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映画の話 ②子どものための映画

おすすめ映画の話の前に、さっき作った冷しゃぶ(正確にはあんまり冷やしてないのでぬるいしゃぶしゃぶ)に使った茄子が美味かったので、まずその話をしまっす。
豚肉の薄切りを茹でますけども、茹でるときに料理酒と軽くつぶしたにんにくとしょうがを入れるとうまいんですが、隣のフライパンで茄子のタテ六等分にしたやつも茹でておきます。茹で上がったら、茄子を水で冷やしてしぼって、ボウルに豚肉茹でに使ったにんにくと一緒に入れて、手でもにもにつぶしながらごま油と醬油をちょっぴり(醬油は一回しくらい)下味つけてから、豚肉と一緒に盛る。で、ポン酢とごまだれお好みで。これがウマカッタので、「付け合わせの野菜どうしようかなー、あ、茄子がある」ってときにやってみてください。食べる時のタレはごまだれがおすすめ。

はいすいません映画の話です。

学校も休みだし、うちの姪ズもめちゃくちゃ暇そうで、姉に電話するとだいたい後ろで呻いています。

「子ども向け映画」って、たとえばドラえもんとかコナンとかディズニー、ジブリならわかりやすいんだと思うんだけど、それ以外、特に洋画や海外の映画中心って案外わかりにくいかなーと思い。おうち時間が増えている今、こういうのもあるよってことで、ご参考になれば。

1・『パラノーマン ブライス・ホローの謎』

大好きな作品です。
少年ノーマンは地域や学校で気持ち悪がられ、「嘘つき」といじめられている。だって幽霊が見えるから、他の人には彼の振る舞いが奇妙に見えるんだ。死んだアライグマをかわいがり、誰もいないのにしゃべりかけるノーマンは、孤独で、ますます生きた人間でなく幽霊とばかり親しくなる。
しかしある日、ノーマンの理解者だったおじさんが幽霊になって現れ、町にゾンビが復活すると言う。そして本当に七人のゾンビが甦るのだが、彼らと町の過去には、陰惨な出来事があって……

10代前半が観るとすごいハマるんじゃないかなあ、と思う。特に12,13,14歳。私はもし自分がその年齢でこれを観ていたら本当に幸せだったろうな、と想像してます。ちょっと怖い場面や演出もあるけど、ディズニーランドのホーンテッドマンションが大丈夫ならいけるいける。

主人公ノーマンもかわいいし、ノーマンの友達になるニールもむちゃくちゃかわいい。
ノーマンが誰もいないのにひとりでぶつぶつしゃべってると思わせて、本当に「見えてる」んだってわかる序盤の場面が本当に美しくて愛おしくて大好きで何回も観てしまう。
言っても誰も信じてくれなくて、能力を疑われ、嘘つき呼ばわりまでされる子どもの、心に閉じこもってしまいたくなる感覚が、ひりひり伝わってくる。
そしてみんなどこかで、もういない誰かに会いたいと願っているし、もういない誰かも私に会いたいと思ってくれていると、思いたい。パラノーマンはホラーが強いけど、そういう「死」を丁寧に取り扱った映画でもあります。

何が好きって、アギーが好き。もうアギー命。うちに来てくれたらいくらでも幸せにするよアギー。(観た方は「ああー、深緑だもんねー、アギー好きそうーー」って笑うと思います)
そしてノーマンだからこそ、なんだよなあ。
忌み嫌われるつらさ、ひとりぼっちのさびしさ。勇気なんか持ちたくないし持つ義理もないはずなのに、それでも立ち上がってしまうのは、大義名分なんかじゃなくてただわかるから手を伸ばしたい、助けたいだけで。
まあいじめっことか改心したところで許されなくてもいいとは思いますけどね!でも、この映画はちゃんとそういうところも掬い取る作品だとも思います。誰かをわかるということ、誰かの言うことを信じるということ。

CGに見えるけど予告にあるとおりこれは全部本物の人形で、一コマ一コマ動かしては撮り、を繰り返して動いて見えるように撮影する技法・ストップモーションアニメを使ってます。スタジオはLAIKA(KUBOのスタジオでもあります)。
配信で見つけられたのがアマプラでありました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07514211H


②『運動靴と赤い金魚』
https://www.youtube.com/watch?v=V1UDOdQOX_E

イランの映画です。

主人公アリはちょっとぽやっとしている男の子で、泣き虫。妹のザーラは優しくてしっかり者。
アリはある日、ザーラの靴を修理してもらった後で、うっかりなくしてしまう。ザーラの靴は一足しかないし、家は貧しくて靴を買える余裕がないのはふたりにもわかっている。絶対に叱られるし、負担もかけてしまうから、親には言えない……そこでふたりは、学校の女子の時間=午前中はザーラがアリの靴を履き、途中でアリが待っていて交替、男子の時間=午後に間に合わせる、という作戦を決行する。

とにもかくにもかわいい作品です。監督はイランの代表的な監督、マジッド・マジディ。
日本の子どもにはイランの生活は想像しにくいかもしれないけれども、全然大丈夫だと思います。
主人公は9歳くらい。ゆったりした物語なので、とりとめもない場面も結構ある。ストーリーを退屈しないで追うには、あるていど映画になれている必要あるかなあと思ったけど、でもテレビで流しっぱなしにして、ぼんやり観て、退屈になったら他のことして、また映画に戻って、みたいなかんじでもいいと思う。子どもが映画を観るコツは「ちゃんと観なさい」じゃなくて放置することだ!飽きても「消して!」って頼まれるまでは付けっぱなしにしておく。(経験談)
その点でこの映画は、起承転結がはっきりしてなくて、「今何をしているの?」って子どもが気になるような、飽きそうだけど飽きなくてなんか先が見たいかも、ってなる作品なので(映像もきれいだし)、つけっぱなし映画に最適です。

もしアリやザーラに共感できたら、最後めちゃくちゃ笑っちゃって、でもすごく複雑な気持ちになる。そういうのを感じ取れるの、映画の醍醐味だなあと思います。

配信は、なんかまたアマプラなんですけどありました。

https://www.amazon.co.jp/%E9%81%8B%E5%8B%95%E9%9D%B4%E3%81%A8%E8%B5%A4%E3%81%84%E9%87%91%E9%AD%9A-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%BE/dp/B01N1MWHBA

最近アマプラもアプリだとクロームキャストでテレビに転送できるんすね。やったぜ。


③『スタンド・バイ・ミー』

言わずと知れた名作ですけど、私が本当に映画を好きになったのは小6でこの映画を観た時からでした。
それまでも、『ジム・ヘンソンのストーリーテラー』を愛してやまない園児だったとか、スターウォーズ大好きっ子でホウキをライトセーバーに見立てて机の上を走り回ってたとかはあるんですが、どちらかというと映画は「両親が毎週観ている怖いもの」であって、好きとか嫌いとか以前に、いつもそこにあって拒絶できない存在だったんですな。
それがついに「私のもの」になったきっかけの映画が『スタンド・バイ・ミー』でした。私も一緒に歩いたのだ、間違いなく。

なので、主人公たちと同じ年齢、小6くらいがベストな鑑賞時期な気がします、個人的に。もちろんそれよりも年齢が上がっても充分に楽しめると思う。

(後になって撮影時のひどい話とかを聞いてしまうともう苦しくなってしまうんですが、本編を観て、いい映画だと思うことも、その裏側の闇を考えるには大事だとも思い。)

配信はNetflixその他あちこちで観られます。

https://www.netflix.com/watch/994992?source=35


④『犬どろぼう完全計画』

大好きで大好きで、映画館から号泣して帰って、公開した年のベスト作品に挙げた映画。
いい映画は開始直後、冒頭数秒でわかるとはよく言いますが、この映画はまさにそれで、もうはじまってすぐに「すげえ……これは絶対に傑作だ」と確信、そしてそのテンションが最後まで持続するという、すごい作品です。
どこを切ってもかわいく、ファンタジックで溌剌としていて、魅力に溢れている。こんな子ども向け映画あったの!早く教えてよ!って感じである。

原作はバーバラ・オーコナーの同名小説で、韓国の映画作品。

経営していたピザ屋が潰れてしまい、お父さんは行方をくらまして蒸発!家を出る羽目になった主人公ジソは、頼りなくて子どもっぽいお母さんと、弟と一緒にワゴン車生活を余儀なくされる。ある日、お母さんがバイトしているレストランのオーナーの飼い犬を誘拐し、500万ウォンを手に入れて豪邸に住むぞ、と計画して……

主人公ジソがもう憎たらしいくらい率直で生意気で生命力に満ちていて、すんごいよい子なのだ。いや、たぶん「よい子」ではないんだけど、でもね私はこういう子を真っ直ぐに撮ってくれたこの作品が大好きです。だってもうこんな境遇だったらふつう泣いて何もできなくなっちゃいそうだけど、ジソは絶対負けねえの精神で曲がらない。強い。かっこいい。やってることはダメだけど、でも君の率直さは輝いている。

よい子ども向け映画は、主人公以外の子どもや大人の描き方が優れている。『犬どろぼう完全計画』もそうで、友達や弟の個性が輝いてるし、主人公にじゃんじゃんつっこみ入れていって、主人公の欠点がちゃんとあらわになるところがいい。大人もそう。頼りないお母さんもすごく人間らしくて、そうだよなあ、親だからってしっかりしてるわけじゃねえんだよお、でも愛はあるんだよお、と泣いてしまう。あとヤクルト一気飲みの謎のおっちゃん・デポーが最高。謎のおっちゃんがかっこいい映画はいい映画(謎理論)。

失敗は失敗。ダメなものはダメ、いけないことはいけない。
でも愛はちゃんとここにあるし、いつだって待ってるよ。愚かさも全部ひっくるめて、ちゃんと包んでくれるたいへん良い映画です。

http://www.finefilms.co.jp/dog/

まじでこれは必見です。大人も子どももみんな観よう。ぜひみんなでやいやい言いながら、笑ったり怒ったり泣いたりして、騒ぎながら観てほしい映画です。
配信は、今はyoutubeやGoogle Playで観られるようです。


⑤『オズ』(Return To OZ)

おもいっきり「今観られるところあるんか……??」って映画ですみません……と思ったら、dTVで観られる……!!??

https://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10022875

映画っていうかテレビ映画。有名なジュディ・ガーランドの『オズの魔法使』も好きですけれども私は断然こちらの『オズ』が好きでした。
オズから帰ってきたドロシーが再び冒険の旅へ。つまり「オズの魔法使」の続編にあたるオズマ姫の映像化です。

すいません予告とか探してみたんですけど、これはあげていいのかなっていう動画ばかりで……

頭をコレクションしていて、いつでも顔を替えられるプリンセス・モンビ。襲いかかってくる手足車輪のホイールズたち。
岩みたいなノーム王にケーキと飲み物をごちそうされるんだけど「石灰石のパイ」やら「熱く溶かした銀」やら。はてしない物語のファンタージェンや、ナルニア国物語が好きな人はドツボなはずの映画でした。

ドロシーとかかし。

トラウマ泣き必至のマジで怖いホイールズ。

子ども向けというか私がめちゃくちゃ好きだった作品の話になってしまった。いまだにきらきらしたエメラルドグリーンのガラスなどを見ると、触って「オズ!」って言いたくなってしまう。よく姉とオズごっこをしたもんでした。

⑥『スパイダーマン:スパイダーバース』

https://bd-dvd.sonypictures.jp/spidermanintothespiderverse/

個人的にトムホスパイディとマイルススパイディに共演してもらいたいですぜったい楽しい。

ピーター・パーカー、かの有名なスパイダーマンが、敵にやられて死んでしまった……!?同じく蜘蛛に噛まれたマイルス・モラレス少年は、敵・キングピンを倒すために立ち上がれるか?他の次元から来たスパイダーマンたちとともに闘うことができるんだろうか??

もうレベルがおかしい。CGアニメーションとしてもやばいことをやってるし(3Dを2Dのように見せるという何言ってんのみたいなテクニックをやっててほんとほんとCG好きの私にはたまらんあれです)、内容もかっこよくておもしろくて痛快だし、もうサントラがすげえいい。

↑これは本編見た後での方がいいかもしれないけれどもあつい、あついんだぞ。マイルスかっこいいぞ。空を飛びたい。元気が出ないときとか「やるぞ!」ってときについこのクリップを見てしまう。

今の子にこそ見て欲しい力一杯おすすめのヒーロー映画。

⑦『ブレンダンとケルズの秘密』

子ども向けかな……???ですが、大丈夫でしょう。たぶん。中学生から高校生におすすめかも、世界とはいったい何なのか、歴史とは、争いとは、文化や思いを伝えるとはなんなのか、そういった複雑さを考えはじめた子に、特におすすめ。

アイルランドの至宝、ケルズの書。

これは「世界で最も美しい本」と呼ばれ、8世紀にアイルランドの修道士が完成させたもの。大人は見たことあると思うけれども中学生・高校生あたりにはそろそろ知ってほしい存在。現実ってけっこうかっこいいんだぜ。

http://secretofkells.com/

印刷機がない時代、本はみんな手書きで書き写す「写本」だった。その作業にとりかかる少年修道士を主人公にした作品が『ブレンダンとケルズの秘密』で、予告見るとわかると思うんですけどとにかく映像が美麗。そしてけっこう陰惨。いい映画です。同じチームが『ソング・オブ・ザ・シー』を作りましたが、歴史と不思議な生き物好きなので個人的には『ブレンダン~』に軍配をあげております。あーっ、ブレッドウィナーまだ見てないです。

あとね!猫好きにもおすすめです!パンガボン!パンガボンかわいいよ!パンガボンほんとにいたんだもん!

オオカミの妖精アシュリンがひたすら好き。

youtubeでレンタル・購入できます。

https://www.youtube.com/watch?v=5pTqu_LnQZU


うーん、まだたくさんあると思うんだけどとりあえず7本あげたので、このへんで!
思いついたらまた書きますー







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