個人的に興味深かった選挙関係のお話(備忘録的なもの)

2021年衆議院選挙で個人的に興味深かったことを適当に書いていく。

今回の衆議院選挙は何となく自民が議席を減らすんだろうなと思っていた。自民にとってのマイナス材料はどうにか実施したオリンピック(これは評価が割れると思う、契約の履行という点では評価するが万全とはとても言えない状態)、コロナ関係(ワクチン一本足打法で結果的に鎮静化に貢献したと思うが、経済活動等ケチをつければいくらでもできる。)などあったこと、そして岸田政権の支持率がイマイチだった。(ご祝儀がなかった)
とはいえ、野党もこれといった売りがないのも事実な訳で立憲民主党が躍進するともとても思えなかった。

そして選挙前ではマスメディアは自民大幅議席減という言説が流れまくった。私としては減るだろうけど受け皿はどこという疑問がありつつも、過半数は割らないにしてもそこそこ減るんだろうというぐらいの予想だった。

ところがだ、ふたを開けてみると今回の選挙はとっても楽しめた。自民は前評判ほど議席数を減らさず、かといって野党共闘組はさして票を伸ばせず、私の中では完全にノーマークだった政党が大躍進。そして、与野党ともに大物議員が苦汁をなめるというメシウマな展開。私が興味深いと思ったことを個別にみていきたいと思う。


1 大物あるいは有名人が小選挙区敗北そして場合によっては比例復活成らず

今回の選挙では議席数だけ見れば無風状態であったが、それぞれの選挙区で見るとなかなか興味深い現象が起きていた。大物議員、或いは選挙に強いと言われていた人が小選挙区で落選。小沢一郎などは田中角栄の薫陶を受けていたであろうにこのざま。いかに地元に足を運んでいなかったということではないだろうか。甘利や石原は奢れるものも久しからずを地でいった感じでとても微笑ましい。麻生とは違うのだから、そうそう舌禍を大目に見てもらえるとゆめゆめ思わない方がいいだろう。そして、池内に関しては支持者がさっそく内ゲバを始めそうな勢いで何とも言えない面白さがある。

小選挙区敗北の主だった候補
立憲民主党
 小沢一郎(比例復活)
 中村喜四郎(比例復活)
 辻本清美(落選)
 平野博文(落選)

日本共産党
 池内沙織(落選)

自由民主党
 甘利明(比例復活)
 石原伸晃(落選)
 石原宏高(比例復活)
    野田毅(落選)
 原田義昭(落選)
 山本幸三(落選)

2 野党共闘大失敗

野党共闘については今回はそこそこやれると思うが、長い目で見れば立民がどんどん衰退するだけだろうと思っていたが、今回すら失敗。
野党共闘で理屈の上では特に接戦の選挙区においては統一候補が勝てるだろうという目算だったが前回よりも議席を減らすという体たらく。
立民の誤算は二つだろう。
ひとつは近年、労働組合の組織力が落ちているとはいえ、天下の連合。立憲民主党は共産党と手を組むことによりここを怒らせてしまった。そして、っもうひとつは争点を民意が求めていないものを中心に掲げてしまった。前者は愛知県の結果を見れば一目瞭然。後者はラジカルな主張をする人たちの声を聴きすぎた。それは形で特にネット上ではあらわれた。立憲民主を支持していた穏当な人たちに背を向けさせてしまった。
選挙においては政党の支持者の声を聴くというのは非常に大事なことであるが、それでも一定の影響力を持つ議席数が必要な場合は支持のウイングを広げていく必要がある。それなのに政権陥落後はどんどん先鋭化していき、今後どうするんだという状態にまでなってきている。そして立憲民主党の最大の失敗は生殺与奪の権利を日本共産党に渡してしまったこと。
共産党単独で見れば議席数を減らしてしまい敗北ともいえる訳だが、同時に野党第一党に首輪をつなげたということでは大勝利だったのではないだろうか。

3 日本維新の会、大躍進

私は完全にノーマークだった。私が関東の人間であること、維新を支持していないこと、コロナ関係の失敗などで完全に維新の影響力を見落としていた。そして、私のツイッターのタイムラインの関係でバイアスもあったと思う。(割と医療関係のアカウントをフォローしている)それにしたって大阪選挙区の維新の占有ぶりは党関係者すら予想していなかったのではないだろうか。厳しい人は日本維新の会の躍進は2回前の選挙結果に戻っただけという人もいるが4倍増である以上は今回躍進だと思う。

維新が躍進したのは皆さんが言われている通り、自民が嫌、立民も嫌という新しい何かを期待している人たちの受け皿になったということだろう。かつて第三極といわれたみんなの党や、前回衆院選の希望の党のポジションということだろう。その二つ政党と違うのはここ10年で着実に大阪という地盤を作り、各選挙区で候補を立てた結果であると思う。たとえ安置維新でもここは評価しないといけない。ここを見誤ると何時までも大阪は維新の天下だろうし、今後勢力を広げていくだろう。逆に、維新もここで調子に乗って下手な手を打つとかつての「維新の党」の二の舞になる。

ともかく意図してか意図せずかわからないが、維新は一番いい場所にウイングを広げたのが今回の結果だろう。野党第一党が本来ウイングを広げるべきところがぽっかり空いてたため、維新が漁夫の利を得た、そんな感想。


4 その他

消滅するであろうと思った国民民主党も議席数を若干伸ばした。これはこれで現実的な姿勢が評価されたのであろう。小池みたいな目玉が要れば維新の増やした議席を食えた可能性もある。ただ、議員の顔ぶれを見ると立憲民主党の間違いじゃないかという議員もいるので、何時先祖返りするか予断を許さない。

消滅と言えば社民はどうにか首がつながり、今回はゼロと思ったれいわも議席を得た。影響力という意味ではまだまだだが、それでもれいわには一定の支持者がいるということであろう。今後議席をさらに伸ばすかやはり衰退するか注目したい。

5 おわりに

大物議員が落選など政権交代はないけど、地味に世代交代が進んだ選挙ではないだろうか。



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