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絵本「コンビニてんちょう ネコイチさん」のあらすじの紹介と評価


評価

息子:☆☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

本絵本は、インターネットで絵本を探していた際に、見つけた絵本です。私が何となく、表紙の絵とタイトルに魅力を感じたため、読ませていただくことにしました。

ママの感想

動物のためのコンビニ「ニャニャマート」には、「動物のための」さまざまな商品が取り揃えられています。店長のネコイチさんにとって、ニャニャマートには「動物さんのほしいものが何でもあるのが自慢」です。けれども、ある夜やってきたこいぬのお客さんが求めた商品は、ニャニャマートに置いてありませんでした…

本絵本は、とても魅力的なお話でした。そのように感じた理由は、2点あると考えています。

1点目は、ニャニャマートの商品力のレベルの高さです。店長のネコイチさんが「動物さんのほしいものが何でもある」と自負しているとおり、ニャニャマートにはさまざまな商品がありました。「こんな商品があるんだ!」、「この商品、すごいね!」と子どもと言い合いながら、本絵本に描かれた、店内にところせましと置かれたたくさんの商品については、子どもと一緒に隅々まで拝見させていただきました。そして、ニャニャマートには、人間用のコンビニには置かれていない、動物がほしがりそうなユニークな商品がたくさん置かれていたことも魅力的でした。これらの商品については、上から目線の感想で恐縮ですが、本絵本の作者の方の想像力の豊かさを感じさせていただきました。「ニャニャマートは、人間だけど行ってみたいね。私たちでも買ってみたい商品がたくさんあるね」と子どもと会話が弾みました。ニャニャマートは、商品力のレベルがとても高い、魅力的なコンビニでした。

2点目は、上記、ニャニャマートに置いていない商品に関するストーリーが良かったといえば良いのか、ネコイチさんの人柄(猫柄?)が魅力的だったと言えば良いのかわかりませんが、本絵本の最後のエピソードがとても良かったことです。チェーン店のコンビニでは、お客さんから「××はありませんか?」と聞かれた際、それがお店に置いていない商品だったら「それは、ありません」と店員さんが答えて、お客さんと店員さんのやりとりが終わることが一般的だと思います。加えて、お客さんが求めている商品が「そんな商品!?」と驚いたり疑問に感じるものだった場合…お客さんときちんと向き合ってくれる店員さんはあまり多くはないイメージが私にはありますが…

これは、私の偏見でしょうか。コンビニの店員さんが振り込め詐欺を未然に防いだというニュースも見たことがあるので、ネコイチさんのようにお客さんに親身になって接してくれる店員さんがいるコンビニもあるのかもしれません。…ただ、ネコイチさんとは違って、そのような「良い店員さん」は非正規労働者なのでしょうけれど。。搾取…

それはさておき。

本絵本の最後のエピソードでは、ちょっと変わった「商品」を買いに来たこいぬくんに対し、ネコイチさんがこいぬくんの話を聞き、売ってはいない「商品」を届けてあげていました。当該エピソードには、「ネコイチさんは立派な店長さんだな。本当に『動物さんのほしいもので置いてないものはない』のが『ネコイチさんが店長を務めるニャニャマート』なのだな」としみじみとした気持ちになりました。

大人になるとよく思いますが、お金で買うことのできないほしいものは、想像以上にたくさんあります。けれども、その「ほしい」と思う気持ちの原因に対し、他者の優しさや行動などが、モノに代わって満たしてくれることがあります。本絵本の最後のエピソードは、まさにこの「他者の優しさと行動」を商品として売っていたわけではありませんが、ネコイチさんがこいぬくんに提供してあげる内容で、上記のとおり、「ニャニャマート」のラインナップの完璧さを感じさせてもらいました。何より、このエピソード自体、とても良かったです! ニャニャマートは、店長さんがネコイチさんであることを含めて、素晴らしいお店なのだと思いました。

本絵本は、動物のためのコンビニ「ニャニャマート」のユニークな商品を楽しむとともにネコイチさんの温かい人柄を感じられる素敵なお話でした。なお、本絵本には運動会のエピソードもあったため、「運動会絵本」でもあることを付記しておきます。そして、どうでも良い話ですが、クマたちが食べていた「ハチミツとイクラのパフェ」がおいしいのか否か…怖いもの見たさで、ちょっと食べてみたいです。


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