とさないです。食事を用意する時間は大抵1時間か1時間半です。

2月1日
牛すね肉の白インゲン・トマト煮込み(トスカーナ風)
タラバガニの春巻き
もやしの胡麻和え
きゅうりの南蛮漬け
あさりの味噌汁
ゆり根とカツオ缶詰の炊き込みご飯
ブリの塩こうじ焼き(前日の残り)

2月2日
豚肉のポテ(ポトフ) 人参、ジャガイモ、タマネギ
ブリカマ塩麹焼き
きゅうりの酢の物
恵方巻

2月3日
ローストチキン
キャベツのお好み焼き風
大根のステーキ
シジミとアオサの味噌汁
白米ご飯

2月4日
鶏肉のポトフ
サワラの西京焼き
ほうれん草のナムル
あさりの潮汁
ゆり根炊き込みご飯(2月1日の冷凍)

2月5日
塩麹漬け豚スペアリブのオーブン焼き
鯖のムニエル(塩&#40628;漬けカレー風味)
茄子の香味煮
わかめのスープ(中華風スープの素)
ソイパスタのミートソース(大豆のパスタ)

2月6日
(巻かない)ロールキャベツ
牛肉切り落としと野菜のタジン
魚の残り色々のそぼろ
カブのポタージュ
白米ご飯(解凍)

2月7日
豚肉の竜田揚げ
ニシン干物の焼き物 
(巻かない)ロールキャベツ 前日の残り

2月8日
寒ブリの塩&#40628;焼き
椎茸の鮑煮
大根のステーキ
明日葉のおひたし サクラエビトッピング
カブとアゲの味噌汁
中華おこわ

2月9日
豚ヒレ肉のバターソテーを「ヤンソンの誘惑」の上にのせて蒸し焼き
カリフラワ―のグリル(香味パン粉をかけてグリル)
ハタハタの一夜干し
(ジャガイモが炭水化物のためご飯類はなし)

2月10日
マグロの柵半分のフライ
割き鶏のカレースープ
明日葉のお浸し
ゆり根とグリンピースの炊き込みご飯

2月11日
鶏肉の筑前炊き
タラと野菜のタジン
蕎麦のピザ(すりおろしニンニクとシラスをオリーブ油であえて載せる)

2月12日
ウィーン風シュニッツェル(叩いて薄くしたトンカツ)
舌ビラメのムニエル
明日葉のお浸し
あさりの潮汁
中華おこわ(冷凍)

2月13日
タジン鍋ですき焼き
ナメタカレイの煮つけ
白菜の甘酢漬け
玄米ご飯

2月14日
牛肉焼肉
鯖そぼろのパブリカファルシ
カキの春巻き
キノコのスープ
グリンピースの炊き込みご飯

2月15日
牛すね肉の赤ワイン煮
サワラの西京漬け
カリフラワ―の香味パン粉グリル
カリフラワ―の茎のポタージュ
玄米ご飯(冷凍)

2月16日
茄子のグラタン(生クリームたっぷり)
イワシツミレの中華風スープ
明日葉のお浸し
ゆり根とカツオ(缶詰)の炊き込みご飯(冷凍)

2月17日
牛ステーキ ピーマン炒め添え
太刀魚のムニエル
カリフラワ―のグ香味パン粉グリル
あさりの味噌汁
ホタテとグリンピースの炊き込みご飯

2月18日
イカのトマト煮 パスタ添え
鶏の油淋鶏
キノコの香味パン粉グリル
白菜甘酢漬け
(パスタがあるのでご飯なし)

2月19日
ブリハラミの塩&#40628;焼き
イカ大根
ほうれん草のお浸し サクラエビトッピング
白菜甘酢漬け
スープ仕立ての麻婆豆腐
ホタテとグリンピースの炊き込みご飯(冷凍)

2月20日
ポークソテー おろし大根 “柚の村”
茄子のグラタン(生クリーム)
イワシツミレの味噌汁
ゆり根とジャコの炊き込みご飯

2月21日
ラムしゃぶしゃぶ肉と野菜のタジン
ハタハタの一夜干し
そら豆のオーブン焼き
白菜の甘酢漬
ボルシチ風スープ(ビーツと少しの牛肉)
玄米大豆ご飯

2月22日
豚スペアリブと大根の煮込み
カジキマグロの香味パン粉グリル
グリンピースのポタージュ
タジンの残り野菜の卵とじ

2月23日
ロールキャベツ
鮪のヅケ
中華風トマトサラダ
カリフラワ―のポタージュ
グリンピースの炊き込みご飯

2月24日
太刀魚の塩焼き
焼き餃子
白菜の甘酢漬け
わかめの味噌汁
(餃子があるのでご飯なし)

2月25日
カキの春巻き
鮪のヅケ
中華風トマトサラダ
あさりの味噌汁
白米ご飯

よく出てくる“香味パン粉のグリル”は、パン粉、パルメジャンチーズのすりおろし、顆粒ニンニク(生を細かく刻んでもいいです)、そして時にはオレガノなどハーブも入れ、これらを混ぜたものを全体に振って、軽く全体にオリーブ油をかけて、グリルで美味しそうな焦げ色を付けます。カリフラワーもブロッコリーもグラタン皿に入れてから軽くラップをかけ電子レンジで竹串が通るくらいに加熱してから、香味パン粉を振って焦げ目をつけます。その前に野菜に軽く塩コショウで味付けをします。パン粉にも軽く塩コショウで味付けしますが、最終的に食べるとき各自で味を調えるのがいいでしょう。

ラタトゥイユが残ったときはリメイクすると美味しいです。ラタトゥイユをグラタン皿に入れ、たっぷり生クリームを注ぎ、軽くパン粉を振ってグリルすると絶品です。作り立てのラタトゥイユでも、むろん問題ありません。

カキの春巻きは、我が家のヒット料理で来客に好評です。生食用のカキをさっと洗ってペーパータオルの上に並べて水分を取ります。大きな場合は一つ、小さければ2つを春巻きにします。白ネギのみじん切りを大匙一杯くらい、その上にカキを置き、パルメジャンチーズをすりおろして掛けます。生食用のカキはクリーミーでないのでパルメジャンチーズでコクを出します。低温の油で揚げ焼きです。一度取り出して油の温度を上げさっとおいしそうな色に仕上げます。カキ以外でも、例えばカニ蒲鉾のほぐしとか、叩きえびとか、もおいしいです。

タジン料理は蒸し料理で、タジン鍋にモヤシや豆苗、ニラなどを盛り、その上にしゃぶしゃぶ肉を乗せるようにして、ふたをして20分くらい弱火で蒸して、ポン酢などで頂きます。蒸すより手間がかからないし、タジン鍋はテーブルでも映えます。我が家のタジン鍋は万古の陶製ですがIH対応です。大きな鋳物のルクルーゼのタジン鍋もあります。モロッコで買った土器のタジン鍋は、飾りです。

◆9.私感・雑感◆
<オリンピックをめぐる駆け引き>
日本のコロナ感染の状況でオリンピック開催を強行するか、中止するかという意思決定は極めて難しい判断です。世間の風は海外メディアも含めて中止の方向に流れていますが、中止するより強行突破の方が、勇気がいります。菅首相もこの修羅場に、多分夜も寝られないほど悩んでいるでしょう。

「駆け引きの中で、駆け引きに流されずに冷静な意思決定をする」という状況に仮想的に身を置くと、心が引き締まります。今の私は判断できません、決められません。声高に中止を唱えている人が羨ましいです。

池江璃花子選手が東京五輪の出場辞退を求めるコメントに対し、「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。今やるべきことを全うし、期待に応えたい一心で日々の練習をしています」、「暗い世の中をいち早く変えたい気持ちは皆さんと同じ。それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」、「頑張っている選手をどんな状況になっても温かく見守っていてほしい」という言葉は、私の胸に鋭く刺さりました。

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◆俯瞰MAIL第2世代008号(2021年5月16日)◆
編集:俯瞰人(松島克守)
配信:石川公子
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