難民認定が「賭け」である理由 ダニエル・カーネマン他『NOISE』解説・友野典男
『NOISE』解説(元明治大学教授 友野 典男)難民認定の許可は審査官によって大きく違い、アメリカでの調査によると、ある審査官は申請の5%しか許可しないが別の審査官は88%許可するという例があった。難民に認定されるかどうかは賭けをするようなものなので、この調査のタイトルは「難民ルーレット」である。
経験豊富な精神科医10人が参加した調査では、百人近い患者の診断を行なったところ、2人の医師の意見が一致したケースは57%にすぎなかった。別の調査では、二人の精神科医が患者数百人を