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絵本「どしゃぶり」のあらすじの紹介と評価


評価

息子:☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

本絵本は、娘との読み聞かせ時に読ませていただき、私が特に気に入った絵本の1冊です。「息子とも読みたい」と思っていたため、今年は現状、あまりありませんが、ゲリラ豪雨の季節である「夏」に合わせて、読ませていただくことにしました。…ゲリラ豪雨は「夏」という認識で良いのでしょうか。。むかしは、春先にもゲリラ豪雨のような夕立があった気がするのですが…よくわかりません。。

ママの感想

地面も熱くなるようなとても暑い日、少し離れたところに真っ黒な雲が見えました。少しずつ、こちらへと近づいてくる雲。そのとき、「ぽつっ!ぽつっ!」と雨が降り出しました。

本絵本は、雨の降りはじめから激しい雨を経て、雨が上がるまでの様子を非常に臨場感のある描写で描いた素敵な絵本でした。娘と本絵本を読ませていただいてから数年のときを経て、今回再読をさせていただきましたが、改めて「私、この絵本が好きだな」と思いました。「雨の音はどんな音?」と聞かれたら、とりあえず、「ザーザー」などと適当な擬音語を答える方は多いと思います。私もそのような一人です。

しかしながら、本絵本を読むと「ザーザー」という音を、雨は立ててはいないことに気づかされます。同時に、雨は降り方やぶつかるものによってさまざまな音を立てていることにも気づかせてもらえます。本絵本を読むと、普段、漫然と眺めている、あるいは「面倒くさいな」と思いながら傘をさして歩いているだけの「雨の日の生活」は、何も見ていないし、感じていないし、せっかくの「楽しい経験」を自らの態度でゴミ箱に捨てているも同然だと思わされます。

とはいえ、幼稚園児の息子と一緒に雨の日に外を歩くことはまだまだ大変なので、やむを得ない部分はあると言い訳をしたくなる自分もいます…一方で、「雨の日はどうせ濡れてしまうのだから」と割り切れば、特に、風邪を引く心配のない暑い季節ほど、本絵本のように「雨を積極的に楽しむ姿勢」が必要なのかな、とも思いました。

本絵本を読ませていただいてからは、息子と雨の日に外を歩く機会があったり、家のなかにいても雨が降ってくると「雨はどんな音を立ててるかな?」と雨の音を聞いてみるように心がけています。単に「すごい音がするね」と話すだけではなく、具体的な「音」について話すことは、子どもの感性や語彙を育てることにつながるのではないか、と期待をしています。加えて、子どもは、頭が固くなった大人とは異なり、自分で雨音を描写する擬音語をつくってくれるので、私にとってはそれが興味深くもありました。このように、本絵本は「雨の日の楽しみ方、学び方」を教えてくれる絵本だったと思います。

加えて、本絵本の主人公の男の子が雨を心の底から楽しむ様子は、見ていてとても気持ちが良かったです。雨を全身で感じ、全力で楽しみ、そして、ふっと雨が上がる瞬間…本絵本には、凝縮された演劇を拝見したような気分を味わわせていただいたと思っています。…演劇はほとんど見たことがないので、イメージですが。

本絵本は、主人公の男の子が短時間の激しい雨を全身かつ、全力で楽しむ様子を描いたお話でした。雨の様子を描写する言葉が本当に豊富で、読み手も「激しい雨」を「言葉の雨」をとおして味わうことができる素敵な絵本だったと思います。夏にぴったりな絵本でした。


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