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絵本「はからはじまるカルシウムのはなし」のあらすじの紹介と評価



評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

本絵本は、私が定期的にチェックをさせていただいている福音館書店の「福音館の科学」のページで見つけました。子どもには、それなりの身長になってほしいと思っています。そのため、カルシウムは私にとってとても興味のある栄養素です。このような私の関心もあり、本絵本を読ませていただくことにしました。

ママの感想

ある日、男の子の乳歯が抜けました。男の子は、その歯を土のなかに埋めました。土のなかに埋められた歯は、だんだん脆くなって土にかえるのかと思いきや! コマツナの根に吸い込まれて、小松菜の葉っぱになりました。そこへ、コマツナを食べにカタツムリがやってきました。

本絵本は、非常に興味深いお話でした。上記のように、男の子の乳歯だった「カルシウム」は、さまざまな場所へ行き、大きさやかたち、見た目を変えて、それでもずっと「カルシウム」としてさまざまな「モノ」をめぐっていきます。あるときは、子どもの歯。またあるときは、小松菜の葉っぱ。さらにあるときは、魚の糞に混ざって海の水に溶け込んでいたり、という具合です。

私自身、「読んだ目的/きっかけ」に記載をしたとおり、カルシウムについては「重要な栄養素」として非常に関心を持っています。カルシウムは、子どもの成長に必要な栄養素であることに加えて、そろそろ骨粗しょう症なども気になる年齢になってきてしまったので…自分の対老化策としても関心を持っている栄養素でした。しかしながら、私はカルシウムを「栄養素」としてだけ見ていて、物質として捉える発想を持ち合わせていませんでした。そのため、本絵本に描かれた「物質」として、世界(?)をめぐっていくカルシウムの様子には、「何だかすごい!」と思ってしまいました。自分の「歯」が小松菜の葉っぱになったり、シカの角の一部になることを想像すると、何だかとても壮大なドラマを見ているように感じました。

しかしながら、よくよく思い返してみると…私は高校生(?)のころ、カルシウムは「元素記号・Ca」であると習いました。カルシウムは元素です。
そのことは、もう随分前から知っていました。元素であるカルシウムは、それ以上、分解されることはありません。もちろん、溶けて消えてしまうこともありません。そう考えると、カルシウムが循環(?)していくことは、兎角、驚くほどのことはないはずです。それにもかかわらず、本絵本に描かれた「カルシウムの物質としての循環」に驚くとともに、カルシウムがそれ以上分解されないことにふとした違和感を持った私は…「元素」についての理解が足りていなかったことに今さらながら気がつきました。元素について「わかったつもり」になっていたとは思いたくありませんが…現実世界とリンクできていなかったことは間違いない…と思われます。反省です…

現在、小学校2年生の娘は当たり前ですが、まだ「元素」というものは知りません。そのため、というわけではないのかもしれませんが、本絵本の「男の子の歯」から出発したカルシウムの壮大な旅に圧倒されているように見受けられました。娘は、次々に現れるカルシウムを摂取していく「存在」に驚いているようでした。

ただ、改めて振り返ってみると、娘に「カルシウムはこれ以上分解されないものであり、これまでに見たことはない存在だね」と「元素」にはじめて触れたことを伝えれば良かったです。私自身が「ほほぉ」と本絵本に感心してしまい、すっかり上記観点を見失ってしまっていました。そのため…本絵本が、娘がこれまで知らなかった世界の扉を開いてくれたことに、この感想を書きながら気がつきました。この点を、本絵本を読んでいるタイミングできちんと娘に伝えることができたら良かったです。反省です…折を見て、本絵本の「はなし」を娘に伝えたいと思います。

本絵本は、ある男の子の「歯」だったカルシウムがさまざまなものに吸収され、世界(?)を循環していく様子を描いたとても興味深いお話でした。「元素」の入門絵本としても良い絵本だったと思います。なお、上記のとおり、私が本絵本に感心しきってしまっていたため…娘と「はなし」がうまくできませんでした。。


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