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受動攻撃性パーソナリティ障害

受動攻撃性パーソナリティ障害とは、怒りを直接的にぶつけるので

はなく、相手を困らせるような行動をして反抗の態度を示したり

相手に不満を訴える性格傾向があります。拒絶性パーソナリティ障害

とも言います。

受動的攻撃とは、俗にいうモラハラ、つまり、モラルハラスメント

のことです。しかし、一般的に言われるモラハラは、暴言を吐いたり

意見を強要したりする等、相手に対して明確な意思表示を伴いますが

それとは少し違います。受動攻撃行動とは、自分の考えを主張せず

陰口、愚痴、不機嫌、無視、舌打ち、サボりといった振る舞いで

遠回しに相手を疲れさせる行為のことです。

原因

生まれてからの成育環境により受動的攻撃を取るようになると言われて

います。親が「サボり」や「イライラ」といった受動的攻撃によって

自分をコントロールしてきた為に自分も大人になってからも、能動的

な問題解決のお手本がない為に親と同じ受動的攻撃を取るしかないの

です。

典型的な症状

怒りを直接表現することが出来ない

例えば、結婚して夫婦が一緒に生活をする上で、意見が衝突するのは

当然のことです。意見が食い違う時に、建設的な議論が、全く出来ない

というのも不健康です。受動的攻撃性人格の人は、怒りを感じた時に

「自分はこうした理由で怒っている」ということをきちんと伝えること

が出来ないことにあります。怒りは抑えていてもゼロにはならず、行き場

を失った怒りが、受動的攻撃性という形で現れます。

自分から決断をせず、相手に決定権を委ね、その結果に不満を言う

他の人が決断をしてくれれば、自分は物事の決定時に責任を回避できるだけ

ではなく、結果が思うように行かなかった時にも、それを人のせいに出来ま

す。

相手の気持ちや考えを読めない

人間は、もともと感受性の強い生き物で、一人ひとりが、自分の五感と

直感を使って自分の置かれている状況や気持ちを的確に判断する力を

持っています。しかし、受動的攻撃性人格の人は、相手にとって大事な

ことはしない。時間に遅れる、忘れる、関係を深める努力をしない等

消極的な方法で相手をイライラさせたり、怒らせたりした上で「そういう

つもりはなかった」「そんな小さなことで怒るのは、おかしい」という論理

を貫き通します。

大切なことを忘れる

例えば、結婚記念日や友人の誕生日などをすっかり忘れ、そして忘れた

ことを相手にたしなめられると、そのことについて不満を言います。

「ちょっと忘れただけなのに、どうして責められなければいけないのか。」と。

何もしない

仕事をサボれば誰かが代わりにやってくれる、授業中に当てられても

黙っていれば次の人が答えてくれる等、大人になってからも問題解決能力が

身についてもその能力を発揮せず、何もしないことにエネルギーを注ぐ

ことになります。

イライラしている態度をとる

イライラしている人に「コントロールされている」と感じる人は

多いと思われます。イライラしているの時に貧乏ゆすりや爪を噛んだり

ため息をつく人がいますが、見ている側としては「何かイライラさせて

いる?」と居心地が悪くなり、こちらが何かをしなければならないよう

な切迫感を感じます。

過剰反応

例えば、食卓で息子が手を伸ばせば取れる所にある「醤油」を母親が先回り

して取ってあげる、こういった過剰反応のも受動行動の一つです。

過剰反応すればするほど相手は「自分で何とかする力」を失って

いき、また適応している側も「相手が自分のことを自分でできるようにする

機会を奪っています。

対処法

付き合い方を工夫することで、大きな影響を及ぼさずに済むケースがあります。

攻撃に反応しないこと

受動的攻撃性人格のかたが他者に対して攻撃的な態度を取るのは、その態度

を見て怒ったり困ったりすることを望んでいるからなんです。そのため、怒

ったり困ったりする態度を見せず、毅然として対応することで、影響を抑え

ることができます

直接的な表現に変換する

受動的行動をとるかというのは、「察し」と「配慮」を求めてまいります。

それをそのまま受け取っていると、こちらが疲れきってしまいますので、

「今のことはこうしてほしいということ?」直接的な表現に変換するのがベ

ストです。

ユーモアを持って応対する

受動的行動する人は、幼少期の親とのコミュニケーションを再現していま

す。幼少期のコミュニケーションを取っていることを逆手に取って、ふざけ

たような言動で返したり、おどけたりするとスムーズなコミュニケーション

が成立する場合が多いと言われております。

例えば、「邪魔なんだけど。」という感じで言われたら、「こいつはどうも

失礼しました。」といったような少しふざけた対応を取るのが良いと言われ

ています。そうすると、受動的行動をとりやすい方は笑って安心し、反抗し

たり、対立したりすることを止めてくれるはずです。



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