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絵本「なつやすみ」のあらすじの紹介と評価


評価

息子:☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

本絵本は、絵本ナビの「夏が来たらこんな絵本!」のページで見つけました。あまりにもストレートな本絵本のタイトルに興味を引かれ、読ませていただくことにしました。

ママの感想

こうたくんの家に、いとこの一家が遊びに来ました。みんなでケーキを食べたあと、プールに遊びに行きました。帰ってくるとそうめんを食べ、すいかを食べて…親戚と過ごす楽しい夏の一日が過ぎていきます。

本絵本に、懐かしさを感じる大人は多いのではないでしょうか。私自身は、本絵本に描かれたような、「夏休みだから」ということで、親戚が集まって、いとこと一緒に夏休みを過ごした経験があったため、本絵本を読みながら「そうそう、私も子どものころ、久しぶりに会ったいとこと、夏休みをこんなふうに過ごしたな」と三十年近い「むかし」を懐かしく思い返しました。

私はいとこが複数人いたため、いとこと一緒に海に行った際には「同世代の友だち同士で海に遊びに来た」ような特別な感じがして、とても楽しかったことを今でもよく覚えています。友だちとは少し違うけれど、でも、やっぱり友だちのようないとこ。朝から晩までずっと一緒で、もちろん、ごはんも三食一緒。友だちとは行けないような「遠く」まで、親も含めて一緒に遊びに行ける特別な存在。大人になって改めて振り返ると「やっぱり、いとこは私にとって特別な存在だったんだな」と思います。

もちろん、私も子どもだったころ、友だちの家族と一緒に大きなプールへ遊びに行ったりお泊り会をしたりしたこともありましたが、「親戚」である「いとこ」はどこか「友だち」と違って特別だった気がします。特に、私はいとこが遠くに住んでいたため、夏休みなど長期休暇にしか会えなかったことも、「友だちとの違い」を際立たせるものであり、同時に「夏休みらしさ」の象徴になっていたのかもしれません。本絵本には、私自身が子どもだったころに経験をした「いとこと過ごす特別な夏休み」が描かれていたように感じました。

加えて、本絵本に描かれた扇風機や奥の部屋にある仏壇、みんなで食事をするために追加されたテーブル、お風呂ですいかを冷やしている様子など、どこか少しレトロな日本の家が、私にとって「いとこの家」とセットになっていた祖父母の家を思い出させる部分もありました。その結果、総じて、私にとって「懐かしい夏休み」が描かれた絵本に本絵本はなっていたのだと思います。大人になってから、会う機会がすっかり減ってしまったいとこと、久しぶりに会いたくなりました。

上記のとおり、本絵本に「懐かしさ」を感じながら読んでいた私とは異なり、息子にとって本絵本に描かれた夏休みは、いまいち、ピンとこない夏休みだったようでした。先ほど記載をした私に「懐かしさ」をもたらしてくれた扇風機や仏壇については、息子は扇風機はわかるものの仏壇は知りませんでした。もちろん、本絵本の冒頭で、こうたくんのお父さんと思われる人がテーブルを持ってきたところについて、息子は見向きもしませんでした。

加えて、「すいかは冷蔵庫に入れるもの」としか思っていない息子は、湯船にすいかが浮かべられている絵を見ても、そもそも「湯船」がわからないような状態でした。本絵本に対する息子と自分の反応を比べ…「一世代異なるということはこういうことなのかな?」と、どこか寂しさを私は感じました。良くも悪くも、家のかたちも生活形態も「時代」とともに「変わっていた」ということでしょうか。。

なお、本絵本の「絵」については描かれ方が独特だったと思います。あまり絵本で見ることのない視点で「絵」が描かれていました。本絵本の「絵」は、よく子どもが描く「うえから見た絵」として描かれていたページが多かったという印象がありました。本絵本を読みはじめた当初、「何だか変だぞ?」と感じるものの、その違和感の原因がなかなかわかりませんでしたが、本絵本の後半にこうたくんたちが向かった先の絵を見てようやくわかりました。「私も子どものころ、こういう絵を描いて、何か違うなと思っていたんだ!」と思いました。

けれども、本絵本の「絵」は、家のなかの様子全体が見渡せて「良いな」と思う部分もあったので…子どものころ「うまく絵が描けない」と思っていた自分に「こういう絵の描き方もありだよ」と言ってあげたくなりました。絵については詳しくはないので…失礼な感想になっていたら申し訳ありません。

本絵本は、いとこと過ごす夏休みの「特別な一日」を描いた「夏休みらしい」お話でした。本絵本の絵全体の、どこか「少し古い」感じが、良い味を出していたように私は感じました。蚊取り線香の匂いが絵本から出てきそうなリアリティを大人は感じられる絵本ではないかと思います。


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