餓え

なんでもないのに突然、胸の奥の隙間のような場所から、黒いものがぐわっと溢れ出してくる。叫んで窓を開けて飛び降りたくなる。やらない。やらないでいる。そのかわり別の、もう少しましな衝動に走る。
この突然の衝動の理由とタイミングは説明しづらい。
ほんのすこしの隙間。ほんのすこしのほころび。

結局のところ、私は足りてないのだ。餓えているのだ。

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